Yahoo!ショッピング

スレ一覧
340.シャインシックス【小説スレ】
 ┗21-23

21 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 21:05:56

第十九話 「レインボードリンクの伝説〜前編から中編その1まで〜」

・前編・
ジーナ・ケスタと陣内みぞれ、大甕来夢は森に来ていた。
そう。ジェネラル戦が終わり、自然豊かな森で暮らしていたのだ。ジーナの技、「実体映写」を使ってその場にテントを出し、そのテントの中で暮らしていた。
鳥のさえずる声や木の葉音、小川のせせらぎが心を和ませてくれる。まだこの森は、バリスパーには荒らされていなく、ありのままの姿だった。
そもそもバリスパーは、使い勝手の良さそうな街を目につけ、支配しようとしているのだろう。
三人はそんな中、ゆったりと自然を楽しんでいた。
ふと、みぞれは果物が実っている木を見つけた。
虹色の色の、洋梨型のフルーツだ。
珍しい色なのだが、どうも毒々しい雰囲気をまとっている。
「どうしよう、綺麗なのだけど毒がありそうな見た目…。」
とみぞれはつぶやいた。
みぞれの濃いグレープジュースのような、うるうるした瞳はみぞれが心配して余計うるうると輝いている。
そんな三人の不安を知らない空は、雲ひとつなく晴れていた。
不安もかき消すような青空に…。

・中編その1・
ガサガサッ。と音がして、木が揺れた。
その反動で、みぞれはビクッとした。
後ろに立っているジーナと来夢もかすかに震えている。
張り詰めた空気の中、ジーナが重々しく口を開いた。
「…このフルーツ…。辞典に載っているかしら。」
そう言って、小さな鮮やかピンクの丸いポシェットの中から、一冊の分厚い辞典を取り出した。
みぞれと来夢は、どこから出したのかなどは聞かなかった。
それよりも、今はフルーツのことで必死だったのだ。
鳥はそのやり取りを見るようにチュチュイッと鳴き、短い首を一生懸命伸ばして辞典を見ようとしている。
「えっと、フルーツの目次の中から、…コレ…かしら…。」
ジーナが指を指したそのページには、目の前にあるフルーツと全く同じ色、全く同じ形をしている。
とは言っても、少しつるつるしているが…。
「この美しきフルーツの説明は…。」
と、来夢が説明を読みあげた。
⇒二十話へ続きます!

[返信][編集]

22 :ダーク・ナイト
2023/02/03(金) 17:53:06

第二十話 「レインボードリンクの伝説〜中編その2から中編その3まで〜」

・中編その2・
「ある街にある、このレインボーフルーツ。見た目は毒々しく、怪しんで食べない者がほとんどだが、実は食べられる。味は濃厚で、舌がとろけるほど甘い。一口かじるごとに味が変わる。色は虹色で、形は洋梨型。さわると若干つるつるしており、噛みごたえはぷにぷにしていて柔らかい。」
「へー!じゃあ、コレ食べれるんだ!」
とジーナは興味津々にフルーツをながめた。
「ですが、レインボーフルーツって本当に美味しそうですよね。」
とみぞれがレインボーフルーツをじっと見て、今にもかぶりつきそうな目をしている。
「ですわね。私も召し上がってみたいと思いますわ。」
と来夢も言う。
異口同音なため、早速食べてみることにした。
かぷり。
最初に、みぞれが食べてみた。
皮までもが柔らかく、肉厚で果汁たっぷりな味わいだ。
一口かじるごとに味が変化するため、何口でも食べられそうな、まさに魔法のフルーツだ。
最初の一口目は、りんごの優しい甘い味わい。
次の二口目は、オレンジの甘酸っぱい味わい。
次の三口目は、バナナの濃厚でトロピカルな味わい。
四口目は、メロンのさわやかでジューシーなな味わい。
五口目は、ぶどうの甘味と酸味が舌の上でとろけだす味わい。
六口目は、ブルーベリーのほのかな酸味のある味わい。
七口目は、いちごの春の吹雪を感じられる胸のときめきの味わい。
一口ごとに、みぞれは「うーん!」と感動をうなってしまう。
この味わいは、言葉でもとても言い表せないくらいの味だ。
みぞれに続いて来夢もかじってみた。
目を飛び出さんばかりに開きながら、レインボーフルーツをかじる口はやめられない。
ジーナも横でレインボーフルーツをかじりながら、幸せそうな顔を見せている。
三人は、芯まで大切になめきった。
すると、なぜか満腹になり、一食分を食べたような気分になった。辞典のレインボーフルーツは、次のページにも説明が続いていた。来夢がそれに気がついて、読みあげた。
「なお、1つを食べると一食分のご飯を食べたように満腹になる。バトルのときのエネルギー補給にもおすすめ。」
それを見た三人は顔を見合わせた。
(このレインボーフルーツを持っていきたい!)
三人が考えていることはこれにまとまっていた。
「でも…。」
とジーナが残念そうにレインボーフルーツへ視線を向ける。
「このままでは腐ってしまうのでは無いでしょう?」
と来夢も心配そうにうつむきながら聞く。
ただ、みぞれ1人が自信満々だった。

