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┗75.ネット小説相談所(61-80/1000)
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61 :迅
2020/07/29(水) 21:46:41
エブリスタで二話を作成中。みんな大好き杜王町がちょこっとだけ出てくるよ
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62 :げらっち
2020/07/29(水) 21:50:12
こっちには掲載しないの?
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63 :迅
2020/07/29(水) 22:00:03
一応掲載はする……と思う。
まずは本業を優先せねば
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64 :すき焼きのタレーライブキッズ
2020/07/29(水) 22:03:00
まあぼちぼちがんばれ
毎週投稿できる人ってすごいなあ
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65 :迅
2020/07/31(金) 19:54:30
第2話の起を掲載、燈の上司に当たる人物の紀利矢パイセンの登場だぜ
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66 :迅
2020/08/04(火) 11:56:36
本職で掲載した読み切りヴァンを特別掲載!感想などよろぴくー
「お母……さん……」
いつも、同じ夢を見る。
泡沫のように一瞬で、起きたら何もかも忘れてしまう同じ夢。目の前の怪物に、なぜ亡き母の笑顔を重ねてしまうのだろう。
「ねぇ……貴方は、私のお母さんなの……?」
無意味だと知っているのに、結果は同じだと分かりきっているのに、どうして毎度毎度、同じ問いを繰り返すのだろうか。
理由は分からない。ただ、こうしないと訳の分からない重圧に押し潰されそうな、そんな気がしてならない。
「それでね?お父さんがね……」
いつもと同じ他愛ない会話。
すると何処からか、彼女を呼ぶ声が聞こえる。立ち上がった怪物は歩き出し始め、少女は去ろうとする怪物に手を伸ばし、叫ぶ。
「待って!まだ……!」
一歩踏み出そうとした瞬間、彼女の体は眠り込むように倒れ込み、意識は闇の中へと沈んで行った。
「……さん」
「ん……?」
「……リサさん、アリサさん!大丈夫!?」
「うわぁ!?」
大声で名前を呼ばれ、少女アリサは飛び起きる。
「ここは……学校……?えーと、先生?私は……」
「みんな心配してたのよ?貴方、いきなり気を失うように寝ちゃって……」
「また……あの夢……?」
彼女は側頭部に手を当てるが、思い出せない。
眼鏡をかけた女性教諭は早退許可証をアリサに手渡し、帰宅してゆっくり休むよう彼女に告げる。
許可証を受け取ったアリサは小さく頷き、まだ覚醒し切ってない意識を必死にフル回転させ、フラフラと覚束ない足取りで教室を後にした。
***
「ただいま〜……」
学校から帰宅したアリサは自宅の扉を開けて帰宅を告げるが、返事は返って来なかった。
「(……まあ、分かってたけどさ)」
靴を脱ぎ、リビングにある大きなソファに座り込んだ彼女は、ぼんやりと人気の無い室内を見渡す。
「(誰もいない……)」
彼女の父は、フリージャーナリストだった。かなり名の知れた記者だった為、母の死後もしばらくは生活に困らなかったが、その父も四日前に死んだ。
ある事件を追っていたらしいが、『取材中事故に巻き込まれて死亡した』と、そう聞かされた。
「(この部屋……結構広かったんだなぁ……)」
兄と姉はとうの昔に独立し、祖父母と両親は二人が独り立ちする前に死別。
かつては、アリサを含め家族7人で暮らしていた分非常に狭っ苦しく感じていたが、一人になるとこうもだだっ広く感じるらしい。
彼女はテーブルに置いてあったテレビのリモコンを手に取り、電源ボタンを押す。
すると、テレビの画面には20代くらいの女性キャスターと中年の男性、そして白いスーツに身を包んだ年若い男性が現れた。
「あの人……」
確か、ついこの前巨大複合企業・帝《ミカド》グループに加入した製薬会社・レベリオ製薬の若き敏腕社長……名は、アラン・レベリオと言ったか。
