日記一覧
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56 :手塚 国光
2012/01/23 14:12

前の日の夜から違和感はあったんだ。

身体から聞こえる小さな訴えは、どうせいつもの事だろうと目を瞑り、気休めの市販薬を流し込んで布団を被った。

その後、とんでも無い逆襲を食らう事なんて知らずに。



普段と何ら変わらぬ日常になる筈だった1日、何時もと寸分違わない時間に起きて1日が始まる。
日常を順調にこなしていた筈が、小さな違和感がいつの間にか大きな波の様な悪寒を生んで視界が霞む。
ぐらり、と普段感じる事の無い目眩は甘いものなんかじゃなく、誰にも気付かれず隠れた舌打ちを1つ。

限界だと認めるには口惜しく、とは言え頑張る事と無茶をする事は違うと鈍い頭を振って大人しく医者の元へ。

39℃半ば、と提示された結果に苦笑いをする余裕も無く霞む思考で投げ出した書類や雑務を思い出す。

病の時は人恋しくなると言うが、通り越して最早誰かの声を聴くのも煩わしいと思う身勝手な心のまま、それでも携帯の電源を切れないのはせめてもの気遣いか。

サイレントにした存在を目の届かない場所に追いやり閉じた目蓋の裏、泥のような感覚に投げ出され久々に夢も見ずに深い眠りに落ちた。






…熱の上がり過ぎで鼻血が出たのは、とてつもない誤算。
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55 :手塚国光
2012/01/15 18:24


元恋人の特権、なんてよく解らない理由で乗り込んで来た相手から、合い鍵を取り上げるのをすっかり失念していた。

スキンシップ過剰気味の唇は、構ってと呟き柔らかな感触をもたらす。

触れ合うだけに止めているのは、ほんの少しの優しさに隠した拒絶の心。

誰でもウェルカム出来る程ではないが、かと言って触れられるのも嫌だという程でもない。

『一度嫌いになった人はずっと嫌いなんだからね』

と、頭の中にいつかの台詞がリフレインする。

根に持ちすぎなのだろうか、それとも。

俺としては一度特別なエリアに足を踏み込んだ人間との距離感は変わらない。

変わらないが、時が経てば変わるものも存在する。

冷め切った心に火を灯す程、意欲的では無いんだ。

それにお前だって、都合よくあしらわれる存在になるのは嫌だろう?
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54 :手塚国光
2012/01/05 12:17

模様替えをしたついでに余分なものを幾つか処分した所、やけに広くなったような気がする部屋が、何やら新しいものの様な気がして1人満足を得た。

新しい形になってからまだ誰も踏み込ませていない場所は、何やら自分だけのテリトリーの様な気がして。

勿論、自分の部屋であるからその感覚は可笑しいものでは無いのだが。
1人の部屋の癖に記憶の増えすぎた配置を入れ替え、スイッチも切り替わったような錯覚を覚える。

誰とも重ねた時間の無い新しい空間。

もう少しだけ、楽しみたいのかもしれない。





可愛い人を見つけた。

王子様属性の癖に、どうやら天然なようで困る。

さて、どうしてくれようか。
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53 :手塚国光
2011/12/28 15:07

上手く眠れない日々が、ここ何日か続く。

年の瀬の今、多少なりとは立て込む生徒会の仕事に追われてはいるが、時間が足りないなんて事もなく。

日付が変わる頃にはベッドに潜り込み、1日溜め込んだ息をゆっくりと吐く。

ああ、そうだ部屋の模様替えをしよう。
もしくはファブリックでも変えてみようか。

取り留めも無い事を思い描いては眠気に溶かし、ゆっくり瞼を伏せても眠りの瀬戸際からなかなか先へ落ちられない。

いつの間にか無意識に思考は翌朝に駆けて、あれをしようかこれをしようかと1日の予定を描き始めたらもうダメだ。

一人寝には些か広いダブルサイズのベッドでゆるやかに寝返りを打ち、眠気混じりに溜め息を1つ。

何かに頼るのも馬鹿らしい。

そんな夜。





やっぱり、模様替えをしよう。
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52 :手塚国光
2011/11/21 19:02

着信を告げる事が極端に少なくなった携帯電話を鞄の底に置いたままにしていたら、珍しい着信履歴。

二度目の連絡で気が付いた為に、取り敢えず申し訳ないと謝罪を述べると、不服そうに襲来を告げる一言。

…今からか?

思わずそろそろ日付の変わりそうな時計の針を眺めて暫く。

飄々と現れた姿を見て、何やら盛大に溜め息が零れた。

どんな風の吹き回しかと問を投げたところで、曖昧にはぐらかされ真意が見えないのはお決まりのパターン。

もう何時からだったか思い出すのもあやふやだが、見えない本質を探る事を諦め、その瞬間を楽しみ上辺の幸福を得る事に落ち着いてしまった。

悲しい事だとも虚しい事だとも理解しているのだが、微かに踊る心は止められはしない。

久々に見た背中が一回り小さくなったような気がして、何故か言葉が出なくなってしまった。

今はただ、深く考えたくないだけなのかもしれない。
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