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拝啓、愛しのペリカンウナギ殿。
 ┗135

135 :跡部景吾
2008/02/11 15:48

前(>>134)の続きで、八百屋に「おつかい」に行った時の話。

急ぎ足で宍戸に言われた通りの道筋を辿ると、其処には一軒の八百屋があった。
成程、実物はこうなってンのか、とか感動してる場合じゃねぇ。
無造作に並べられた野菜の中から袋詰めされたじゃがいもを手に取り、店の主人へ差し出す。

「ハイ、100万円ね~」

…何だと?
俺の知らないうちに庶民の世界では凄まじいイ*ン*フ*レが起こっていたのか。
生憎キャッシュは持ち合わせてねぇ、ブラックカードを差し出すと難色を示す主人。

「あーうちね、そういうのダメなんだわ。ごめんねー。現金でよろしく!」

嘘だろう、…ックソ、ヘリで運ばせるか。
否、しかし銀行でもそんな金を下ろすには多少の時間が掛かっちまう。
宍戸は急ぎで、と言っていた。

様々な逡巡が頭の中を駆け巡る内にやって来た老婦人が買い物を済ませ、「ハイ500万円~」との声。
興味に負けソッチへ目を向けると、彼女が支払ったのは500円硬貨一枚。
思わず目を見張るも、店の主人からは「丁度お預かりー」との声。

…どんなディスカウントだ!
恐る恐る小銭入れから1万円札を差し出す俺に、彼は少し笑って9900円の釣りを寄越した訳で。

急いで帰ったはいいが間に合わなかった俺に、じゃがいも抜きのカレーとチーズサンドを宍戸は用意してくれていて。
どんな時でも納期を過ぎれば資料は唯のゴミだ、心底申し訳無くて謝罪を口にした俺に。
「バーカ、んなもん食えればいいんだ!庶民体験も悪くなかったろ?」
普通に笑いやがるから、…少しだけ。
明日にでも、アイツの好きなミントガムを好きなだけ買って遣ろうと思った。

偶にならこんな日も、悪くねぇ。


*余談*

「っつうか、じゃがいも無いと大変だったんだろ?どうやって…」
「ああいいっていいって、大根使ったから」

…まァ確かに、同じ根野菜だもんな。







以下、溜め込んじまってた私信。
順序は一丁目から。
もう本当、遅すぎで申し訳無ェ。
言うまでも無くスルー可で。

…板を持つべきか。
しかし其処までの交流を持っていねぇ様にも思うので、考え中って事にして置くか。





++++++++++++++++++++++++++++++

>過多想い。 手塚
どうやらその様だな、おめでとう、でいいのか?
とにかくお前が幸せで居てくれるのが一番だ。
ところで俺達に性的な関係及びその気配は一切無ェから安心して回させて貰った想像バトンだが、状況の変化で答え難ければ遠慮なくスルーしてくれ。
殿もお前に会いたがってたぜ。

>舞イ唯月に花束ヲ。 俺様
先ずは改めて、この間の新年会にお越し頂き感謝するぜ。
俺様ドペには是非参加させて貰いたかったが、結局行かれずに無念だ。
今度又レンジャー集会の場が設けられた時には再びオール俺様でテニスでもやってみるのもいいかも知れねぇなァ。
流石にVS壁じゃつまらねぇ。
冬眠中のラルが起き出す頃にでも、舞部の芋が見られる事を楽しみにしてるぜ。

>夜空の独り言 鳳
先ずは愛読感謝、それから苛めて欲しいっつう又反応し難い話だが名前を挙げてくれて有難うよ。
期待に応えてェ所だが宍戸に恨まれちまう、その分部活で俺様が相手してやるから有難く思いな。

>跡部家全員集合。俺様について来な! 俺様
一月以上遅れちまった返事、本当に申し訳無ェ…ッ。
俺の場合猫バトンは俺様で居られなくなっちまうんでスルーさせて貰ってる。
トップに記しておくべきだったな、…悪ィ。スルー可と言ってくれて有難うよ、流石俺様。優しいぜ。
又俺の方からもバトンパスさせて貰おうと思うが、どうも俺が持ってるヤツはお前が持っていそうな気がしてならねぇ。(遠い目)
確かに俺達の美しさは地球の自転を助けてるに違い無ェ、今日も美しいぜ。(フ)

