もっともっと、何度でも喜ばせてあげたい。損得関係なく心からそう思わせる何かが彼女にあるんだろうか?それとも、ただただ、僕の彼女への気持ちからなのかな。
ひとつだけ確かなのは、僕が持ち帰ったものを見た時の喜びや信頼の声、胸の前で組み合わされた指がたまらなくかわいかったってことだね。それから、息で冷ましたミルクを受け取って、ふうふうしてもらったのは初めてだと、瞼や目のふちがほんのり染まった顔が……とても。
スケッチブックに描かれたカップがまるで本物だ!本気で描いたんじゃない、線も最低限のデッサンなんだろうけど。感動に声も高くなるというものさ。
「おかえりなさい、収穫がありましたのね。さすがだわ、アベンチュリン!」
扉を大きく開けて迎える声が、耳だけじゃなく、全てを押し包んでくれたように感じたんだ。まるで色と香りがあって、触れたらきっと温かいだろう声だ。ほんの数十分離れていただけで、それがとても懐かしかった。
両手がカップで塞がった僕の声を聞いて、きっと、急いで駆け寄ってきてくれたんだろう。かわいく思わないわけがないよ。その素直さも、僕にぴったりと寄り添う身体も。
ただ、ひとつ問題がある。腰のリボンが垂れたままなのはいい。でも、上に着ているものが丈の短いブラウスだけっていうのは…危機感がなさすぎやしないか!?絶対にあの格好では外に出さないように……ああもう、ほんとうに目が離せない…。