三日目 夜半に目を覚ますと、アイツに抱き囲まれていた。 触れたいのに寝ぼけた頭が悔しい。 微睡むままに睦言のような会話を交わして、 好きだなあと思い知らされる。 全部俺のものにしてやりたい。 ヒガンバナの群生地が俺たちの始まりの地となった。 …………”いつか地獄に堕ちた時は 血の池か剣山で待ち合わせをしよう” ─そうしようか。 お前が待つならどこへでも行く。 |
二日目 昼間から熱心に口説いてやったら、 アイツは少し困惑した顔を見せた。 してやったりだ。 しかし、本当はもう少し驚くと思ったんだけどなあ。 なかなかに気が強い。 軽妙な返事に、 アイツが想像よりも随分と利発なことを知る。 これは一筋縄ではいかないだろう。 俺が悪態を吐いたら、アイツは甚く愉しそうにした。 ああ、好きだ。 会話の間の距離の近さに眩暈がする。 まだ二日目なのに、既視感が心地いい。 |
一日目 一目惚れだった。 長い間焦がれていた姿だったが、 その佇まいが目に焼き付いて離れなかった。 衝動のままに長い恋文を送り付けてやると 夜に同じ文量の返事が届いた。 律儀さに思わず頬が緩む。 欲しいなあ、と強く思った。 |
白いヒガンバナは、 落ちても種を成さないらしい。 仕方がないから俺が此処で育てることにした。 甘い言葉をかけてぬくぬくと育てた植物は 美しい花を咲かせるというだろ? 見事に育ったら見せてやろう。 アイツはきっと照れた顔で笑うんだ。 |
R20 | 同性愛年齢捏造 | 流血表現 | 現代軸カナ使用 |半完混 ヒガンバナ |