お前を信じるって決めて良かった。
「永遠が欲しい」って言う言葉に、睡魔に促されながらもどうしようもねえくらい心が騒いだ。だってオレも同じ気持ちを抱えてるから。きっと同時に死ぬなんてことはねえから、お前が先に死ぬならその瞳に最期に収めるのはオレであって欲しい。肉体が朽ちたらお前が望むようにマリンスノーになって、オレが死ぬまで傍に居て。オレも死んで朽ち果てたらお前と混ざり合って、意識が溶けるまで海の底で互いの存在だけを感じていたい。そうやってオレ達が消えた後も永遠を残して、分かち合えたらいい。オレが先に死ぬ時は、お前もそうしてほしい。
そう、思ってるけど。遠い先の日に約束を結ぶのは、……。…お前の訴えに沸き立つ気持ちで心は満ちてても、息が詰まって首肯を返せなかった。悔しい。悔しいくらいにお前が好きで、だから感情だけで肯定なんてできねえって躊躇っちまって、…本当情けねえの。
お前が魅了された棘を拾い集めて、身に纏って、お前を傷付けたい。オレにしか見せられねえくらいの傷を負って、一生困っちまえばいい。
朝は眠いし気分が乗らねえから誰とも話したくねえし、なんなら目を合わせるのもイヤ。何かが繋がって、些細でも何かしらの関わりが出来ちまうのが怠い。……それなのに、けっこうな頻度で朝になるとお前に声を掛けてる。我ながら健気すぎてウケるし、柄じゃなさすぎてキモイ。オレがオレじゃねえみたいに感じて、気持ち悪さに辟易とする。
心の底から好きになったら、もっと…なんつーか、世界中の何もかもがキラキラして見えるんだと思ってたのに。お前以外の何もかもがどうでもいい。
噛みたい。皮膚を破ってお前の心まで届くくらい、強く。
昼間に離れてる時間は寂しいなんて思わねえのに、夜に一人の時間を過ごしてると寂しく感じるのって何でだろ。…寝顔にキスをするのも悪くねえけど、今は起きてるお前とキスがしたい。……、五秒でいいから起きてくれねーかな。寝ぼけた眼差しでオレの目を見て、ちゅーして、名前を呼んで五秒。そしたらまたゆっくり眠って、起きたらお前もオレを恋しく想って。