六十八日目 "じゃあ始めるよー、鬼はーうち!" アイツの軽快な掛け声で 俺達の豆撒きが始まった。 両手足と、頭と、腹と、背中の七箇所に 紙風船をつけて互いに割り合う対決競技。 宙に跳んで、地を這って、 豆を避けたらひたすら投げる。 妙にリアルな青鬼のお面を被ったアイツは 奇襲が得意だから 長期戦は不利になるだろう。 力づくでいくしかない。 間合いを詰めて、脚払いですっ転ばせて 最後は寝技に持ち込んだ。 今年は俺の勝利だ。 ああ楽しかった。 来年もまたやろう。 "して欲しいこと"。 思い付いたぞ。昼に強請りにいく。 |