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スレ一覧
┗1406.Chick flick(16-20/32)

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20 :トラファルガー・ロー
2023/10/22(日) 02:50

ほしみ



毎日あいつのことをちゃんと記録に残したいのに、海図を解いたり、島での索敵に時間が取られてそれが叶わないのがもどかしい。新しい医学書も買っては詰んでの繰り返しだ。
本の山の理由を問われても多忙以外に答えられないのも痛い。
足の踏み場くらいしかない部屋にそろそろあいつがキレそうだという記録。


強めの透過

オリオン座流星群。
今日あいつは麦わら屋の世話があるとかでサニー号に遅くまて戻っていて、あいつが戻ってくる間ベポと話をしているとかなり星が明るく見える海域にはいっているだとか。それも期間で言えば流星群、…加えて今日が極大だと。
しかしあまりの寒さに星を見るには少し億劫で。
それでもおれの元に戻ってきたあいつが一緒に見たそうにするものだからおれも素直に甲板に出ることにした。
結果は、見てよかった。
あいつと同じ空を見上げる喜び、共に流れる星を見つけられた喜び。ほかに替えようのない幸せだ。
流星群のことを教えたのもおれだし、心のどこかであわよくばと考えていたのも事実だが……それをあいつも楽しんでくれたとなると………幸せすぎて怖いくらい。




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19 :トラファルガー・ロー
2023/10/15(日) 02:24

不可解


ローを真綿で絞めるのがおれの役目。包むんじゃなくて。ぎゅっと絞めてやるんだ

ご機嫌にそんなことを言うもんだからついつい丸い頭を撫でてしまう。

わりと真面目な話の最中に蹴躓いて痛がるおれを指さしてけらけら笑ってる姿を見ると、羞恥心のなかに嬉しさも多少あったりして。情けない姿を見せても幻滅しねェのは素直に有難い。
あいつのいう真綿、ってのはそういうおれに向けられる優しさや慈愛のようなものだろう。
確かに。
絡め取られてそれがなくなっては呼吸の仕方もわからなくなる。言い得て、"絞めている"んだろう。


透過

世話焼きなあいつは花を干すのも好きらしい。
生花を貰っても邪魔だと言う男も多いだろうと言うと、あいつは心底分からないと言った顔で「栞だって作れるし、干せば長く持つのに」と言った。本当にそういう着眼点が好きだと思うし、おれの詰んだままの本に花を挟んで栞を作ってる姿を想像するのも悪くない。
いつだったかあいつに好きな花を尋ねられたことがある。
花弁の多い大振りの花。名前はなぜか忘れられなくてそれをあいつに答えた。「おれも好き、その花」余計に愛着が湧いたのは言うまでもない。
あいつは問い返したおれにいくつか花の名前を出した。
女に教えてもらった花の名前は忘れることがないだなんてよく言うが、あいつが好きだと言った花をおれは忘れないだろう。おれの部屋の詰まれた本の中から花弁の多い花も干して残せると見つけたあいつが見せた表情と一緒に。






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18 :トラファルガー・ロー
2023/10/13(金) 17:21

あぶく



身についた自虐は無意識に顔を覗かせて、その度に「それはダメ」と教えてくれるあいつの優しさに甘えている。おれは色々理由をつけては面倒くさい捉え方をする質だから、それを分かりやすくあいつが咀嚼してくれることが有難い。
時折我儘が口をつくようになり自己嫌悪もするが、あいつが笑ってくれるならそれも良いことなのかと思う。

何気ない話題でいいんだ、と言う。
だから島を徘徊する中でポケットに忍ばせた電伝虫に向かって「朝の匂いがする」と伝えると、あいつは機嫌良さそうに「そうか」と笑っていた。
秋の空は綺麗だとか、鮭はムニエルもいいだとか、…そういう話。



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17 :トラファルガー・ロー
2023/10/09(月) 11:13