『それでは質問なのですが、レベリオ製薬の帝グループ加入までの経緯を教えて頂けますか?』
『加入までの経緯ですか……』
女性キャスターは少し緊張した面持ちでアランに問いかけ、彼は顎に手を当て暫し思考を巡らせる。
若干ワザとらしさが目立つが、あの行動は彼にとって癖のようなものであり、彼にとってはある種の特定行動《ルーティーン》とも言える大事な行動だ。
『そう……ですね、父の代までは別の企業の子会社だったのですが……父の死と共に契約を破棄され、路頭に迷っていたところを帝グループ現会長に拾って頂きました。その後はまぁ、御察しの通りです』
アランは苦笑いを浮かべながら、まるで作文を読み上げるかのようにスラスラと語る。
彼の父ローグ・レベリオの代では黒い噂を耳にする事もあったが、彼の代に移行してからはそう言う噂を全く聞かなくなったのもまた事実だし、会社を建て直した彼の辣腕故だろう。
女性キャスターとの受け答えを終えると、今度は男性がアランに問いかける。
『では私の質問ですが、現在開発中の新薬についてはどうお考えで?』
『……それにつきましては、ノーコメントで』
男性の問いに、アランはさっきまでとは異なる生真面目そうな表情で答える。
この表情の切り替えの早さ、何というか……良くも悪くも『場慣れしている』とでも言わんばかりに、彼はひょいひょいと仮面を被って行く。
「何て言うか……気持ち悪いなぁ……」
アリサはボソリと、率直な感想を口に出した。
社長業故に切り替えの早さは重要だろうが、ここまで早いと尊敬を通り越し、もはや恐怖すら覚える。
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67 :迅
2020/08/04(火) 11:58:23
その後、場の空気を切り替えるべく3人は適当な話題で雑談を交わし、場の雰囲気がいい感じに馴染んだ頃にアランは退室して行った。
アリサもそこでテレビを切り、制服の胸ポケットから生前父が使っていた父のメモ帳を取り出し、改めて中身を確認するがーーー
「一体、どういう意味なんだろう……」
その内容は彼女が14歳になった今でも分からず、しかもその内容を知る唯一の人物である父も既に死亡しており、完全に迷宮入りの状態にあった。
別に文字が判別出来ないと言う訳では無いのだが、所々不明瞭な部分が見受けられる。
「(父さんの死因だってそう。取材中の不慮の事故で死んだ?父さんに限ってそんなミスをやらかすとは思えないし……)」
父の不自然な死に、メモ帳の不明瞭な部分。多分だが、父は何者かに間接的に殺害されたのだろう。
それに、アランが現在開発途中の新薬について触れられた瞬間表情を険しくし話題を逸らそうとした事を鑑みるに、この考察に関しては大方当たり。
「(アランも平静を装ってたけど、何か詮索されるのを嫌がるような感じだったし……)」
アリサはペンを取り出し、メモ帳の空いたところに片っ端から考察を書きまくる。
【新薬】と謳ってこそいるものの、実際作ってるのは新型の人工ウイルス兵器なんだろうが、これについては些か情報が少な過ぎる為一旦放棄。
だが、新薬以外の情報はかなり出揃っており、考察の幅を広げるには十分であった。
「(レベリオは帝グループに加入してから日が浅いし、叩けば埃の一つでも……)」
メモ帳を閉じた彼女は、背後に迫る侵入者に気づかずにパソコンを立ち上げる。
そして次の瞬間ーーー
「!?」
背後から現れた何者かに口許をハンカチで塞がれ、アリサは逃れようと対抗するが、それも虚しく彼女の体は地面に崩れ落ちる。
「社長、終わりました」
彼女が昏睡した事を確認した男は、玄関先の暗闇に向かって声を掛ける。
「よくやった」
すると、その闇の中から白いスーツに身を包み、メガネをかけた知的な印象を受ける長身痩躯の男性がリビングに入って来た。
痩躯の男……アランは男に報酬金が入った茶封筒を手渡し、彼を退室させる。
「アリサ、君は父のように優秀だ……」
そしてアランは、絨毯に横たわるアリサを睥睨しーーー
「だけど、それ相応に君は……無知で愚かだ」
吐き捨てるように、呟いた。
***
『アリサ、本当にすまないね。君に、亡き母さんの影を重ねてしまって……』
とあるホテルの高級スイートにて、アリサの父・ロバートは彼女に謝る。
確かに父は頼りないが、母を亡くしても尚3人の子供を育て上げた一家の大黒柱だ。少なくとも父の弱気な姿はとてもじゃないが、見るに堪えなかった。
『なんで……謝るの?』
