5日間。
たったの5日間が、とても長く感じた。自分がここまで、知見や論、学にまつわること以外、…とくにひとに対して恋しく思うことはないだろうと思っていたので、自分自身の内面の変化に驚いている。
基本的に、先日も話したが各々任務に向かう時間はすれ違っている。日常の多くは僕が
彼の帰りを待つ形が多い。
彼の自宅で待つこともあれば、僕の自宅に帰る
彼を待つこともあって。関係を締結させる前は
彼の家で、警戒心の強い創造生物たちと共に待っていたが、最近は創造生物たちからも心を許されるようになった。
彼の家族に近い存在の彼らに警戒され、懐くのなの字もなかったころがなつかしく感じるくらい。
彼がいつも創造生物たちに与えている食事を与えようとすれば僕の手は引っかき傷ばかり作っていたし、時には噛まれることだってあった。僕の手をああも無遠慮に傷をつけることが出来るのはあとにも先にも彼らだけかもしれない。くわえて、僕がソファに座れば蜘蛛の子を散らすようにちりぢりになるし、僕がソファから立ち上がる度に毛を逆立てていたくらいなのに、今や読書をする僕の服の裾をかじったり、膝上を占領したり、僕の所持品である本に爪とぎをしているくらいには心を許されている。最近は、
彼を困らせると冷ややかな視線と、僕の足を爪とぎ代わりにするのも追加された。感心したのは、僕の足を爪とぎにするときには、
ギャンブラーに見えないように、僕の足の影に隠れて仕掛けるという点だ。先月でルームウェア2本の裾がダメになった。今月は、1本もダメにならないよう、僕も
ギャンブラーを困らせないようにしないといけないな。
まったく、こんな形で『手のかかる子ほどかわいい』を体感するなんてな。当の本人…創造生物たちは今僕の膝の上で、マイペースに眠っているのだから、本当に困った子たちだ。
君が恋しいのは、僕だけじゃないらしい。