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┗1065.ラストノートがわからない(38-42/189)
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42 :
八重神子
2024/01/14(日) 17:16
🦊⛩️結んで絡んで
早く公務を済ませた影の元へきつねうどんよりも容易に作れる夜の甘味を届けゆるりと過ごすのが最近の妾のブームである。昨晩は北国の小僧のレシピを拝借したレーズンとアーモンドの入った焼き林檎であった。
「雷電将軍様」へ献上する菓子であれば不相応なのじゃろうが、さりとてあやつは香りから確かめ瞳を煌めかせ、童のように笑い口いっぱいに頬張る。
稲妻城の外はらはらと落ちていた雪や荒天の後の静けさを背景に「幸せ、この一言に尽きます」、と髪も解いて寄り添う安らぎがいっとう愛らしい。
林檎は愛の果実だと評するのは小説の中でもよく聞く表現じゃが其れを交換し合う、同じものを食べていると言うに掬い方一つで変わる”あーん”を一度はしたがる妾達のなんと初々しくいじらしいことか。影は丸く大きくくり抜き、妾は具材もおまけに乗せて差し出す。
民の前へ凛と立つあやつの背中からは想像出来ぬ不器用さに何時から妾は惹かれたのやら。少なくとも此処百年では抱かなかった筈なのじゃが。
妾から影だけの愛情。影から妾だけの愛情。夜食の後、「将軍様」には見合わぬ巣箱のような寝台で偶に寝たがるあやつの怠惰も普段あってこその愛らしさというもの。すっかり仕草として慣れた甘える足先も可愛らしい。
存分にはしゃぎ、自分だけの喜びをゆめ噛み締め、神の心の空洞に湧く恋心をこの先も妾に見せてくれるのじゃろう、この先も影の止まり木でありたいと昼寝に勤しむ姿を腕枕で見下ろしながら思う。
……まこと、愛いやつよな。その純朴を何度でも撫でていたいものよ。
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41 :
ニィロウ
2024/01/08(月) 01:35
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆🪷💃🏻魅惑のプリンと思い出のお店、ふたりで
美味しいプリンが食べたいなって聞いてみたら態々本当にトレンドを探してくれて、その上で美味しさに眉間に皺を寄せながら負けてお持ち帰りプリンの数を増やしてくれるアルハイゼンさん、好きだなぁ…。
アルハイゼンさんとお休みが噛み合った日曜日。最近外でデートをしていなくて誘ってみたゆったりデート。
ちょっとそこまで、にぴったりなオルモス港へ二人でお家の段階から出発してミルクプリンが美味しいお店を探してくれたのがまず嬉しかったんだけどね、アルハイゼンさんってばカップルシートの存在は知っていたのにちゃんと見たのは初めてだったみたいで凄く(当社比)照れちゃったんだよ。
「初めてのカップルシートで恥じらう俺の姿を覚えておいて欲しい」は流石に笑っちゃったけれど。真顔でさらっと零してくれる天然さんが可愛らしいんだ。
お店自慢のプリンも普段は水分多めのものを好まないアルハイゼンさんだけど君といる時に本は読まないから、って美味しさに同調してくれたのもあってお持ち帰りを五つ買うのもセット価格のメリットも考えて問答無用で許してくれたんだよ。牛乳瓶タイプだと手も汚れづらいからかな……?
こんな所でもしぇあはぴ、に協力してくれるアルハイゼンさんなりに私との「楽しい」を捏ねて理由も探してくれる姿が私には出来ないことで、有難い気持ちと一緒に読み聞かせを待つ昔の気持ちを思い出して何だかはしゃいでしまうんだ。
その後に寄った革小物のお店は私たちの中だとちょっと特別、…後に初デート、の場所になったお店だから。アルハイゼンさんが時々出勤に使う時のバッグも同じお店で買ったんだ。
今回は私がトゥシューズも持ち歩けるバッグが欲しくて寄って選んでもらったんだけど、アルハイゼンさんってば何だか友達の頃から少し兆候があったとはいえ口説き文句?だよね?をしれっと言うようになっちゃったのは少しむずむずしてしまいそうになるよ…!