アリサは父に問う。
しかし、父は項垂れたままアリサの両肩を掴み、過ちを嘆くような声色で語り続ける。
『母さんが死んでから、お前とナッシュ、ニーナを立派に育て上げるまで……私は母さんやお前達と向き合えずにいた……。母さんを死なせた私を怨んでいるのではと……そう思っていた……』
『父さん……』
『お前は昨晩、なにやら魘《うな》されていたようだな……。まだ、あの夢を見る事があるのか?』
父はアリサに問いかけ、彼女は小さく頷く。
我ながら、本当におかしな夢だ。だって、母の面影もない怪物を母と呼んでしまうのだから。
しかし、当の父は深く考えるなと言う。まだ、何も分かっていないのに。
『お父さん……』
『?』
『お母さんは、まだ……』
彼女が父に問いかけようとした刹那
『あれ……?』
彼女の体はまるで糸の切れた人形のようにグラリと傾き、コンセントを抜かれたテレビのように、彼女の意識は意思に反して水底へと沈んでいった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「………!!!」
水底から意識を覚醒させた彼女はバッと飛び起き、自分が今いる場所を確認する。
「ここは一体……?」
見慣れない研究所。
周囲には謎の液体に満ちた巨大な試験管らしき物体が林立し、しかもその中には胎児に似た謎の生物が入っており、生理的な嫌悪感を与える。
「誰か……いませんか?」
彼女は立ち上がり、闇の方に問いかける。
無論、本来その質問は意味を成さないのだがーーー
「ようやく目覚めたかい?アリサ」
「!!」
闇の奥から、中性的な声が返ってくる。
闇の奥に眼を向けると、白スーツに身を包んだ長身痩躯の男性……レベリオ製薬社長アラン・レベリオが、ゆったりとした足取りで闇の中から現れた。
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68 :迅
2020/08/04(火) 12:00:41
「貴方は……」
「いやはや、僕も4日で偉くなったものだよ」
アリサはキッとアランを睨みつけるが、彼は肩を竦め、余裕綽々な表情で彼女を見つめ返す。
彼の後ろには2人の屈強な男が控えていたが、アリサは2人には目もくれずにアランの瞳をジッと見つめ、やや強い口調で彼に問いかける。
「……そんな事より、ここはどこなの?」
「見ての通り、我が社の極秘研究施設さ。君の考察通り、我々は新薬と言う名の新型多様性幹細胞を開発しているんだよ」
彼女の問いにアランは悪びれもせず、寧ろやってやったぜと言わんばかりの表情で答える。
「は……?」
アリサは、彼の余りにもハッキリとした答えに面食らうが、徐々に声を震わせ始める。
「嘘……ですよね……?」
出来れば外れて欲しかったのに、仮にそうだとしても裏に黒幕がいるのだと思いたかったのに、彼女の儚い希望は悉く霧散していく。
アランも現実を受け入れられないアリサに辟易したのか、ため息混じりに口を開いた。
「この際だから言っておくけど、君は優秀だよ。とても、イラつく程にね。でもそれ相応に、君は無知で愚かなんだよねぇ」
「……?」
「知らなくて良いものも知りたがる……君はお義父さんに似過ぎだよ。外見はともかくだけど。そう言えば、君は早くに母を亡くしたんだってね?いやぁ奇遇だね、僕も君が母親を亡くした同日同時に大事な姉を亡くしてしまったんだよ」
「今から君に、合わせてあげよう」と、アランはアリサに告げ、一本の試験管に掛けられた布を払い去る。その中には、夢の中でアリサが母と呼んでいた怪物が入っていた。
「嘘……!?」
アリサは青ざめた顔で、アランの方に眼を向ける。彼は、頬が裂けんばかりに口角を上げ、身の毛もよだつ程に不気味な笑みを浮かべていた。
「お母……さん……?」
「なんだ、分かってるじゃないか。そう、この中に眠る彼女が僕の姉であり、君の母親だよ」
「……うっ!」
アリサは口許を手で抑え、突如こみ上げて来た謎の吐き気に困惑しながらも、胃の中の物すべてを吐き出さぬよう深呼吸をする。
すると、アランはふと思い出したかのようにパンと手を叩き、歪な笑みでアリサに告げる。
「もっとも、この事に気付き告発しようとした勘のいいネズミが一匹いたものだから、こちらで駆除させて貰ったけどね」
そう言ったアランは胸ポケットを弄り、父・ロバートのペンダントをアリサの前に滑らせる。
「………!」
アリサは彼を殴り飛ばすべく飛び出す。
