九十九日目 アイツと長らく綴っていた物語が ようやく章を進めた。 98日かけて創り上げた2日間は それはそれは密度が濃くて、 終わらない夜を繰り返しながら 俺達は互いを深く知っていった。 思い返せばあの時、 アイツが俺の髪に花を飾らなければ こうして日記を書くこともなかっただろう。 アイツから返書が届く都度、 その美しさに息を呑んで、疾走感に胸が躍り、 抱えた過去の切なさに感情が揺れていた。 愉しかったなあ。 はやく次の展開を書きたいけれど 折角だから、最初から全部読み返してしまおう。 今夜は感想戦をしようか。 ひとまずのハッピーエンドに祝福を。 足元に影が射す程に 燦燦と満ちた満月の下でのあの出遭いが 俺はまだ脳裏に焼き付いて離れない。 |