Today is ....

>>

　なんでわざわざ今日の日付で、ってアンタは思うかもしれないわね。そうね、昨日ならお互いに愛を伝え合うちょうどいい日だったし、一週間後には記念日だって迫っている。でもね、別に忘れていたとか気の早いお祝いだとかそういうわけではなくて、今日こそが本当に特別で大切な日だからお祝いしたかったのよ。なぜなら……──アンタと出会って、恋に落ちて、今日でちょうど1000日だから。
　ね、驚いた？　アタシがこの日を楽しみに指折り数えていたこと、気付いてなかったでしょ？　ふふ。……あ、別に落ち込む必要はないわよ。記念日と違って意識してないと把握しづらいし……気付かなくても無理ないもの。だからこそ、アンタがこれを見た時の反応が楽しみだわ。気付けばきっと、アンタもアタシと同じくらい喜んでくれるはず。そうでしょ？　レオナ。


　アンタの好きなところも好きだと思う瞬間も沢山あるわ。アタシの唇を味見するみたいに齧って吸って、悪戯に食むキスだとか、それでアタシのあちこちが赤く色付くのを見てにやりと笑う、意地悪な笑顔だとか。仕留め方を心得て久しい獲物をどう食らってやろうかと、欲望にぎらぎらと煌めく瞳も……その欲を堪えてアタシの都合を優先して、その爪を渋々しまって強く抱き締めてくれるところも。アンタの優しさが嬉しくて、なによりも愛しい。

　いつもは吊り上がった眦が少しだけ下がる、呆れまじりの笑顔が好きよ。眠る前に名残惜しそうに唸る所も、眠気に耐えられなくてころりと眠った後の少しあどけない寝顔も好き。朝起きてきたアタシを出迎えてふわっと持ち上がる素直な尻尾も好き。アタシを揶揄ってやろう、照れさせてやろうとして紡ぐ意地悪も、本当は好き。好きじゃないところを探そうとしたって全然出てこないくらいにはアンタに夢中で、盲目なの。1000日もの間、アタシはアンタに恋をし続けている。

　改まって言うのは少し照れてしまうけど、いつも……いつも、ありがとう。アンタは側にいられるのはアタシのおかげだといつも言うけれど、アタシだってアンタの優しさに何度救われたかわからない。アンタとすることはなんだって楽しくて、アンタがしてくれたことはなんだって嬉しい。
　アタシの側に居てくれるアンタに、アタシの全力で報いるからどうかアタシをこれからも側に置いていて。アンタの言う事も、ちょっぴりなら素直に聞いてあげる。アタシからもっとキスもするし、アンタがしょんぼりしていたら元気になるまでハグするわ。だから、これからも変わらない毎日をアンタと過ごしたい。特別なことがあったら二人で楽しんで、喜んで、特別なことがなくても穏やかに二人で過ごしていくの。ね、そんな未来も悪くないでしょう？

　レオナ、大好きよ。素敵な毎日をありがとう。


>>

　……うきうきで筆を取ったはいいけれど、アンタに対する変な圧になってたり、引かれたりしてない？　ちゃんと喜んで貰えているかしら……どう……？

　日付が変わるまで起きてられない俺の事を少しは慮りやがれよな……はー……朝起きて用意されてたプレゼントには驚かされたし、そんな意図があるとは思わなかった。嬉しいに決まってんだろうが、ありがとな。ただそうだな、お前ばかり祝ってんのは少し不満というか、悔しい。言えよそういうのは。多少忙しかろうがお前が喜びそうなものの一つや二つ用意するくらいのことは俺にも出来るんだぜ。

　なによその溜め息は。というか言ったらサプライズにならないじゃないの。……は、そういえば前にサプライズが苦手とか言われてたけど、これで汚名返上できたんじゃない？　ふふん。
　……それと。前もって言えばアンタがアタシを喜ばせるプレゼントを用意してくれることなんて分かってるわ。今回黙っていたのはただ、……アンタがびっくりしたあとに、それでもきっと喜んでくれると思ったから。アンタを出し抜こうとしたわけでも遠慮していたわけでもなくて、ただ喜んで欲しかっただけ。それだけよ。

>>

　今日の撮影はいつにもまして完璧にこなすわよ。だって、今日はアタシの部屋で特別なご褒美が待っているの。ああっ、今から楽しみだわ。先ずはどの服を着て貰おうかしら……ふふ。


>>

　こんなにうきうきであれこれ用意したっていうのに、アタシの都合で殆ど何も出来なかったわ……くっ、まだまだ着て欲しい服はあったのに……！　アタシが何をしたっていうのよ、いえなにもしてないんだけど。はー……またどこかでチャレンジするわ。とりあえずこの週末は二人でゆっくり過ごしましょ。