しかし、控えていた黒服に関節を極められ逆に地面に押し倒されてしまうが、彼女はそれでもなおアランを睨み続けていた。
「父を尊敬していたんじゃなかったのか!?」
「いいや、尊敬していたよ。ただ、その尊敬と感謝に底知れない憎悪が勝っただけだ」
「!?」
アランは押し倒された彼女を見下ろし、先程とは大きく異なる低いトーンで呟く。
驚愕するアリサを他所に、アランは噛み潰すようにその続きを語り始めた。
「あの男は、随分と娘に愛されてるみたいだ……血の繋がりのない娘にも心配されるとは」
「血の繋がりのない……?」
「可哀想に……聞かされなかったのか。ならば教えてあげるよ、全ての真実を……」
彼はタブレット端末をアリサに手渡し、受け取った彼女はその内容を見た瞬間大きく眼を見開き華奢な身体を寒そうに震わせる。
彼は低く、哀愁を漂わせるトーンで彼女に言う。
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69 :迅
2020/08/04(火) 12:03:49
「僕は彼に新薬の実験を任されてね。その被験体第一号が、事故で脳死した姉さんだった。あの男の我儘《エゴ》でね。その新薬ってのが、現在開発中の新薬……まぁ、多能性細胞の試作型《プロトタイプ》って訳」
「なんで、そこでお母さんが出て来るの……?」
「しかし悲しいかな、そこで悲劇は終わらない。彼は詳細を言わず、ただ一言だけ自分の遺伝子を提供して『俺と彼女の子が欲しい』とだけ僕に言った。そして、彼女の胚の一部に彼の遺伝子を組み込んた結果、出来たのは創造児《ジーンリッチ》……つまり君って訳だ」
「造られたのが、私……?じゃ、じゃあ、まさか兄さんと姉さんも……!?」
「あ、そうそう。君のお兄さんとお姉さんは違うよ。あの二人は姉さんから産まれた子だから」
衝撃の事実を告げられ、アリサはその場にペタリと座り込む。そんな彼女を見下ろし、アランは徐々に怒りのボルテージを上げていく。
「これで分かっただろ?奴は姉さんの事を僕に投げ出して、死んだ姉さんの代わりに君を生み出し!そのまま君を連れて姿を晦ました!その挙句!あの男は自身の依頼を僕に押し付け!剰え告発しようとしたんだよ!」
「だから……殺したの?」
「ああそうだ!悪く思うなよ……?全ては君を救う為だ!全てはあの男が悪いんだ!あの男は姉さんを……《フィリア》を残したまま、君【だけ】を連れて逃げ出したんだよ!」
アランは怒りのままに叫び、余りのショックに涙を浮かべる彼女に対するせめてもの慈悲として、楽に死ねるよう拳銃を眉間に突きつける。
そして
「さらばだ……!」
彼は引き金を引き、3発発砲。
銃弾はアリサの眉間では無く、アリサの母・フィリアの成れの果てが入った試験管に当たり、亀裂から中に入っていた液体が漏れ出す。
彼は震える手で拳銃を投げ捨て、覚束ない足取りで泣きながら試験管に縋り付く。
「義妹を殺すなんて、俺には出来ない……!」
刹那、研究所内に銃声が響き渡り、アランはその銃声の方に振り向く。
銃声の鳴った方角には、自身の心臓に黒服が持っていた銃口を突きつけ、自ら命を絶ったアリサが倒れようとしていた。
彼女が地面に崩れ落ちた瞬間、アランは体をワナワナと震わせ、走り出す。
「アリサァァァァァァァァァァァッ!」
アランが走り出すと同時に試験管がヒビ割れ、けたたましい破砕音と共に砕け散る。
溢れ出る保存液と共に、皮膚が無い内部の肉が露出した怪物が中から現れ、彼の部下は即座に現れた怪物に拳銃を突きつける。
「!!!」
「クソ!なんなんだコイツは!?」
「ぎゃあぁあああ!?」
しかし、中から現れた異形の怪物は男2人が抵抗する暇さえ与えず、瞬く間に蹂躙した。
「姉さん……」
彼はフィリアに声をかけるが、彼女はアランに目もくれず致命傷を負ったアリサを尻尾で丸呑みし、まるで胎児を抱える母親のような姿勢をとる。
「(姉……さん……?)」
その異様な光景を呆然と眺めるアランの横で、彼の部下が一人、異形に銃口を向ける。
「死ね!化け物が!」
「ッ!よせ!」
アランが制止しようとした刹那、研究所は爆炎と光に包まれた。この事件は後に、『サロゲート事件』と事件と呼ばれる事となる。
***
『今日、サロゲート事件から3年が経ちました。現在、レベリオ製薬は記者会見を行っており……』
あの日から、3年の時が経った。
ヘリの墜落を受け、研究所に駆けつけた救急隊員達はさぞかし驚いた事だろう。
「おい!中に誰かいるぞ!人だ」
「確かに人だが……コイツは一体……?」
