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120.賭狩《トガリ》
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4 :迅
2020/10/08(木) 22:07:56
「やあ、■■■君……いや、今は君月巳羽|(きみづきみう)の奴隷|(ポチ)だったかナ?」
「………」
「おー怖、そんな睨まないでヨォ。まぁ、俺達賭博統括委員に手ェ出したらどうなるか、解らないキミじゃ無いだろうけどサ」
この学園でのギャンブルは、賭博管理委員会と呼ばれる組織がギャンブル全体を管理しており、各賭場に5人ずついる統括委員会が各管轄エリアに存在する各賭場を収めている。
壁に背を預けた少年は、肩書きを『トランプゲーム統括委員長』、名を透形迅。
1年前に『ポチ』を叩きのめし、彼から人としての名前と『生活』を奪った張本人。……もっとも、彼は賭けを楽しんでいただけだが。
「『納金』が出来ないのは一千万歩譲って仕方ないとして、出資者|(パトロン)の1人も作れないんじゃ、奴隷から『家畜』に仲間入りダヨ?」
「ただでさえ非協力傾向者なんだからサ、しっかりしてくれよネ」と、彼は露骨な嘲りを込めて紙袋を『ポチ』に投げ渡す。
彼は受け取った袋の中を確認すると、先ほど賭場で注文された品物と───50枚束にされた万札が入っていた。
「なんで───」
「どうせ巳羽とその取り巻きから言われたんだろ?本来はNGだけど、俺ァキミが底辺からどうのし上がって来るのか楽しみデネ。買い物も済ませたんだし、サッサと戻ったら?」
「いやそうじゃなくて───」
「じゃあの」
彼の声を聞き入れる事なく、迅は『ポチ』の前から去っていく。
『ポチ』は呆然としていると廊下を行き交う他の生徒達から痛い視線が飛んで来るため、彼は足早に賭場へ戻って行った。
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