おかえり、龍馬
りょーま、りょうま、龍馬。
旦さん、他には…?
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思えばわしもあいたぁの事を色んな呼び方しちゅうな。
最初の方は、それこそ龍馬ち名前で呼ぶのも少なかった気がしゆうんに。
龍馬、おまんは気が付いちゅうじゃろか。いや、気付かん筈が無い。わしも今までの記録を読み返してほとほと呆れ返っちょったがじゃけど…。
わし、おまんが言う事やする事にろくな反応も返さんと話を逸らし続けちょった節があるがよ。「ほう言えば…」じゃとか、「のう、知っちゅうか?」じゃとか。はぐらかして、はぐらかして……今思えばしょうげにあの頃おまんに愛想を尽かされざったがが不思議なくらい…。
おまんの話す事も、する事も、皆が皆、全部が全部蠱惑的で、魅入られん様にするんで精一杯やったちや。おまんに好かれちゅう気がしてならざった。
もしかして?
もしかせんでも?
おまんから友愛以上の好意を寄せられちゅうんやないか、らぁて…。
そがな都合のえい妄想を振り払う方法が、おまんの話を躱し続ける事しか無かったとは……不器用を通り越して理不尽に過ぎるろう。おまんにどればぁ嫌な思いをさせたか知れんがに、あの頃は勿論、今でも変わらずわしを傍に置いてくれゆう…。
あいたぁの懐の広さは計り知れん。
凄い旦さんじゃち思いゆう。