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春眠
 ┗454,463,485

454 :柳生比呂士
2009/06/09 23:39

受話器の向こうから届く異なる音。私と貴方が同じ場所には存在し得ない事を示す証拠。唯、手先を伸ばせば叶う事も空を切る事しか許されない。
然う、“雨音”が聴こえる。懐古へと意識を伸ばして見ると其れは容易く私の中へと馴染んで、教室の窓を叩く雨粒を唯見上げて居た貴方の横顔を思い出す。憂いに帯びた表情が心の何処かに引っ掛かりを憶えてレンズ越しに映る世界は既に君色だったかの様に思える程に鮮明だった。
帰り道、偶然且つ必然に貴方は私の傘の中。肩口が触れ合わない様にと身を縮めて。時折、私を横目で見上げては対側の肩が濡れて居ないか何度も何度も気に掛ける優しさすら、──…眩しかった。
其れが何時の間にか、肩を寄せ合う様に為って狭い空間の中で触れ合う指先を繋ぎ合わせて。後々から腕を組めば御互い濡れない事を知って気恥ずかしさに視線を絡ませて一つ、笑みを零し合った。

(雨の日も然う悪くは無いのです、)

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463 :幸村精市
2009/08/01 19:43

坂道の途中、少女は出会う。隔たれ離れ離れの二人が偶然と言う運命の儘に顔を合わせ肩を並べ他愛の無い話を交わし合い、時には既に解けてしまった赤い糸を思い焦がれた。同時に其処に在る壁を疎ましく感じながら。
場面は飛び一つの部屋、多分其れは相手の自室。(今思うと何故自室、夢は本当に突飛だ。)純白のシーツ、木製の机、写真立て、そして花柄のレターセット。少女はレターセットを手に寝具へ、黒インクのペンを思う儘に動かし相手へ感謝の意を綴るが何処か頭で思案する事が胸に落ちて来ない。
苦悩の儘シーツに鼻腔を埋めた瞬間に触れる懐古の芳香、一番身近に在っただろう其の馨りに眩暈すら覚える。ストン、と落ちる其の想いを口に出来ない想いを、最後の一文に乗せて其の儘眸を伏せた。

伏せたと同時に目が覚め、薄暗い世界に少女と成って現れた様だった。俺の中に住み着く様に彼女は笑って居たから、二夜も続けて夢で出会うのだろうね。締め付けられる感覚に眉を顰めた所で彼の子の結末を見届ける事は出来やし無いのに、脳内で描くしか他に無かった。途切れ途切れの、繋がらないストーリーの中に真意は存在するのかも知れ無い。

金木犀、君は其の馨りが好きだと呟いて居たね。

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485 :柳生比呂士
2009/10/19 23:59



一年に一度の生誕日。普段中々連絡の取らない此の姿の友人等に祝辞のメールを入れた後、不意に隣に居た友人の顔を眺めながら然う言えば彼も此の姿だったと思わず直接御祝い。此処でも言いましょう、御誕生日おめでとう御座います。貴方にとって、眼鏡も光る輝かしい一年に為ります様に。
そンな事を綴りながら茶器を片手に一息の最中、ひだまり町の友人達共通の着信音に携帯を開いて見れば其処には仁王クンからの祝辞メール。まさか、鳩先を交換して数日で斯うして私の生誕を祝って貰えるとは思って居なくて、驚愕と嬉々が入り交じり傍から見れば私の表情は凄い事に為って居たでしょう。御互いに可愛い子を引き連れての邂逅、期待して居ますよ。
(最後に、愛しい彼の子の家にも私の姿が居る然う。おめでとう御座います、何時か御会い出来る事を願って。)


さて、カウントダウンの御時間ですよ。もう直ぐ、愛しい彼の方の誕生日。二人で御祝いをしましょう、ねェ。

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