2022/09/29
眠気を耐えながら月末ってだけで積み上がる書類なんかをやっつけて、戻った自室の薄暗さと薄ら寒さに秋が来たんだと感じる。
国広と出会ったのはもう少し秋も深まった……なんなら冬に近い頃だったな。
一人寝の夜は遅々として明けないのに、日々は駆け足で過ぎ去っていく。後生大事に抱え込んだあの子への愛おしさは、際限無く膨れていくばかりだ。
……誰も知らない場所で、ずっと二振りきりでいられたら良いのにと思うこともある。
俺しか知らない場所に隠してしまいたくなることもある。
どこにも行かないで、俺だけを見ていて欲しい、なんて。……主の刀としては失格の考え方だな。
秋の夜は、考え事をするには長すぎる。どこまでも深く沈み込めてしまうのは良くないな。
ミルクと蜂蜜をたっぷり入れた温かいミルクティーでも飲んで、さっさと眠ってしまおう。