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260 :
エピローグ9
2009/05/26(火) 12:23:09
村長が、怪訝な顔をしてこちらを見ている。
なんなのだろうか。
素直な感想を言っただけなのだが。
村長「…その拳法が普及した地域では、民がそれを見てこんな事を言ったそうです。
『はあ~
なんじゃろか、ありゃあ。
まるで清遠ところの長ぇ壁のようだなもし。』」
俺「ふーん」
村長が、ゆっくりとこちらを見た。
村長「…その拳法はこの世界には伝わっていない。
しかし、その口伝だけは伝えられ、書にまとめられアラセマ軍部に秘蔵されているという。
軍部に多大な貢献をした者や、多額の金銭的援助の見返りとして与えられる報奨金貨と交換で、その写本が流通することもあるそうだぞ。」
俺「そりゃあ欲しいヤツはいくら払っても欲しいだろうなあ。」
またも村長が一瞬怪訝な表情をする。
なんだというのか、さっきから。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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259 :
エピローグ8
2009/05/26(火) 12:08:18
村長「あるところに、後に『世界の中心の華』という名前になる国がありました。」
俺「…?」
意味が分からず、首を捻る。
だが、村長はやめる様子はないようだった。
村長「その国は、その昔、北からの異民族の略奪に頭を抱えていました。
何代も略奪を受け続けた末、王がある決断をし、ある一人の男に命じ北とその国を隔てる長い長い城を作りました。」
何が言いたいのかは分からないが、止める気がないなら聞いているしかない。
俺は、適当に鼻でも掻きながらなんとなく聞いていた。
村長「それからしばらく経ち、その国に強力な拳法が生まれました。
その拳を使う拳士に挑むと、まるで壁に跳ね返されるように勢いそのまま、場合によっては手足も使わず触れるだけで吹き飛ばされるのです。」
俺「へえー
すげー」
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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258 :
エピローグ7
2009/05/25(月) 23:05:44
村長「…ふう」
ぱたり、と窓の木戸を閉め、村長が一つ溜め息をついた。
村長「…なにをしてる。」
俺「うるせえ~…
環の国ァ、そういうの大事にすんだよ…
だいたい女ってのは、なんでどいつもこいつもこう…兄貴達はそりゃすげえけど、体格違えんだから必然的にサイズ違うに決まってんのにヒトの事を普通普通って昔から…」
村長「…過去になにかあったのか…?」
俺「放っとけ!!」
なにか汁のようなものを振りまきながら枕に突っ伏した俺を不憫に思ったのか、村長はそれ以上聞いてこなかった。
村長「…」
しばらく、無言の時間が流れる。
正確にはえぐえぐ鼻をすする音がしてはいるが、お互い言葉を発してはいない。
それがしばらく続いたあと、村長がぽつりと口を開いた。
村長「…遠い世界のお話。」
俺「…は?」
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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257 :
エピローグ6
2009/05/25(月) 22:32:52
ぎゃあぎゃあと喚き合っていると、ふと村長が立ち上がり窓へと歩み寄った。
村長「ハイハイ、用心棒の彼は気がついたから、今日は皆帰りなさい。
今日の看病はいいから。」
村娘A「えー!!
今日アタシのばんだったんだよー?
リザもカオリもユキもアタシより一回多く見てんだから不公平じゃんさー!」
俺「見る目的じゃねえかァァ!!」
村長「いいから皆帰りなさい。
これ以上は用心棒の彼が泣いてしまう。」
俺「泣いてねー!!」
村娘A「えー…
仕方ないなあ…
じゃあ、また見せてねー」
俺「見せねー!!」
村娘B「フン。
ありがとうの一言もないなんて、礼儀のなってない男。
言われなくても帰るっての。」
村娘C「ごめんねえー
じゃあ、帰るけど、落ち込まないでねー?」
村娘D「ちちち違いますから!!
違いますから!!」
全員で最後までわあわあと騒ぎながら、村娘達は窓辺から去っていった。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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256 :
エピローグ5
2009/05/25(月) 22:06:10
気付いたら大絶叫していた。
そしてまた悶絶する。
しかし今度は回復を待たず、村娘のうち一人を指さし強く問う。
俺「どういう事だアアァッ!?
看病だろが!
お、おれっ、俺に何しやがったテメエらああ!!」
村娘A「えー?看病だよ?」
村娘B「包帯代えたり、体拭いたり。
感謝しなさいよ。」
村娘C「でも、ほらあ仕方なく脱がさなくちゃいけなくてえー
仕方なくだよー?」
村娘D「…し…仕方なくです…
ほんとです…!
嘘じゃないです…!
前からずっと興味あったとかじゃないんです…ッ!」
俺「テメエコルァァァァ!!
