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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/08/27(金) 02:16:44
早朝、七海は公一と共に自分の寮に向かった。
公一について来て貰ったのは、ひとりじゃ少々気まずいからである。
楓に一言「ごめんね」と言えば、万事解決だ。
全て元通り。
その筈だった。
「七海、なんかおかしい。殺気に満ちている。いつもはこんなことあらへんで。」
物々しい空気だった。
人だかりができていた。そしてそこにある筈のものが無かった。
「嘘。」
女子寮・南棟はぽっかりと消えていた。
跡地には黄色い規制線が張られ、周りを取り囲む生徒たちは不安、焦燥、恐怖、虚無に満ちた顔をしている。
「楓、佐奈!」
人混みをかき分け、その場所に近付こうとする。だが怒号を上げる生徒に突き飛ばされ倒れた。
「痛!」
視界が逆様になった。
すると灰色の空に、銀色のUFOがキラリと光るのが見えた。
「あれは・・・」
「七海さん、ひっくり返ってる場合じゃないよ。」
起き上がると佐奈の姿があった。
「佐奈ぁ!無事だったんだ!!」
七海は佐奈を抱きしめた。
「うちは夜半からラボに行ってたから無事だった。」
「佐奈、どうなってるんや。女子寮が消えたのは一体・・・」公一が尋ねる。
佐奈はかなりの早口で言った。
「わかると思うけど、すっごくヤバい状況。タキオンジャーが女子寮を消し去った。宣戦布告の音声を解読できたのは多分うちくらいだけど奴等がUFOで吸い込んだのは建物だけじゃない、戦-1の勝ち星もなの。つまりオチコボレンジャーの持つ9ptsが奪われた。奴等は学校を乗っ取るつもり。何か質問ある?」
わからないことだらけだ。
だがたった1つだけ。七海は最も気になっていたことだけを訊いた。
「楓はどこ?」
「わからない。」
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