「どうせ、ひとは嘘を吐く」と言われたことがある。ずっとむかしのこと。確かにそいつは、よく嘘を吐いていた。くだらないものから相手を傷付けるものまで、幾つもの嘘を重ねて、俺がそれについて言及する度に先の言葉を零していた。
嘘を吐くことが、必ずしも悪だとは思わない。きっと、今まで嘘を吐いたことのない者など存在しないのだろう。……けれど、嘘を吐くことを当然のものとして繰り返すことは悪である、と思う。相手が傷付くことを自覚したうえでそれを繰り返す行為は、ただの加害行為なんじゃないか。
……国広は嘘を吐くことについて、どう思っているだろう。今度聞いてみることにする。

気圧のせいか頭痛が治まらず、まともに任務にも就けない。全く、こんなところまで人に似なくていいものを、……と愚痴を零しても仕方がない。ゆっくりと湯に浸かってから、大人しく横になって国広の任務が終わるのを待っていようかな。

⚠︎ 背後交流、閲覧自己責任

数日かけて、国広とある映像を観た。互いに友人から勧められていたけれど手を出せていないもの。続きが気になって、一日で何話か進めることもあった。深く刺さるような話も沢山あって、普段は滅多に涙を見せない国広が溢れることも多かった気がする。そういう面でも、とてもいい時間だったなと、改めて。別の映像を一緒に観る約束もして、またひとつ、国広と同じものを共有出来る喜びを噛み締めている。

ふと、こんなに幸せでいいのかと考えたりする。

俺からの贈り物として、初めて形に残るものを渡した。形に残るものは、別離の際に辛くなるだろうと思っていたから。……けれど、そんな悩みは国広と毎日を過ごすなかでとっくになくなって、なにかを贈ってやれるような機会をずっと窺っていた。
殆ど毎日ふたりで眠り、すれ違う日も国広がすやすやと寝息を立てている隣に潜り込むし、同じ部屋にいるときは大体くっついて過ごしている。だからこそ、任務に赴く際や出先でも、少しでも俺からの温もりを与えてやりたいと思って選んだもの。長い時間をかけて選んだ甲斐あってか、俺が思っていた以上に喜んでくれた。贈ったその日、早速それを身につけて出掛けていく国広の後ろ姿は、いい意味でうかれているようにも見えて可愛かった。

国広が俺にと贈ってくれたものは、もう少し堪能してから綴ることにしようかな。

昨日の夜、──くんと食事に行ってきました。人通りの少ない道沿いにあるお店で、他の方の視線を気にすることなく過ごせました。初めての場所だったので、緊張して挙動不審になってしまいましたが…。
私のお友達はあまりお酒に強くないのですが、──くんはかなり飲むようです。つられて私もたくさん飲んでしまって、ほろ酔い気分でつい色んな事を口走って…今思い返しても恥ずかし過ぎます…！でも、本当に楽しかった。幸せで、今でも夢を見ているような、ふわふわした気分です。次のお約束もしましたし、その日までに色々と準備をしませんと…。