腕だけなら、(猟奇、流血発言注意)
…なんて。その申し出が嬉しくもあり有り難くもあり…しかし、残念でもある。私が腕だけで気が済む訳が無いでしょう？一度でも貴方から許可を下ろされたら後は獣のそれと変わらない、貴方の血肉を引き裂き啜り上げ、粘着性のそれを纏った血溜まりの中で恍惚と狂気と半壊自我を伴い笑い続けられる確信がある。

独占欲
俺の、と告げられる声のなんと心地いいことか。束縛や独占がお嫌いだと以前告げた貴方が今ではこんなにも私へと手を伸ばしてくださる…私にはそれが嬉しくてたまらんのです。唯一、大切、俺だけのいち、何処にもやりたくない…そうやって同じ言葉でも告げられることに倖せを見出せる。…本当に貴方は私を変えてしまったようだ。殺傷欲ばかりが渦巻きそれの心地良さに微睡む事を好んだ私が貴方の前では真逆のそれになれる。

切り札
私が普段より使わずにいた弟達に接するような口調はどうやらさぞ貴方に驚きを与えられたようで内心してやったりと密かに笑ってしまった辺り私もまだまだ幼い、貴方のことは笑えませんな。しかしまさか今までの文は全て保存してあるという報告に驚かれるとは予想外でした、──…あの時の貴方の反応と言ったら本当に愛らしくて。天使だなんだと言うつもりはありませんが普段動揺を見せない貴方のあわてふためく姿には緩んだ口元が引き締まりそうもない。

浅き夢
日記を作ったんだが、と至極控えめというか少し戸惑うような態度でそう報告を受ける夢でした。目が覚めて夢だと知った時は少しの落胆と溜息。──…眠る事が嫌いだと言った私を安堵させるかのように最近はずっと貴方の方が最後まで起きているから少し心配ではあります。無理をしない、眠ければ寝る、お互いそう在ると分かってはいるのですが…それでも毎晩、下手をすれば朝、貴方の傍らで眠れる時間に甘えてしまう。これは貴方にとって喜ばしいことなのでしょうか？

狂ってしまえ、と
告げた私に貴方は自分だけ狂うのは嫌だと返してくださいました、あの時は多くの言葉で平静を装いましたがそれを目にした瞬間私がどれほど歓喜に打ち震えたことか。──…私の為に、私が理由で狂ってくださるなどと甘言を告げてくれるのは貴方くらいです。兄弟間の愛情以外でこんなにも深く愛されたことが無い私にとっては既に貴方そのものが中毒依存性の高い毒のそれだと認識せざるを得ないのですよ。──…本当に、貴方という人は。

崩れていく
良い意味でも悪い意味でも、です。貴方から私を求める声が耳に入る度に指先が血肉を求めて酷く疼く。それを我慢するのは苦痛で、それが嫌で一期一会を好んだのではないのかと過去の私に嘲笑われているような感覚。──…辛くても苦しくとも、私は最早この手を手放せはしないのだと気付いてしまった以上自らの手で逃げ道と言う名の選択肢を放棄したのだと自覚しました。…哀しい、愛しい、大切な御方。私が貴方を害そうと血迷いかけた時はどうかその白刃を私に向けてください。

眠気
互いに拙い言葉で虚偽の無い言葉を吐露する為に必要な要素…ではありますが、些か格好が悪くそれ故に少々気恥ずかしく。そんな私も、と貴方は仰るが素面に戻った時が一番洒落にならんのです。思い返すだけで顔から火が出る思い…本当に眠い時の私はただの甘えたな子供ではないですか。貴方はほぼ何でもそれがいいと受け入れてくださりますが毎度意識が冴えた時に思い返すと正しく墓穴を掘ったような感覚に見舞われてしまう。

流血、猟奇発言注意
愛しいと思えばこそなんです。背中を抉るよう掻き毟り傷口を広げ溢れ出る赤黒い生き血で背を染めながら垣間見える肉に爪を食い込ませてしまいたい、胸板を引き裂いて肋骨をへし折りそれを食べてしまいたい。心臓を動かす管を傷付かないように引っ張り上げ目の前で口付け、眼球を抉りそれを一滴残さず飲み込み、爪は両手両足ともに剥がしてしまいたいのです。足の腱ですか？当然逃げられぬよう切断しますよ、きっと貴方は痛みに悶え苦しむでしょうね。勿論それも聴きたいのです。首筋に噛み付き其処の肉を噛み千切ればきっと事切れてしまう…しかし人は心臓が停止しても幾ばくかは意識が生きているのでしょう？ならその数分の間に喉を裂いて声帯を引き摺り出してしまいましょう、私が好きな声を生む為のそれに全ての感謝を込めて。──…最期は全て残らず、時間を掛けてでも平らげてしまいたい。

絵空事ですよ、何時もと変わらぬ笑顔でこんな事を夢想しては思考の隅に追いやる。──…それがきっと、正解と呼べるものでしょうから。

寝てない
テンションってさあ、こう…絶対自分自身じゃ自覚低いままおかしくなることが多々あるよねって話。夜の遠征から戻ったら少し前に目が覚めたとか第六感っていうよりもう獣のそれだよ、俺びっくりしたもんどーせ時間も時間だし寝てるか眠いかどっちかだと思ってたからさあ。…まあ、なんていうか六時半くらいからお互いの様子が可笑しくなったことだけは分かってるんだよ。あの上辺はお上品気取った奴がまさかの口吸い足らないって強請り出した時点で気付くべきだったよねぇ明らかに今の自分はおかしいって。

ヘンな関係
ほぼ毎日一緒に寝てさ、普通にキスするし砂糖黍も真っ青な勢いで甘い言葉連ねて甘え甘えられて。これで恋仲じゃないっていうんだから周囲から見た俺らってヘンな関係だと思われても仕方ないよね。いやまあ俺の性癖が問題なだけだから原因がまるっと俺にあるんだけど。──…本当に調子狂う。次々と許される距離も俺だけにだよと告げる言葉も重なる約束ひとつですらお前を好きになる理由になれる俺のお手軽さ、なーんて言うと眉間に皺寄せて物申したいって顔されるから最後のは撤回。

初恋、
あとこれ言わせて、悔しいけどすっごい可愛かった！愛って自覚した瞬間の喜びようがもうほんと犬猫のそれ、すごい可愛くてびっくりした。お互いに好きとか愛らしいとかは言っていたけどあいしてる、だけは言わなかったしね。あー…俺さ、お前のひらがなっぽい喋り方すごい好きみたい。やっぱそういうの狙うのは眠い時っていうか大体朝方になってテンションおかしくなった時だよねー。惜しむらくはその時間まで起きてると俺も口調がおかしくなるってこと。──…お前の初恋、俺で嬉しかった。愛なんてよく分かんないみたいに言ってたけどきっと愛情ってやつが何なのかお前は知ってたんじゃないかな、だって俺ずーっと愛されてるなあと思ってたよ？俺を傷付けないよう不快にさせないよう、ずーっと大事にされてたしされてる。

すーき
恋仲じゃないけど恋仲以上にあいしてる、お前が今日も好きだよ。これからもお前が驚き喜ぶようなことを沢山捧げるつもり。恋愛遊戯畑出身の主を持つ俺をなめないでよ？多分一度スイッチ入ったら延々と甘言垂れ流せるんだからねそれこそお前から頭大丈夫かと心配されるくらいには。──…だいすきだよ、ばぁか。