>> 以下、私信。返信反応お気になさらず。

『名前のない日記帳』のアナタへ。

　お久しぶり……とお声掛けしていいものかとうかと少し悩んだのだけど、折角だから声を掛ける事にしたの。だって、久々にアナタの姿が拝見出来て嬉しかったのよ。いえ、厳密にはその少し前にもお見掛けしていたんだけど、改めて話す機会を得られてホッとしているわ。
　そう、アナタの日記に対しての心構えに……なんて言ったらいいのか分からないけれど、とても共感したの。本を開いたまま、まるで水飲み鳥のように頷いていたのはこのアタシよ。
　アナタの日記の一ファンとして、これからもアナタが彼を想う言葉の数々を見させて頂けたら嬉しい。まだまだ寒い日も続くでしょうから、体調には気を付けてちょうだいね。

『Vesper.』のアナタへ。

　余りにも圧の強いラブコールに笑ってしまったのはここだけの話よ。ともかく、本棚へのご招待をありがとう。すっかり本棚のお礼を告げるタイミングを失ってしまっていたから、アナタから声を掛けて下さって助かったわ。だから畏れ多いだなんて一線は不要よ、気安く対等に、アナタらしく話して頂けたら幸い。
　それにしても、満了済みの一冊目から目を通して頂いているとは思わなかったからそれはちょっと……いえ、中々に衝撃を受けたわ。しかも残り５ページって所まで読み進めていただいていたなんて……少し擽ったいけれど、大ファンだなんて言って貰えて嬉しくないわけがないわ。ありがとう、ミスターＪＯＪＯ。ふふ。
　でもこれからは、アタシもアナタの日記をじっくりと拝見させて頂くわよ。そのつもりで本棚に入れたんだもの、アナタの軽快で小気味好い言葉とそれで紡がれる愛情深い文をこれからも楽しみにしてるわ。

good boy

>> 32ヶ月記念。

　アンタが喜ぶことを全て、アタシの全力で。そうやってアンタの側に居続けてこれで三十二ヶ月。それなりの山や谷を越えて辿り着いた今は、昔に思っていたよりもずっとずっと暖かな未来だった。それは多分……いえ、絶対にアンタのお陰で、これから先ずっとアンタに感謝し続けたって足りないくらいにアタシはアンタに支えられてばかりいる。だからってここで謝ったらアンタはきっと複雑そうに眉を顰めるだろうから、素直に感謝の言葉を伝えておくことにしましょう。いつもありがとう、レオナ。

　それで、そんなアンタにアタシが出来ることって何かしら、と考えた結果があれなのよ。アタシのためでもある、って話はしたけれど、やっぱり一番の動機はアンタの喜ぶ顔が見たいから、ってところね。
　自分のための努力は勿論、アンタのために奮励を重ねる事はアタシにとってちっとも苦ではないわ。アンタの喜ぶ顔や褒めてくれる言葉を想像するだけでやる気が湧いてくるのだから、我ながら単純な男だと笑ってしまいそう。でも、今回は想像の一万倍くらいアンタが喜んで、褒めてくれたから本当に嬉しかった。これからもアタシ、アンタを喜ばせるためならなんだってする覚悟よ。だから、これからもアタシの隣で大人しく愛されていてちょうだい。

　この一ヵ月も変わらずアタシの側にいてくれてありがとう。この先もずっとずっと大好きよ。愛しているわ、レオナ。


>>

　明日、アンタが合宿から戻ってくる。はあ、早く顔が見たいわ。アタシの大好きな美しい顔をね。
　……あ。何時に帰ってくるか聞いておけば良かったわね……今更だけど。ま、いつ戻ってきても良いように課題やらワークアウトやらは先んじて済ませておきましょう。そうして帰ったアンタを真っ先にハグで出迎えるのよ。

　そうだ、叶えてくれるっていう『わがまま』についても考えておかないと……どうせなら滅多にできないことを強請った方が良いわよね。「何を言い出したって聞いてやるよ」って言質もとったことだし、アンタが戻るまでしっかりと悩んでおくわ。とんでもないわがままを聞いて目を白黒させるアンタの顔が今から楽しみね！　うふふふふっ。…………あ、いえ、でも本当に嫌なことはちゃんと言うのよ？　無理強いをする気はないし、折角ならアンタにも楽しんで欲しいし。

>>

※若干のメタ、別ゲーム話題を含む。

　今日夢を見たの。アタシの頭にカニが貼り付いて、何これ！？　って思ってアンタを呼ぶんだけど何度合流しても逸れてしまう夢よ。何言ってるか分からないでしょうけど、アタシもどういうことかさっぱり分からなかったわ。

>>

　よし、ようやく一段落。厳密にはまだ作業は残っているんだけど……急いでやるべきことはもう済んだはずよ。はあ……とりあえずベッドに潜り込みましょう、もうこんな時間だわ。ほら、もう少しそっちに詰めてちょうだい。
　……よし。じゃあおやすみなさい、レオナ。また明日ね。