失態



産まれた日などに固執していなかったとか、島と島の間の気温の変化に適応出来なかっただの言い訳はいくらでも思い浮かぶが……10月6日に1枚確保しわすれたことは失態だった。
あいつがそわそわと常に浮き足立っていて可愛かった。という事実だけここに記しておく。

言い訳の延長で、ここ数日身体的疲労による不機嫌だったのは認めるがそれをどう解釈したかべポが酷く同情した顔で「色々あるよね、話いつでも聞くよキャプテン」と黒足と揉めた体で話しかけてきたのはかなり想定外だった。
勝手に別れ話をした雰囲気をだすな。すこぶる順調だ。
失礼なべポに怒ってるとペンギンはペンギンで黙ってハンカチを差し出してくるし、シャチは手を叩いて笑ってる。
……………いい仲間を持ったとは絶対に言わないが、あいつが言うように大事にしねェとな。


透過

のちへん「好きな食べ物の話、なすのゆきひょう」





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16 :トラファルガー・ロー
2023/10/02(月) 16:17

死なば諸共



シンプルにシャチに説教を食らった話は下にまとめるとして、その時に「黒足!いいひと!大事にしてください!」と言われた。お前に言われなくとも大事にはするが……と思いつつ、やはり好きなやつが近い人間に褒められるのは悪い気はしない。部屋で時間を持て余すあいつにそれを伝えると眠そうにしながらも嬉しそうだった。

シャチは強いな。大事にしろよ、そういうお前のことを考えて話してくれるやつ


こんなおれだが人の縁には恵まれているタイプだと思う。
シャチもペンギンも、ベポも。お互い全員ボロボロの状態だっただがこうやって今は同じ船でなんとか海を渡り歩いてる。……今はどこかで幸せにしている馴染みのオンナだって、おれのことを見捨てないでいてくれたあの人だって。
もちろん毎晩ぴよついてるアヒルと出会えたのも。

月見をした時、 月が綺麗だと零したおれにあいつは

"一緒に"なら死んでやってもいいぜ


と答えた。
そういう線の細い感情の拾い方が愛おしいと感じる。
茶化す訳でもなく真摯に人の好意を受け入れられることはそうできることではなく。同じ温度感で、同じものを大切にしてくるやつに出会えたのは幸運なことだろう。

透過、自戒

「あんたのその考え方、あんたのことを好きで大切に思ってるおれ達に対して失礼だと思わないんすか?卑下するにも限度があるっすよ」
呆れ半分、本気の怒り半分、シャチがアルコールグラスを叩きつけた時に漏らした言葉。ペンギンも黙っちゃいたが、黙秘は肯定とはよく言ったものだと思う。
"おれなんか"みたいな人間はヒトに好かれるなんて烏滸がましい。ヒトに誇れるほど出来のいい人間ではなく、優しさも寛容さも持ち合わせていない。あるとすればヒトを不快にさせる頑固さと他人への興味の薄さ。…いや、他人じゃねェな。自分自身への頓着のなさだ。手に残るのは見かけばかりの強さと、独りで生きていける程度の毛が生えた心臓。中身は伽藍堂でブリキと呼ぶに相応しい。そんな人間が、愛であろうと友愛であろうと、ヒトに好かれるわけがない。
勘違いしちゃいけないのは、それをおれは悲観的に捉えてねェこと。事実として真っ当に受け取って、…それで、納得してる。別に辛いと思ったことはない。ただ、こんなおれにも愛を向けてくれる人間の気持ちはせめて大切にしたいと願ってる。
だからその考え方がおれを愛してくれてる人間をも否定しているなんて考えもしてなかった。

「ローは言葉をひとりにする。」
結局は"おれなんか"という言葉に対して紐づいてくるのはおれ自身だけではなく、おれを大切にしている人間もなんだとあいつやシャチたちに諭されて漸くわかった気がする。
まだ愛というものに対しての感覚は難しいし、シャチが言うように「あんたは経験しないと理解しない」というのは真理だと思うから、…あいつには申し訳ないが子犬の速度で歩くおれに付き合ってもらいたいと思う。

「雑草は燃やすことにしたから」

……本当にそういうところが好きだ。



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