I’m happy only being with you.

>> 25ヶ月記念

　確保。今月はなるべく早い更新を心掛けるわ。できれば一週間以内。

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　一週間どころか二週間も経ってしまって、そわそわと待っていたアンタが未だなのかと落ち込んでしまっていないか心配。お互い忙しいから仕方ないとはいえ、アタシももう少し日記はきちんと書きたいと思っているのよ。だってアンタとの日々の出来事は次々に重なって、その全てが残しておきたいことばかり。書けずに忘れてしまうのはもったいないし、どうにか時間を作りたいところ……なんだけど。アンタと話すことや一緒に過ごすことを優先すればするほど、こちらが後回しになってしまうのよね。まさにあちらを立てればこちらが立たずって感じよ。……さて、反省はここまでにしておいて、今月のお祝いに移りましょうか。


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　二人で過ごすようになって25ヶ月よ、って言われてもなんだかいまいちピンと来ないのは積み重ねたものが多くなった影響かしらね。……いえ、嬉しくないとは言ってないわよ。ただ、なんて言ったらいいのかしら──そう、「もうそんなに経ったの？」っていう驚きが強くて。
　二年も一緒に過ごせばある程度山も谷もあって、……アタシが勝手に舞い上がったり落ち込んだりしていただけかもしれないけど。でも、その月日を重ねて今一緒に過ごせていることに感謝は尽きない。

　アンタへの愛情や好意は日々増すばかりよ。ここ最近はアンタへの態度が更に甘くなっているのも自覚してるわ。……大好きなのよ。愛してるの。いつだってその気持ちを伝えたくて、声にも態度にも甘さが滲む。アンタはそれを嬉しそうに目を細めて聞いてくれるでしょう。アタシの甘ったるい、重たい愛情を平然と受け止めてくれることにも感謝してるのよ。更に言うなら、同じ熱量で愛してくれていることにもね。ふふ。

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　もう夏はすぐそこね。アンタと過ごすホリデーが今から楽しみよ。折角の海だもの、目一杯楽しんでたくさんの思い出を作りましょう。アンタの手を取って連れ回してあげる。だからレオナ、きちんとアタシについてくるのよ。

Kiss you

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　確保。キスの日の話。

　キスの日、と呼ばれる日があることを知ったのはその前日のこと。その日は奇しくもアタシたちが二年の記念日を迎えた当日。浮かれた気持ちを抱いたままのアタシが、マジカメのタイムラインに流れてきたカップル向けのコラムに目をとめるのも、当然といえば当然だったわ。
　多少の茶番やお茶目を挟んで書き連ねられるその記事を要約すると、『特別な日に合わせて普段よりも少し積極的なアプローチをしましょう』という内容だったわ。そういえば、アンタはアタシからするキスを殊の外気に入っているようだった。積極的なアプローチ。そうね、偶にはそういうものに便乗してみてもいいのかもしれない。

　決意をしたはいいけれど、そういう時に限って中々タイミングが合わないものよね。記念日のお祝いの為に柄にもなく夜更かしをしたアンタは、案の定日付が変わる前からゆっくりとした瞬きで微睡んでいて、更にはこれから暫く朝が早いと憂いている。そうして、その次の瞬間には瞬きのつもりだったらしい瞼は持ち上がることもなくすっかり閉じて、すぴすぴと穏やかに寝息を立てていた。相変わらずの寝付きの良さね、なんて笑いつつ、アタシは当初の計画を少しだけ変更することにしたの。
　本当は日付が変わったのを見計らってキスをするつもりだったけれど、アンタが眠りについた今、寝ているところに口付けたところでそれって積極的なアプローチって言えるかしら？　答えは否。下手したら普通に変質者だわ、だからタイミングは朝へとずらすことにした。……キス自体も、唇へのキスから頬への軽いキスにすることにしたの。だって、これから忙しくなるってところに熱烈(って言うと少し誇張が過ぎる表現だけど)なキスを仕掛けて、空気の読めない男になるのは嫌だったのよ。…………あら？　今振り返って気付いたんだけど、これって結局積極的なアプローチにはなっていないような……。…………思いっきり本末転倒じゃないの。いえ、アタシからのキスってだけで充分積極的だったはず。そうよね？　そうよ、絶対そう。あれは積極的なアプローチだった、間違いないわ。


　とにかく、決意を新たにしたアタシはアンタが朝起きるのに合わせようといそいそと眠りについたわ。そして次の日の朝、起きてから真っ先にアンタに計画を実行したのよ。その時は思惑通りに計画を遂行できた満足感と、朝からアンタに触れられた充足感でアンタの反応を見る間もなくもう一度眠ってしまって……その後のアンタがどんな気持ちでアタシを抱き締めてくれたのか知る由もなかったわ。再び目を覚ました時には不機嫌そう……と言ったら語弊があるわね。なんだかすごく複雑そうな顔でため息を吐くアンタに迎えられた。
「危うくまた部屋増やす羽目になるとこだったな」
　アンタはそんな風に言って、恨みがましい目で見てくるものだから、アタシは少しだけ憤慨して言い返してやったの。その時にくちびるは我慢したこともきちんと言ったのに、アンタったらそういうことじゃねえなんて言って項垂れるから、アタシはますます不可解な気持ちを抱いたわ。……まあ、その後少し時間を取ってデートをしてくれたから、すっかりアタシの機嫌は直ったのだけれど。

　……でも、キスの仕返しを受けたのは予想外だったわね。ふふ、朝の仕返しだ、なんて得意げにするものだから可愛いのと愛しいので思わず笑ってしまったけど……あれね、結構嬉しかった。だからこれからアタシからもたくさんキスしようって思ったのよ。だって、その度にアンタの仕返しがついてくるんでしょう？　なんだかキスしてばかりになりそうね、うふふ。