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120.賭狩《トガリ》
 ┗7

7 :迅
2020/10/10(土) 08:46:17

2ndゲーム:奴隷と奴隷のゲーム

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 昔々、令皇学園にはある勝負師がいた。
 彼はどんなゲームでも勝利を収める実力と、どんなイカサマも見逃さない鋭い洞察力と、類稀なる極運を持ち合わせていた。
 彼は数多の博徒から、畏怖と尊敬の念を込めて『賭狩|(とがり)』と呼ばれたが───

彼は突然、博打の世界から姿を消した。



***



「では、今回の授業はここまでです。それでは皆さん、また明日会いましょう」

 鐘の音が授業の終わりを告げ、生徒名簿を持った女性教師は教室から出て行く。
 ここ令皇学園は、普段はごく普通の私立高校となんら変わりないのだが、放課後になると共に全く異なる姿へと変貌する。

『ゴミクズ共!賭博管理委員のラジオタイムだぜ!MCはこの俺、黒騎司佐とォ!?』
『私、幸光姫乃が担当させて頂きます』

 刹那、クラス中から歓声が上がる。
 品行方正、文武両道、如何なる褒め言葉をかき集めようと、この学園にはそれらの言葉は全く響かない。それどころか、むしろ学園に対する最大級の侮辱に成りかねない。
 この学園最大の褒め言葉は───【狂気】。

『今回は、奴隷や家畜共の為に《下克上》を開催するぜ!ルールは簡単!本来なら参加権を剥奪されてる敗者|(ナード)共も参加可能!さらに勝利倍率は驚愕の13倍!こりゃスゲェ!』

 司佐はややオーバーリアクション気味にレートを表示し、クラス全体がざわつく。
 これぞまさしくハイリスクハイリターン。勝てれば相当な資産を得る事が出来るが、負けた時は相応の損失を覚悟しなければならない。
 そんな彼に続くように、姫乃は落ち着いた美しい声で注意事項の説明を開始した。

『しかし参加には出資者の存在が必要になりますので、出資者が居ない方は依然参加は出来ません。これは規則ですのでご了承下さい』
『そんじゃテメェら───』
『史上最高に、それでもって最狂に───』
『『賭け狂え(いなさい)』』

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