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376.【小説】愛と幻想のショートショート
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17 :零
2024/09/03(火) 19:06:08

僕はこの病院でずっと働き続けている。病院のお仕事と言っても色々あるけど、僕はお医者さんや看護師さんではなく、患者さんと対話するカウンセラーというお仕事をしている。ただ、他のみんなと一つ違うところがあって、それは住み込みで働いているという事。ちょっと不思議。僕もどうしてなのかはよく分からない。
 病院はとても広く綺麗で、毎日とっても楽しくて、幸せをいつも感じてる。
 毎週末は外出許可が出る。お休みの日だ。その日になると、色んな散歩道を通って、色んなレストランでご飯を食べる。発見がいっぱいだ。でも今日は、エージェントさんから「色々なことを学んでみないか」と言われて興味が出てきたので、博物館へ行く事になった。ちょうど今週の初め、科学や歴史が好きな患者さんと話した時があって、患者さんはすごい熱量で僕に沢山の知識を披露してくれた。ちょっと置いてけぼりになったけど、面白かった。今日も色々な発見があるだろう。
 博物館へ着くと、動く機械の魚のオブジェがあった。来て早々変な物を見た。それから科学についてのエリアや、歴史についてのエリアなんかを色々見学した。僕がよく知っているのは心理学だけだから、その他の学問に触れるのは目新しく感じた。そういえばこの日、この前カウンセリングした女の患者さんも何故か僕に着いてきて、一緒に行動していた。なんだかおしゃれな人だった。体験型の展示物や、楽しい実験ショー等、色々回るうちに、よく分からない気持ちになってきた。この気持ちはなんだろう。体が熱ってくるけど心地いい。心臓が踊ってるみたいだ。なんだか不思議だけど、あの患者さんにまた会ってみたいと思ったのは確かだ。
 一日があっという間に過ぎ去っていった。帰り際にお土産屋さんで恐竜のフィギュア二つ買った。一つは僕に。もう一つは女の患者さんにあげた。なんでこんなことしようと思ったのかは自分でも分からないけど、あの患者さんには、自分とお揃いのものを持っていて欲しかった。
 患者さんと別れる時、僕は「電話番号交換しませんか?」と言った。伊達にカウンセラーをやっていないから、人と積極的にコミュニケーションをとるのは得意だ。相手は「いいよ」と言って、お互いの電話番号を教えた。でも何故か既に患者さんの電話番号は登録済だった。不思議な事もあるんだなと、僕は対して気にしなかったけど。
 帰ってきたら、急に眠たくなってきた。今日一日遊びまくったから疲れたんだな。僕はエージェントさん達に「おやすみ」と言って自室に戻ろうとした。でもエージェントさんは背後から僕の肩を掴んだ。「お前の役目も後少しだ」エージェントさんはそう言って、僕にどこかで見たような面白い形のヘルメットを被せようとしてきた。僕はそれを見た瞬間、なんだか怖くなって必死に抵抗した。やめてよ。僕は早くベッドに入って眠りたいんだ。生憎エージェントさんは力が強い。抵抗虚しく、僕の頭にヘルメットが覆い被さった。
 う……
 なんだこれ。
 あぁ……
 はぁ……
 はぁ……
 ……

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