どういうことだアアァァァ!!?」
村長は茶を飲んでいる。
村娘A「どうしたの?いきなり怒って…なんかあった?」
村娘B「いくらわめいたってサイズ変わりゃしないんだから、現実見たら?」
村娘C「そんなあ~
気にしないでよお~
大丈夫だよ、全然?
そういうの好きな子もいっぱいいるよ?
この子とかそうなんじゃないかなあ?」
村娘D「ちちち違いまふ!!」
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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255 :
匿名
2009/05/25(月) 21:43:54
>>253おごはあ
間違えた
すみません。
直しました。ありがとうございます。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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254 :
エピローグ4
2009/05/25(月) 21:36:58
村娘A「あっ!起きた起きた!」
村娘B「一人で何してんの。
カッコ悪い。」
村娘C「もう怪我大丈夫ー?動けるー?」
村娘D「…(照)」
なんとか持ち直して村長に顔を向ける。
俺「…誰だよ…」
村長「看病を日替わりでやってくれた村の娘達だ。」
わあきゃあ窓から騒ぐ娘達の圧力に圧され、こそこそ顔を背ける。
すると、娘の一人が不意に言った。
村娘A「あんちゃん」
俺「…あ?」
村娘A「『普通』だね。」
理解に時間がかかった。
村娘B「普通過ぎてつまんなかった。
もっと引くぐらいのヘビー級か逆に弄って楽しそうなストロー級かどっちかにしてよ。
超ガッカリ。」
村娘C「えーいいんじゃん?
普通が一番だと思うよお?」
村娘D「…お、大きさじゃないって聞きました…
だから、全然…」
俺「うがああぁああぁ?!」
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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253 :
匿名
2009/05/25(月) 21:17:36
いい感じの所 豚切りスマソ
物語の最後にくるのはプロローグではなくエピローグでは?
削除パス書いときますんで、邪魔に感じたら消してください。
パス
11111
(i/N01A, ID:ieOHjnXdO)
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252 :
エピローグ3
2009/05/25(月) 21:04:01
村長「ふん。
治療は初動も大事だが、毎日の看病が肝要だ。
私の見立てだけで回復などせんよ。」
俺「…あ?」
どういうことだ?と首を傾げる。
まあ、確かにこういう仕事を村長がするというのもおかしい気がする。
となれば…
俺「マヤとカイジが看病してくれた…とかか。」
村長「違う。」
俺「何?」
てっきり当たりかと思った。
村長「子供に看病できる容態じゃあなかったよ。
カイジや、特にマヤじゃあまだ無理だ。」
俺「…じゃあ、誰だよ。」
村長が、部屋の脇で茶をいれながら無言で何かを指差した。
そこにいたのは、みっちりと窓にひしめいて好奇心丸出しでこちらを見ている娘達だった。
俺「…をっ!?
うぐは!!」
思わずビクウと体を硬直させ、その反動で体にメキシと激痛が走りベッドの上で一人悶絶する。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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251 :
エピローグ2
2009/05/25(月) 20:44:50
まあ、自分で言うのもなんだが、無茶なことをしたものだ。
村長の呆れ気味な話しぶりにも、特に反論できそうもない。
ちらりと村長を見やり、聞いてみる。
俺「…アンタが診たのか?」
村長「怪我はともかく、衰弱は村の衆では診れんよ。」
俺「やっぱり、元同業者か…」
村長「昔な。
お前よりはもう少しお堅い勤めだったがね。」
俺「アンタ案外ナチュラルに感じ悪いな畜生コルア」
なんとなく、村の人間とは空気が違うとは思っていた。
多分アラセマ本国の人間なのだろう。
俺(…ひょっとしたら、宮仕えだったんじゃねえかな…)
まあ、今は聞くまい。
聞いてどうにかなるもんでもないし、怪我が治り次第去るかもしれない村だ。
俺は一つ息をついて、ベッドの枕に頭を埋め直した。
俺「まあ、礼は言っとく
あのまま死んでたかもしれねんだし。」
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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250 :
エピローグ
2009/05/25(月) 20:20:22
俺「…ん」
眼を覚まして見えたのは、老人の顔だった。
村長「お
気付いたか。」
なにか残念さを感じ、左手で鼻筋を押さえる。
村長「…どうした。」
俺「いや…
こう…
目覚めて見えたのが娘の顔とかだったりしたらなにかのキックオフ的な展開があるかなって、その」
だからってマヤに顔見せて欲しいとかはちょっと違うが、目覚め一発が老人の顔はちょっとキツい。
村長「なに訳のわからんことを…
体の具合はどうだ。」
俺「あー…?