・中編その3・
「どうしたの、みぞれ?」
「どういたしました?解決策でも思いつきましたの?」
ジーナと来夢はみぞれに聞き合う。
みぞれは、コクッとうなずいた。
みぞれは木からレインボーフルーツを九個つみとった。
「コールドウィンター!」
あっという間に、レインボーフルーツが凍った。
「凍ったら腐らないでしょう?」
とみぞれが二人に堂々と説明した。
なるほど、その手があったか!と二人は手を叩いた。
このようなときに、チルドタイプの協力者がいたことにジーナは感謝した。
そして、レインボーフルーツは私服にジーナが付けている「無限ポシェット」に入れた。
すると、森の奥の方から声がした。
この声…なんだか聞き覚えのある声だ。とジーナは感づいた。
その声に近づいていこうとする来夢とみぞれを引き止め、草むらから様子をうかがっていた。
やはりジーナの勘通り、バリスパーの団員だった。
「ここらへんに、レインボーフルーツとやらがあるらしいですよ。」
「見たところ無いのだが…。」
「木に実っているのですよね?」
「噂では、そのフルーツでジュースを作ると、1時間だけ無敵な体になれるらしいぞ。」
と、団員の声が聞こえてくる。
おそらく四人くらいがいるだろう。声の種類が四種類ある。
その声は三人の隠れている草むらの前を通り越して、三人が来た道を進んでいった。
団員が通り過ぎていった後、来夢が二人に告げた。
「聞きました?無敵な体になれるらしいとのことですわ。」
まさか、レインボーフルーツにそんな力があるなんて…と三人は驚いていた。
たまたま見つけたフルーツに戦いに有力な力があったのだとは、単なる偶然だとしか思えなかった。
⇒二十一話へ続きます!

[返信][編集]

23 :ダーク・ナイト
2023/02/03(金) 21:34:06

第二十一話 「レインボードリンクの伝説〜後編その1から後編その2まで〜」

・後編その1・
「レインボードリンクはどのようにして作りますの?」
と来夢が辞典をめくる。
目次に、「レインボードリンクの作り方⇒897p」と書いてあった。来夢がそのページを読みあげた。
「レインボードリンクは、レインボーフルーツを『変化型魔法』でジュースにすることで作ることができます。なお、『変化型魔法』は、マジカルスティックで発動できます。」
「マジカルスティック!?」
とジーナは驚いた。
ちょうどジェネラルから奪い、味方にしたばかりだからだ。
なんとありがたいことだ、とジーナはしみじみ思った。
そして、さっき無限ポシェットに入れたばかりのレインボーフルーツを取り出した。
まず、みぞれに氷を解除してもらった。
魔法がかかった状態で別の魔法をかけることは難題だからだ。
「解除!」
みるみるうちに、元のレインボーフルーツに戻った。
次に
「変化型魔法!」
とジーナが声を張り上げ、レインボーフルーツに向かってビームを発射した。
すると、レインボーフルーツが溶け出した。
とっさに来夢がグラスを作り出し、グラスにジュースを注いだ。
次の瞬間、目の前にはグラスに注がれたレインボードリンクがあった。
まず一口、ゴクッとジーナが飲んでみた。
ジーナはまんまるな目をして、「美味しい!」と叫んだ。
みぞれと来夢も続いて飲んだが、やはり二人も目を輝かせた。

・後編その2・
「こんなに美味しいものが作れるようになったなんて…!」
さらに、バリスパー団員が言っていた、無敵な体になれるということだが、本当に無敵な体だった。
試しに電気を通しても凍らせても念力を使っても、全然攻撃の効果が表れない。
さらに、どれだけ走っても疲れないのだ。
また、美味しい部分はもう一つある。
自分の攻撃もパワーアップしているのだ。
電気タイプの、一番弱い技でもビリビリにしびれ、しびれ状態になる。
「コレは良いものを見つけたわね!」
とジーナはガッツポーズをした。
三人は、青空を見上げた。
三人の今の心のパレットは、まさに青空のさわやかなスカイブルーであった。
⇒二十二話に続きます!次回からは「からから砂漠のバトル」編です。

[返信][編集]



[管理事務所]
WHOCARES.JP