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543.花鳥雲月
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197 :雲雀恭弥
2013/09/08(日)01:44



数日前の話。
手元に在る光を手離そうと思った。

“其れ”が嫌いになった訳では無く、寧ろ好きだからこそ、そう決意した。
僕の所に縛り付けず、他の所へ解き放てば今以上に輝けると思ったんだ。

なのに、いざ実行しようとすると押さえ込んでいた気持ちが溢れて苦しくなる。
手放したくない、ずっと傍に居たい、そんな事ばかりが脳裏に過って多くの涙を流した。

愛する存在の為に。そう願った筈なのに、いつの間にか自分の感情を優先させてしまうなんて。最低だ。


数日前に決断してから、今も時々思うんだ。僕が此の光を手元に置いていても良いのかな、って。




>>196
ねぇ、六道骸。
傍に居ると決めた僕の判断は…間違ってなかった?

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196 :六道骸
2013/08/31(土)15:24


極々薄く、時には其処に在ることさえ失念してしまうほど透明な硝子の壁。
其れを一枚挟んで溢れんばかりの幸福が目の前には存在している。

然し硝子一枚在るが故、其の幸福にも温もりにも、決して触れることなど出来ない。してはいけない。
硝子の向こう側の温もりも優しさも、時に硝子の外に居る己へと向けられているかのような錯覚に陥ってしまう。

硝子を突き破り其の幸福や温もりを求めてしまう。其れは貪欲過ぎるのでしょうか。罪なのでしょうか。

求める、故に乾き苦しむ。



直ぐ目の前に温もりが在るのに。
凍ってしまいそうで寒くて堪らない、その様な時、其処に手を伸ばしたくなるのは弱さですか?




幻想

現実

曖昧な境界線を見失う。





“誰か”ではなく、“其の人”に助けて欲しいと求めてしまう。
其れは硝子の向こう側の幸福さえ砕き壊してしまうかもしれない、最大の禁忌だ。


硝子の向こう側の幸福を保ち続けるには、どうしたって此方側は独り忍び続けるしかないではないか。






ねぇ、目の前にぶら下げられた温もりは時に世界一憎らしくなりますよ。寒くて堪らない。