弊デア最強つよつよアサシン、わしこと岡田以蔵はずーっと待ちよりますけどまだですろうかぁー？

わしんくのマスターはサーヴァントとの絆やら信頼関係っちゅうもんを甘お見ちょる気がしゆう。何じゃ性能優先て…。何じゃ周回効率重視て…。全体宝具やのうて悪うございましたぁー。…はぁー、これじゃき素材に目が眩んだマスターは嫌ながよ。いっそよそ（立香）の子になってしもうちゃろか。

カレンダー上ではとうに過ぎたバレンタインじゃけど、連日の様に飛び交うチョコレートとハートやキラキラした“えふぇくと”の乱舞で迂闊に廊下も歩けん有り様ちや。目がチカチカとちゃがまりそうな気分ぜよ。
大人しゅうライブラリのアーカイブで昔のキネマでも漁っちょくとするかのう。

ビール用のカップ、なんじゃと。
自陣に居る時は専ら日本酒か焼酎で、ビールは食堂で生を飲む位じゃったきあいたぁみたいに瓶ビールでも部屋で冷やしちょく習慣付けちょかんと宝の持ち腐れになってしまいゆう。
冷蔵庫でように冷やした冷酒やら、凍る間際まで冷凍させちょくみぞれ酒をこれで飲むのも一興じゃろうけど、まずはビアタンブラーち名の付く位の逸品なんじゃきビールを味おうてみんとならんじゃろ。

……ほれにしても。こがに自己主張の強いカップを見ちょる所でわしに使わそうとするらぁて、あいたぁも中々肝が据わっちゅう。二人きりの時だけじゃち言うた所で、わしがあいたぁのもんじゃと名入れされたり首輪を付けられゆうのに等しい気がするんじゃけどのう…。わしが深読みし過ぎちゅうんじゃろか？

あいたぁからの祝いの食事はしょうげにどれも美味かった。
サーモンマリネらぁて玉ねぎが付き物なんに、わしでも食える程薄うにスライスされちょってよくよく水に放してくれたんじゃろうと知れる位、辛味もネギ臭さもせざったがよ。

大海老のフライも身がギッシリ詰まっちょってプリプリしちょった。ああいうのを荒目のパン粉ち呼ぶんかのう？ザックザクの食感と噛めば噛む程エビの旨味が出て来ゆうんとで、ずーっと噛んじょきたい位幸せを感じられたちや。

揚げ芋はわしの最近のお気に入り。
ちゅうても初めて食べたんはギル祭やったかスペイシュ祭やったか……兎にも角にもカルデア中にバーガーとホットドッグとフライドポテトが溢れ返っちょった時やったと覚えちゅう。
マスターの目を盗んで食うた芋の美味い事美味い事…。あれ以来ビールのアテには大抵食うちょる気がしゆう。
昨日の龍馬のフライドポテトは随分手が込んじょった。
普段食いゆうがは酒のアテらしい塩胡椒強めの味付けで、細長い時やら皮付きのままざっくり切られたもんやら形は様々じゃけど、兎に角切った芋を揚げたもんを食うちょったんに、昨日のは外カリカリなんに中の芋が特別ホクホクしちょってのう。
カリッ、サクッ、と噛んだ次の瞬間には口の中で芋がほわっと解けゆうがよ。料理らぁてちくとも解らんき身振り手振りで厨房英霊に聞いてみたら、一度茹でて潰した芋を成形し直して揚げちゅうもんじゃち言うちょった。……はぁー、わしの旦さんまっこと芸が細かい…。
何も知らいで美味い美味いちアホみたいに大口開けて食うちょったけんど、きっとわしなんぞが知らん手間暇がこじゃんと掛けられちょったんじゃろな。もっとゆっくりじっくり時間を掛けて食うたらえかったちや。
……ゆっくり食うた所で調理のコツまでは解らざったろうけども。

わしの大好きな大好きなオムライスはふわとろ玉子が龍馬自慢の出来やったらしい。「玉子がとろとろの内に早く！早く！」っちゅうてわしを急かす姿がめっそう可愛えかった。
ヒヨコみたいな優しい黄色をしちょってバターの香りもこじゃんとするしょうげに美味い玉子での、濃い目に味付けされちょったチキンライスと一緒に食うともう…、もう…っ！！思い出しただけで涎が出ゆう…。

ポットパイの礼はまた別に言うちょくとして、まだお待ちかねのデザートが残っちゅうんがまっこと楽しみちや。
今日も真っ直ぐあいたぁの部屋に直行せんと！

去年のはデミグラスソースのオムライス、ハンバーグ、タルタルがたっぷり乗ったエビフライに、付け合わせのナポリタン。ポテトサラダとコンソメスープ。デザートにチョコマフィン。
今年は、ふっといふっとい海老フライに、わしが大好きなケチャップのオムライス。サーモンのマリネとポテトフライ。エミヤが作ってくれたらしいホワイトシチューのポットパイと、デザートにケーキもあるらしい。

わはは！王様になった気分ちや。こがぁに好きなもんぎり食うてえいんじゃろうか？わしが用意したもんも、気に入ってくれたらえいんじゃけど…。

あれから一年、正月にわしから贈った弾丸もバレンタインに貰おた護り石のカフスの世話にもならいで済んじゅうがはまっこと僥倖。
お互い五体満足日々健康に、何の危険も無く過ごせて来た証ちや。…まぁ、年明け早々アルテミット・ワンらぁていう大層な化け物とやり合う羽目にはなってしもうたけどの。…ほれでもわしらはしぶとく生きちゅう。
このまま来年も再来年も変わらず毎年このご馳走を食べ続けていきたいもんちや。

あいたぁが、龍馬が、…何をしてもニコニコニコニコ幸せそうに笑いゆう…。

恥ずかしゅうて照れくそうて……堪らん一日になりそうちや…。