「君のお望み通り、恥ずかしい話を打ち明けたんだから、大人しくしていてくれるだろ?」
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髪の毛のお話かと思っていたんだけれど…。
まるで小さな子供のように、全身を拭かれてしまったわ。所在なく手を動かしてみたけど、何をしても恥ずかしい気がして……結局、じっと突っ立っていただけ。その間は、ふと意識をお散歩させていたの。これから先どうするか?いいえ、考えていたのはつい先程のことよ。
照れてしまったあなたが、ご自分の前髪を弄ろうとして…何もない部分で指を動かしていらっしゃったの。掻き上げた前髪に届かず、不発な指はそのまま眉を撫でていたわ。わたしはその一連の行動をしっかり見ていたの。敢えて、口にはしなかったけど…恋とは、こんなに小さな発見にも心が躍ってしまうもの?