……嬉しいな。アルハイゼンさんの隣でも負けないくらい可愛い恋人って思われてるのを自覚してもいい、のかな。アルハイゼンさんの纏う空気は凛としているから、きっと冬の夜にざあざあ窓を叩く雨みたいに冷たく感じたり近付きづらい人も沢山いるんだよね。
自分をしゃっきりと持てているから孤高でも居られると思えてしまうだけで、私は私なりに分かっているんだ。ほんの少しはにかんだ後澄ましてみる瞳の綺麗さも、首元が冷えないようにマフラーを頼む前に巻いてくれる優しさも、説得の為に付けてくれる理由付けの裏の団欒を楽しんでくれる甘いところも。籠を丸々買った蜜柑だって、この前私が難しい皮の剥き方を熱心に見ていたせい……だよね?多分。
鉄面皮じゃないよ、素敵な人だよ。言葉が真っ直ぐなのは、それだけ皆を平等に見ていてくれる人だよ。って言いたい気持ちに蓋をしてしまうのは……私なりの内緒の独占欲。
デート終わりにただ一緒に入るだけのお風呂も、どきどきよりも安心感が増えてきて、…ありのまま唯くっついて、お風呂を出るまでの数え遊びをしていたら私はスメール1幸せな女の子かも、って思えちゃうくらい、アルハイゼンさんを好きになれて良かった。
誰より大切で格好いい、私のあなたへ。また時間が出来たら一緒に近場デート、しにいこうね。
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40 :
鍾離(乱入)
2024/01/06(土) 16:56
🐉🔶年を跨いで
璃月で新年を祝うのはもう少し先になるのが一般的ではあるが、それでも十二月の末から元日にかけては多少なりとも賑わいを見せる。この国で商売を営んだり生活をしている人々は必ずしも璃月人とは限らない。異国の催しや祝い事があれば商人や宴を好む者たちにとって絶好のチャンスであり、活気溢れる街の中、皆それぞれに楽しんでいたようだ。
かく言う俺も、年の瀬に誕生日を迎えるとあって浮かれていた。理由は言わずもがな、気合を入れて祝いの席を用意してくれる恋人の存在があるからだ。前もって「誕生日当日は時間をくれ」と言われていたのだが、生憎往生堂の仕事があって丸ごと空けておくことは難しかった。しかし日付が変わる瞬間は恋人の隣で過ごすことが叶ったのは喜ばしい。
0時丁度のタイミングで祝福を受け取ったのだが、それ以前に三十日の夜に帰宅してみると室内が華やかに飾られていた。更には彼自身も特別な衣装で着飾っていて、時計の針を見計らい手紙やプレゼントの数々を託してくれたのだ。
彼は俺の髪に触れるのが好きだと言うし、俺も触れられるのは好きだ。だからつげ櫛は自分で使うのは勿論、彼に髪を梳いてもらう為に俺も自分で購入したことがある。特注のコートは取り外せるパーツがあって、以前強請った小さい毛布代わりにもなる。デザインも……多くは語らないが、璃月港で会うことがあればよく見てくれ。彼の好みと拘り、独占欲を感じる上物だ。
その夜は、俺からも小さな贈り物を用意した。彼の故郷では誕生日を迎えた本人がケーキを用意する風習があると知り、共犯者として深夜の背徳を分け合うひと時に見たあの笑顔もプレゼントの一つとして記憶に刻んでいる。
そして翌朝、誕生日当日。仕事に向かう俺の為に彼が用意してくれたのは立派な重箱だった。まさか三段重を持って往生堂に行くことになるとは思わず、中身は俺のリクエストした料理をはじめとした璃月風の物と、彼の故郷の味。どの料理も味わい深く、聞けば事前に試行錯誤を繰り返していたらしい。どこまでも愛情深く真面目な男だと思い知らされた。流石に全て食べ切る時間はなく数点つまんで、残りは家で共に食べることで幸せの味が染み込んだように思う。
明けて元日。俺も休暇とあって家でのんびり過ごすと決めていたこの日は、祝いの席の礼と言っては何だが彼の願いを叶えることにした。きっかけは前日、俺が旧屋から持ち出した昔の服を着て見せてほしいと強請られたこと。旅人の口が軽いのかファデュイの情報網を見縊っていたのか……衣装を改めた俺に見惚れる恋人の眼差しにあてられるのは、恥ずかしくも悪くない気分だったから良しとしよう。その後は重の残りを食べたり写真を撮られたり、年明けから濃い時間を過ごすことが叶った。ありがとう、公子殿。
真夜中に小さなタルトを分け合う背徳を、「幾つになった?」と聞かれ「貴殿の二つ(桁が)上だ」と笑う幸福を、今年も変わらず隣で育んでいきたい。その幕開けに相応しい休日を共に過ごしてくれた愛しい貴殿にとっても幸多き一年になることを願い、今年の一枚目にこのページを挟む。
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39 :
タルタリヤ
2023/12/31(日) 00:00
🐋🏹拝啓、親愛なる鍾離先生へ
木枯らしが吹きすさぶ頃となりましたが、鍾離先生はいかがお過ごしですか。なんて、毎日顔を見ているし教えてくれた元素の痕跡を追う手紙の送り方でほぼ毎日出しているから、今更こんな書き出しは似合わないのだけど。
それでも改めて手紙を出したくなった。シンプルで特別なラブレターはもう一通の手紙に託したから、これは俺なりに先生へ贈る祝福や感謝の類かもしれない。
「こ/こ/ろ/に/近/い/こ/と/ば/を/え/ら/び/た/い/ん/だ」この一文、俺の先生なら分かるだろう?
