信じられないなら俺が信じられるようにしたる、っちゅうあん時の言葉と重なった気がして、何やこいつほんまずっこいわ、と思った。
やっぱり俺んことを真っ直ぐ見て言うんよな。はあ〜〜もう、ほんまに……そういうとこや。
アカン、ほんまにアカン。マズい。よくない。ヤバい。べしゃり芸人の語彙力とちゃうけどほんまに良ぉないねん。俺の相方がこんなに…………何や!? それすらも浮かばん。
いやまぁ、喧嘩したとかそんなんちゃう。むしろ順風満帆過ぎるくらいや。せやからアカンねん。感覚的には、幸せ過ぎて怖い、っちゅうのに近い。今までよう話せんかったことを話して、適度にボケてはツッコんでもろたり、逆にツッコんだり、同じベッドで寝て起きて……おかしいやろ。スタジオで滑り散らかしたり、撮影が押しに押してタイトスケジュールになってもうたり、頼んだクリームソーダが生ぬるかったりせんと割りに合わん。……ちょっと前に、共演した子ぉをお持ち帰りしたっちゅう根も葉もない記事書かれたんが代償やったんか?
頼むから俺を嵌まらせんといてくれ。
しょーみな話、「俺に飽きるまで」ってのは予防線や。別に何を約束したわけでもあらへんからな、いつかそん時が来たら、まぁそんなモンよな〜って自分の心を納得させる為の。他人との繋がりってそんなモンやろ。……いや信じとる、ちゃんと信じとるで!? せやけど、チームメイトや相方に対する信頼とはまた別の話や。
なんやけど、ぜ〜〜〜〜んぜん杞憂な気がして来たわ、急に。きゆう、だけに。ここ作った時よりこう、距離が狭まったっちゅうかいや向こうは俺を好きなんやから狭まると思うけども。
な〜にが狂わされとるやこっちだって狂わされっぱなしやボケ! 責任取るのは自分や!
書いとる内容に余裕がなくなって来とんの我ながらオモロいな。内容がないよう、言うてね。
俺は夢でも見てたんか? いや現実やったけど。
か〜〜〜っこいつは魔性の男や、ド天然タラシや。わざとやとしてもそらそれでタラシや。そんなん言われて嬉しくない男がおるか? いやおらん。そういうとこやぞほんまに!! さすがに認めざるを得ん、俺も片足くらいはもう突っ込んどる。
ぺらぺらしょーもないことくっちゃべってもうたし伝わっとる気がせん(ちゅーか別に伝わらんでええ)けど、ほんまに嬉しかったんよな。そらそうやろ、一日の終わりに、話したいと思ったのが俺って。家族、……はまぁ、アイツん家も色々あるしそもそも親に泣き言言う歳でもあらへんけど。零には癒しは求めへんやろ。いや言っとるうちに消去法みたいになってもうたけど、とにかく一番に浮かぶのは俺のことなんやな〜っちゅう。
ほんで理性的で遠慮しい(やと俺は勝手に思っとる)な割に、俺にはそないワガママ言うんや……ほーん……? みたいな感情も有り。
はあ〜〜〜。
ほーか、「毎朝味噌汁作ってくれ」はプロポーズになるんやな。確かにそう言うお決まりみたいなモンあるわ。
オカンは毎朝味噌汁作ったりせんかったけど結婚しとったし、俺らは結婚してなくても毎朝味噌汁作ってもらうことはできるやん? 実際作ってくれるかは別として。俺にとったらそんくらいの認識やからそこまで深く考えとらんかったけど、アイツは、行き着く先がそこなんやなあ、って何となく思った。
正直、両親の不仲見て育っとるし結婚生活〜っちゅうのに憧れはない。病める時も健やかなる時もなんたら〜、なんて、紙切れ一枚でいっくらでも無効になるやん。結婚願望は〜とかインタビューで訊かれたりもするけど、恋人のままやったらアカンのか? って頭の片隅で考えたりもする。
せやけど、いざそういう時が来たら。夜景の見えるレストランでディナーみたいなベッタベタにベタなデートプラン計画して、給料3ヶ月分の指輪買ぉて、ガッチガチに緊張しながらプロポーズしてくるんやろな〜って想像すんのは結構悪い気がせんかった。こいつはみんなのセンセーやけど、その瞬間だけは、ぜぇんぶおれのみたいなモンやろ。
ま〜、そんな時が来るかどうかは今んとこ俺次第なんやけど。