何故なら焼け死んだ怪物の胎内から、傷1つない生きた人間が出て来たのだから。
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70 :迅
2020/08/04(火) 12:04:24
どうやら、母は焼死しても尚母胎の機能を維持し続け、私の命を繋ぎとめていたらしい。この日、2度目の生を授かった私は余りにも歪でありながら、母の愛を本能的に理解した。
「あの日から、もう3年か……」
その後、レベリオ製薬は兵器密造と癒着が発覚した挙句帝グループから除外され、事実上の倒産を発表。大勢の社員が路頭に迷ったそうだが、因果応報とはまさにこの事だろう。
「気分はどうかね、アリサ君」
「はい、まだ慣れませんけど……」
「まあ、ゆっくり慣れていけば良いよ」
私は、父が生前準備していた委託手続きによって帝グループ監察の下、事情を隠され生活する事となった。
『レベリオ製薬の薬効データ偽装及び、公的組織との癒着が発覚してから約3年、レベリオ製薬の悪事は今なお創薬産業に暗い影を落としています。業界の膿を出し切り、信頼を取り戻すには長い年月がーーー』
父の遺体は帝グループによって火葬され、その葬儀が一般に報道される事は無かった。
しかし、謎の音声ファイルがパーソナルクラウド上から発見され、それにはアランが私に告げた真実に加えて父の声が記録されていた。
『ーーーアリサ、こんな形で伝える事になり、誠に申し訳ないと思っている。俺は罪を償うべく、母さんの下に行くとしよう』
「……」
『お前はまだ、あの夢を見るか?こんな話だ、何もかもが受け入れがたいと思うが、俺と母さんのお前達に対する愛に偽りは無い』
『お前が俺達の娘、アリサ・ユークリッドとして幸せに暮らせる事を、心から願っている』
夢を見る。何度も……何度も。
「行ってきます。パパ、ママ」
母と共に過ごした、子供の頃の夢を。
【ちょっと歪な、母の愛情を。】
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71 :すき焼きのタレーライブキッズ
2020/08/04(火) 12:21:43
最初はコロナの事みたいやな思ってたらそういう感じになったのか
名前はちゃんと覚えられてないけど話はわかりやすかった( ‘-^ )b
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72 :迅
2020/08/04(火) 12:47:59
感想Thanks!
これは持論ですが、話が分かり易い方が読者受けが良いと思うし、読者の方に話が分かりやすかったと言って貰えて嬉しいです。
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73 :すき焼きのタレーライブキッズ
2020/08/04(火) 12:49:20
確かに౾✍( ˘ω˘ )
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74 :迅
2020/08/04(火) 12:53:10
タレっちも小説書いてるんだっけ?
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75 :すき焼きのタレーライブキッズ
2020/08/04(火) 12:55:48
土曜日くらいになったら公開できる(かも)
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77 :すき焼きのタレーライブキッズ
2020/08/04(火) 13:42:30
ワクワクさんだよ
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78 :げらっち
2020/08/04(火) 13:45:37
楽しみだー
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79 :すき焼きのタレーライブキッズ
2020/08/04(火) 13:54:35
あんまり期待しないでください
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80 :げらっち
2020/08/04(火) 13:55:26
じゃあしません
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