肉体に籠る熱は各々に相違が有るらしい。彼奴の体躯が発する温度は俺の其れ依りも高い。触れ合わせた箇所から緩り、熱に侵食されて往く。
「長谷部君の手料理が食べたいな。」
互いの手袋越し、柔らかな所作で手甲を撫で乍ら人好きの良い笑みを浮かべる彼奴に、一応、と要望を訊けば律儀に返答をするものだから此れも鍛錬が必要だと、…要するに絆された。
最近さー、「コーラ」って名前の飲み物にハマっててさ。主が呉れたのが切っ掛けで、口の中で弾ける感じと咽喉のスッキリ感がちょー良いの。あれってどんな仕組みなんだろ。
否応無しに与えられた体躯が、内側を廻る熱が、「俺」其の物を壊して征く。本来在る可き姿を見失わぬ様に鍛錬を重ねて、血肉を裂く快楽だけを繰り返し反芻為せば、屹度、もう一度、貴方に振るわれる理想を手に入れられる筈。
君が、__だよ。
其のほんの須臾でも、君が僕に、僕だけに割いて呉れる刻ならば、其れは僕にとってとても尊いものなんだ。
幾度と無く然う謂って来ただろう。今迄も、此れからも、俺は馴れ合う心算は毛頭無い。放って於け。
…其れでも踏み入って来るならば、