日記一覧
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61 :手塚国光
2012/03/27 23:54

後で寄っても良いか、という短い問いに二つ返事を返しておきながら、そう言えば今日は少々部屋が荒れていたかと思い直して。
そんな時ばかりタイミングは悪いもので、抜け出す余裕も無ければ時間も無い有り様。
来る?と端的な問いが届くものの、反応を返す事も面倒になって途中で止めた。

そもそも、そこは俺の部屋だ。

挙げ句に戻ってみれば、ありありと痕跡を残して消えた姿。
ほんのりと残る香りがやけに憎らしい。
本当に用が無いと連絡すら寄越さないのかと落ちた肩と溜め息は今更の事で、重い身体で後片付けに勤しむ。

無言を貫いたのはほんの少しの抵抗だったのかもしれない。
これで何かを感じ取れば良いのだが…まさか、な。
そんなに先回りが出来るなら、殺伐とした状況も起こさないだろう。

針が振れる事が少なくなってしまった。

時間は人を変えてしまう、良くも悪くも。

これは慣れか?
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60 :手塚国光
2012/03/15 21:28

寒さの残る街角で、数年振りの姿に遭遇をした。

目が合ったのは偶然で、そこで足を止めたのは必然。

その頃の俺は不器用な愛を向ける事しか出来ず、伝える事も上手くは無くて些細な事でぶつかり合った。

精一杯の愛情を注いでいるつもりになって、余裕を失って。
そうする内に、胸のどこかで向けられる愛情を重荷に感じていたのかもしれない。

別れを切り出したのは向こうからで、もう無理だと聞いた時に訳も無くホッとしたのを覚えている辺り、本当に危ういバランスの上に成り立っていたのだろう。

喧嘩別れだったそのきっかけを“忘れたんだけど”と知りたがる素振りを苦笑いで誤魔化して。
未だに脳裏に苦く残る台詞を脳裏に繰り返す。

今も決して伝える事が上手くなった訳ではないが、時間を重ねた数だけ世の中を知り恐らくはのらりくらりと狡い方向に片寄った。

“変わらないのね”

と、幼さの残る笑みを見せて、黒く縁取られた瞳が俺を覗く。

傷を付けたのはお互いで、修復を諦めたのは俺、踏ん切りを付けたのは向こう。

何かを期待するようなそんな瞳に耐えられず、そっと目を伏せて視界を閉ざしたら、鈴の鳴るような笑みが降って。

“アナタと付き合ってから、男のボーダー上がっちゃったみたい。嫌になるわ”

そう笑った彼女の優しさに、ほんの少しだけ救われた気分になった春先の事。

今、隣に並ぶ人間は居ないが、それも悪くないと思えるそんな日の話し。
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59 :手塚国光
2012/03/12 19:40

部屋中に満ちる甘い声と甘い甘い香り。

黒目がちの瞳が潤んで形の良い眉が歪んでもっとと先を強請る。

白い身体が桃色に染まって背中に爪を立てられて、揺さ振る合間に縋る力が思いの外強くて驚きに少しだけ眉を歪めたら、嬉し気に綻ぶ極上の視線とぶつかった。

堕ちて行くのはどちらだとタカを括っていたら、まんまと足元を掬われて。

ふっくらとした肉厚の唇が開いて吐息の合間に呼ぶ名前は舌っ足らずに溶けた。






その反面

タイミングを逃した関係は曖昧に細い橋を渡るようなバランスで揺れる。

伝わる想いと解りきった雰囲気を素知らぬ顔して流される苛立ちの狭間

そんな存在に捕らわれたくなくて、巡る思考を掻き消すように白い喉へ噛み付いたら

悔しい位に、甘さが増した。

ああ、それはまるで

酷く熟れた果実のよう

濡れた蜜に深く深く誘われる
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58 :手塚 国光
2012/02/08 11:17

珍しく、突撃を食らった。

何やら悶々としている様子の相手から引き出してみれば、聞こえたのは頼りない声。

『お前が、好き』

独特なイントネーションで告げられる台詞に、思わず人の悪い笑みが浮かぶのはとてもじゃないが見せられない。

堕ちた瞬間、言いようの無い満足感に塗り潰された感情に自分の酷さを思い知るが、それはそれでこれはこれ。

可愛い人と天秤にかけるような真似はせず、ただ愛でる。

全てを、と強請る唇が愛らしいとは思うが明け渡してしまうには早過ぎる。

取り敢えず、組み敷いてどんな声を零すのか試してみようか。

甘い甘い声が聞きたい。


仮初めの世界に浸るのも、暫くは悪く無いか。
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57 :手塚 国光
2012/01/31 12:46

可愛い人の話し。

最近、目下俺を惹きつけて止まない人の話し。


黒目がちな瞳を細めてひゃひゃと独特な笑い声を零す所。
(笑うと黒目しか見えなくなる位に真ん丸だ)

地を這うような声の寝起きの癖に、時々、えへと笑う所。
(眉間の皺が直ぐ消える)

考える時に首を傾げる癖。
(もう良い年をして、全く)

少し長めのサラサラな猫毛。
(羨ましい事この上ない)

気紛れ加減は猫の様
(振り回されるのもまた一興)

天の邪鬼、天然、方向音痴、強がり、負けず嫌い
(悪口では無い、決して)

素直な身体
(身体の相性は良いと思う)


時にはこんな惚気を一つ。

嘘に慣れ過ぎた仮初めの世界の、小さな安らぎ。

それでも、どうしてだかお前に対しては嘘を吐く気にならないと小さな本音を呟いたら。

それはそれは嬉しそうに笑うから、何故だか俺が恥ずかしくなってしまった。
(綺麗な顔が雪崩て行く様が好きだ、なんて秘密)


少し機嫌の良い、今日この頃の珍しい話し。

冬空に惚気るには吐き出す吐息が白く染まり過ぎて寒い。

寒さを言い訳にこっそりと呟く、ただの自己満足を1つ。
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