>アニーローリー 切原
遅れちまって申し訳無ェが、どうやら愛読に入れて貰ってるみてェで。
気紛れ日記だが有難うよ、嬉しく思う。

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134 :跡部景吾
2008/02/11 15:45

此の間、宍戸の家に泊まりに行った時の話。

ソレは突然アイツが「家族が揃って町内会の旅行に行っちまうのに俺一人だけ部活のせいで行けねぇ!」と言い出しやがった事に始まる。
「お前部長だろ、責任取って明日うちに一泊しやがれ!」等と訳の分からない理屈を捏ねられ、「別にレギュラーの地位に不満があるならもう部活に出なくてもいいが」やら「っつうか欠席の連絡入れりゃァ数日程度受け付けるが」やら突っ込みどころは幾つかあったが。
要は一人じゃ寂しいンだろう、っつう事が理解出来ない程俺は鈍くもねぇから仕方無ェ、アイツの我儘を通してやった訳で。
まァ偶には庶民体験も悪くねぇ、と思ったのも事実だ。
しかし、こうまで優しい俺様の心遣いにアイツときたら鳩が豆鉄砲食らったみてェな顔しやがって「…、…跡部、何か悪い物でも食ったか?素直過ぎる、ぜ」とほざきやがる。
当然ながら気の利く俺様は宍戸が俺に扱かれたい余りにバカな言動をやらかす事を見抜いてその日の部活メニューを鳳の倍に増やしてやり、自分はそんな姿を見ながら気に入りの茶葉を楽しんでやったぜ。
全く、優しい部長を持ったなァお前ら。

そうして明くる日、宍戸の家に泊まりに。
持ち物は要らないと「お泊りの栞」(宍戸の手書き)とあったが、一応礼儀として予約しておいた有名店のケーキを持参。
栞に赤字で書いてあったンで仕方無く地味な私服を用意し(それはそうだ、アイツが引き立て役になっちまうもんなァ)、寝巻きにはバスローブ。
万全の体勢をもってアイツの家の前にリムジンで乗り付けたところ、「ご近所で噂になっちまうだろうが!」と理不尽に怒られちまった。
それならヘリでも使えば良かったのか。
大体栞に書いてねぇ、と取り敢えず家の中へ。

俺の家の化粧室程だろうかっつうリビングに上げられ、アイツの勉強を見てやったり二人でゲーム対決をしたり。
そんな和やかな時間を過ごすうちに夕方になり、何か食べに行くかと尋ねたところ。

「ハ?何言ってんだよ、俺が作るぜ」

―…一瞬、時が止まった。
まるで昨日の鏡像の如く、その時の俺は間抜けな面を晒していたに違い無ェ。

「っ中学生だけで火を使ったらいけねぇだろうが!」
「其処かよ、跡部」

宍戸の家は俺から見ても仲のいい家庭だが、それゆえかアイツは母親の料理を手伝う事も多いらしく。
今日はカレーとチーズサンドだ!パーティーだ!と騒ぐアイツ。
とにかく冗談でも何でも無い様なので、俺としては宍戸の言う通り任せるより他無ェ。

すぐ隣のキッチンでチョロチョロ動き回る姿は危なっかしい気がしてソワソワしたが、「俺には俺のルールがある、だから味付けその他は任せられねぇ!」とまで意気込みを見せられちゃ手を出す訳にもいかねぇ。
暇に任せてパズルに手を出しかけた頃、「ああああああああ!」という凄まじい絶叫。
慌てて立ち上がりリビングとキッチンの境界線(言われた事は守る方だ)まで行き中を窺うと。

「…あ、跡部っちょうどいいところに!」
「な、何だ、何があった?」

覗いた先は予想していた何かが散乱したような光景も無く、さっきと同じ台所だ。

「じゃがいもがねぇんだよ!やばいことだぜ、ちょっとおつかいしてきてくれ!」

…、そうか、ヤバい事なのか。
よく分からねぇが其処まで叫ぶほどの事態なら俺はそれに応えなくちゃならねぇ。
こうして俺の「はじめて*の*おつかい~八百屋編~」が始まった。