いや、そりゃあ、良くはねーけど」
体中が、鈍く重い。
ロクに動かしてないから大した痛みはないが、この感じでは起き上がろうとすると盛大に軋むことだろう。
とりあえず、今はこの重さに従うことにする。
村長「ふむ
まあ、しばらくはそうだろ。
ワケわからんぐらいの打撲に、前腕裂傷、あと疲労の極地だったからな。」
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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249 :
匿名
2009/05/25(月) 10:23:49
まあ、どうするかはともかく、とりあえず小鬼編を〆てしまうことにいたします。
エピローグは少しの予定なので、もう少しだけお付き合いください
では、小鬼編、エピローグです。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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248 :
小説じゃないのに長文失礼します
2009/05/24(日) 10:12:59
<見ないでしょうけど上に追記>
あの……プロローグじゃなくてエピローグでは?
>>247いつも読ませて頂いています。
ほかの作者が投稿しやすいように、とのことですが、私が以前とある掲示板で使っていた方法を参考までに。
推敲も含めて小説を書き終わってもすぐには投稿せず、あらかじめ予告しておいた日に投下するんです。最新話を書いた時点で次回もほぼできていればすぐに予告できますし、いつできるか分からなければメドが立ってから予告すればいいわけで。
この方法なら、自分以外の作者も投稿していいタイミングが分かりやすく、「読者の皆さんは、人気作品じゃなくて自分の作品が投下されてたらガッカリするかな?」といった不安も感じにくくなります(←経験者)。
つまりは、いつ投下されるか分からない、という状況を変えるだけである程度の解決に繋がるのでは、という話です。
(ez/W62H, ID:dhg5H64EO)
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247 :
匿名
2009/05/23(土) 17:47:02
ありがとうございます。
あの…
感想を頂いた方々にお聞きしたいことがあるのですが、質問させて頂いてよろしいでしょうか…?
>>246>>245せ、先生?(汗)
いや…1話の、それも区切り区切りまで書くだけで、かなり時間がかかってレス数も使ってしまっていて…
このままでは、長時間スレを拘束してしまうかなと思うのです。
なので、SSではなく、独立したスレを作るべきかなと思うのですが…皆様どう思われますか…?
私も再編集失礼。
>>246様
だから先生…(汗)
その…このSSスレを保持する効果があるなら、書き続けるのは全く構わないのですが…私のこの書き筋が、その他の作家の方が出てくるのを邪魔しているのではないか?と思って…
>>245様がそう仰ってくださったので、SSスレを保持するために書こうかなと思うのですが…同時に他の作家さんが参入しやすくなるやり方がないかと思うのです…なにかありませんかね…?(汗)
>>248様
む、そうですか…
まとめて書き置き、時期を予告して…
実は、あまり事前に話をまとめていないんです。
ケツくらいは考えてあるんですが…できるかな
でも、やらなきゃですよね…
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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246 :
匿名
2009/05/23(土) 10:02:06
>>243、乙です。オッサンの恋の行方が気になってしょうがなさ過ぎる(笑)
>>247先生、何でしょうか?
追編集
>>245氏に賛成です。先生の他にも作家さんが現れたら時に考えてみる、という方向でどうでしょうか?
(ez/W31CA, ID:m4kmDDCiO)
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245 :
匿名
2009/05/23(土) 08:09:17
>>243乙です。
毎回楽しみにしています。
若者が格好良過ぎる!
>>247編集で失礼。なんでしょうか?
>>247更に編集で失礼します。
私はこのままで良いと思いますよ。
というか
>>247さんがいなくなったら間違いなく過疎って沈むと思います。
(ez/W47T, ID:u+kAUwptO)
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244 :
匿名
2009/05/23(土) 00:50:51
>>243乙です
楽しく読ませて貰ってます
村長の技の表現が的確過ぎる(笑)
(ez/W52SA, ID:5ZHJhoXEO)
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243 :
匿名
2009/05/22(金) 23:30:29
シメを前に、一度区切ります。
長々…すみませんでした…
書き込みたい方々、ご迷惑をおかけしました、どうぞー…
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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242 :
流転の結末19
2009/05/22(金) 23:28:38
村長「…!!
おいっ?!」
弾かれるように斜面を滑り降りる。
いつの間にか日は傾き、集落には木々の間から夕日が差し込んできていた。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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241 :
流転の結末18
2009/05/22(金) 23:26:33
奇妙な光景だった。
若者には誰一人として眼もくれず、全員があらぬ方向に散っていく。
叫び声もしない。
足音だけがドドドと地を揺らし、それでいてその中心であるここから全て遠ざかっていく。
いや、誰も若者に眼もくれないのではない。
全員が、若者に背を向けて走り去ったのだ。
眼をくれていたり叫んでいたり、そんな場合ではないとでも言うかのように。
少しの間もなく、小鬼は集落から全ていなくなっていた。
この終端に残るのは、高所から見る私と、片膝をつく若者と、地面に這う死体だけ。
どちらかと言うと…小鬼が去った今となっては、まるで私たちが死体の中で浮いているぐらいの比率となっているのだが。
村長「…
終わった…か」
私がそう呟いたその時
若者がふらりと地面に倒れ込んだ。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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