多忙由来とはいえお祝いが三十一日と一日に分かれるのも何だかテイワット暦で年の瀬生まれの先生らしくて笑ってしまうね。
話好きの感性が好きだ。話題の膨らませ方とさり気なく俺を立ててくれる言葉選びが嬉しい、質問の突拍子のなさは毎回噎せがちだけど。考えていない価値観を知れるのが好きだ。
喜怒哀楽が好きだ。喜楽は口を大きく開きすぎず短く、でも子供みたいに。逆に怒哀は目が最初に変わる。仏頂面ではない発露が可愛らしい。
嗜好品への向き合い方が好きだ。最初に香りを確かめて食材を慈しんで、でもジャンクなものも臆せず好んで向き合う好奇心が好ましい。
我欲の出し方が好きだ。好きな物、見たいものに躊躇わず食い切るまで手を止めず時には爪で追い詰める龍の傲慢が恋しい。
こんな風に好きを並べられた俺に応えてくれた結果、神の心の空洞に浮かんできた先生の恋心を大切に撫でていきたいんだ。今度こそ俺だけが手にする、最上級の獲物。忌避していた恋慕も欠かせないと告げていた朝の散歩の習性も、北国から来た小僧一人が変えてしまったね。
ねぇ、鍾離先生。摩耗して行き着く先を恐れていたモラクスの裏側で夢を、浪漫を追いかける「鍾離」という存在は、今どんな気持ちで俺の生き方を見ていてくれているの?俺の幸せを構築する一部になりたい。俺に恋をしているから蚊帳の外で見守るだけでは足りないと告げてくれたあの時──本当は、泣きそうなくらい嬉しかった。鍾離先生から取り出された剥き出しの言葉は毛布で直ぐに包まないと傷ついてしまうんじゃないかと思うくらい無垢で、俺に向けられていい深愛なのかと何度も自分に問いて、何度も同じ結論にたどり着いた。
震える言葉と指を隠しきれずに縋ってくれた「公子」の末路の先を欲しがるのも、正直最初は憐れみもあったよ。こんなに強い精神があるのに、いやあるからこそ寂しさを正しく理解して大悪党の俺を欲しがるのかと。
でも続いた言葉を聞いて触れた箇所が熱くなった時、俺の在り方はもう違う線路を自分から選んでいたんだね。宝石の色をした目で愛おしく呼ばれるだけで堪らなく恋が湧く。この視線は俺のものだと抱えたくなる。……遠く離れた地で俺の暴れっぷりがあんたに響くだけで良かったのに。
深く抱き締めるだけじゃ足りなくて、キスで溶けたら触れ合えない。でも世界を食らい尽くした残骸の山で最期の時が来たらその時は二人の満身創痍を同じ槍で貫いて、天理を越える高い場所で跡形もなく盛大に殺しあおう。この魂一度きりのとびきりもあんただけに捧げるよ。
だから今はどうか、健やかであってくれ。穏やかな余生を俺の波止場、俺の錨として笑いながら費やしてくれ。今度時間が出来たら、彼の人にも挨拶をさせて欲しい──やりたい事も積み重なるばかりだ。
世界で一番暖かい影の下、共に笑い合う最愛の貴方へ。
誕生日おめでとう。末永く幸せでありますように。 敬具
ファデュイ執行官第十一位 「公子」タルタリヤより
…スネージナヤ特産の白樺を使ったつげ櫛とバンスクリップはまだしも、オーダーメイドコートはやり過ぎたかな?
ところで鍾離先生。俺旧屋の存在知らなかったんだけど。今度そっちの家も勿論招いてくれるんだろう?
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38 :
__(乱入)
2023/12/30(土) 18:10
🔔🔒
あなたがわたしの元を訪ねてくるのは海灯祭に月逐、それから、催しも何もない日。花を手向けに来ることに特別な理由がないことも知っているし、わたしの声や気配を感じられないことも知っている。偲ぶ心を持つようになったのは嬉しいけれど、いつまでも後ろを向いてばかりいるようで、少しだけ心配していたの。
あなたが創った大地、あなたが守った民。いまは人間と仙人が共生する美しい国で、あなたは凡人として生きることを選んだ。先日持ってきた異国の強いお酒、あれはきっと、あなたの趣味ではないのでしょう?わたしは嫌いじゃなかった。でもあれは二人じゃなくて、もっと沢山の友と宴を開いて飲みたい味。次はお酒を持たせてくれた方も連れて来てね。
名も知らぬ異国の役者、脆くも強かな人の子よ。彼は強くて優しい人になったけれど、足りない知恵も体験もまだ多くある。普通の小麦で平凡に焼かれたパンをふわふわもっちりのトーストにしてくれた、と大層喜んでいたくらい、人間としては赤子のようなもの。あの人とこの国で暮らす民たちが強く優しかったのは本当に幸運だったわ。悪戯を仕掛けた汝も、塵になっていたかもしれないから。
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