四十三日目 髪を切ったアイツと肌を重ねた。 よく見えるようになった首筋から 漏れ出る色気が堪らなくて 思わず息が止まる。 身体のあちこちに所有の象徴を刻まれると この上ない幸せが立ち込んだ。 とても満たされた。 遅くまでありがとう。 |
四十二日目 向かい合って会話をすると 時折、言葉にならない間合いがあって ようやく口から振り絞った言葉よりも、寧ろ その合間に浮かんだ感情こそ 本質ではないかと思う時がある。 何を言いたいかというと、 俺はきちんと見ているから。 困ったときも、戸惑ったときも、 安心して身を委ねて欲しい。 それにしてもお前が黙るのは 照れている時が多いよな。 どうしたものか。 蜂蜜漬けにした両手を舐めて 冬眠する熊の愛らしさが 頭から離れない。 |
四十一日目 目が合ったから、アイツの髪に触れると 俺の髪を撫でるアイツが ”同時に同じ事をした” と嬉しそうに笑う。 相変わらずふにゃふにゃしているなあ。 俺はこの瞬間がとても心地いい。 ”本当に似た者同士だよなあって感じた” ああ。いよいよ熟年感が出てきた。 …………” 髪に触れたくなるのは 慕情によるものらしいぜ” |
四十日目 どうやって言葉に残そう。 よかったらページを埋めるのを 手伝ってくれないか? お前は想像力が豊かだから、 こういう類はきっと俺より得意だろう。 極上の酒をありがとう。 例のグラスで乾杯しよう。 |
三十九日目 雪が降ると、アイツの顔が見たくなる。 淹れた珈琲が酷く不味かった朝も。 きっときっかけは何でもいいんだ。 いつもと違う出来事に笑うアイツが 心から愛おしい。 お前も同じだろうか。 此方は雨が止んだよ。 さて。 珈琲作りに失敗した俺は口の中がとても苦い。 甘い口直しがしたいのだけれど。 昨夜は子守唄をありがとう。 愛しているよ。 |