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┗163.クリボージャー、そしてゲームレンジャーへ(342-361/1000)

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342 :暇人大魔王
2021/03/31(水) 22:35:09

『ビデオ戦隊ゲームレンジャー~Lv3   ピンチ!◯◯がない!~』

きーんこーんかーんこーん...

ここは任天ケ丘高校。千博たち5人の通う学校である。3学期を迎え、千博のクラス、1年C組はこれから体育の授業、みんな大好き卓球だ。
室内からはピンポン玉のいい音に混じって男子の叫び声が聞こえてくる。千博も運動大好き人間にグループの一員だが、もちろんゲームレンジャーの事は忘れていない。腕時計型のゲームチェンジャーは常備している。
千博「よっしゃ!11-9で俺の勝ち!あっぶねー」
尊流「あとちょっと~!」
孝「すげー接戦だったなー」
友也「じゃあ次俺が相手するわ。チキータを会得したからな!」
この4人はT4(そう呼ばれてる訳じゃないけど)という同じクラスのタ行の仲良し4人組。ちょうど偶数でやるスポーツなのでいつもここでローテしている。
尊流「アイツずっとチキータ練習してたからな」
友也が卓球台の前に立った瞬間、千博のゲームチェンジャーにバイブ。敵襲の合図だ。
「...わり、トイレ行くわ」
尊流「なぜに今w」
孝「しゃーねーなー俺相手するわ」
千博は大急ぎで体育館を出、そのまま廊下を猛ダッシュ。

「こっからなら...」
登下校の時を除いて、基本玄関は施錠されているため窓から出る。鍵が開いたまま出ることになるが、注視しなければ鍵が開いてるか否かなどわからないだろう。万一閉められていたら入れないので、保険として離れた所の窓も開けておく。
職員室の真下の道を通って現場へ向かう。学から指示があった場所は程近い交差点。ジューミンはいないが、Aボタン兵、Bボタン兵たちおよそ50人が暴れまわってるせいで渋滞しているという。

「電源、オン!」
走りながらゲームレッドへと変身、そのまま交差点に侵入した。
Aボタン兵1「今日はゲームレッドだけ?チャンスだ!」
Aボタン兵2「抹消する!抹消する!」
「あー悪いけどそれ無理。」
手前のAボタン兵2人に飛び蹴り、さらに奥にいた2人もビットガンで狙撃した。
「コマンドアクション!」
高速でのジャンプ、それからキックや体当たりで全Aボタン兵を一気に蹴散らした。
Bボタン兵「ぎゃー!退散ー!」
逃げようとするBボタン兵ももちろん逃がさない。あの有名な炎のボールで爆散。
「ふー...よし、卓球卓球!」

変身を解きつつ猛スピードで学校に戻り、体育館のドアを開けた瞬間、
きーんこーんかーんこーん...
「えー!マジかー!」
友也「いつまでトイレしてたんだよー」
尊流「まあ続きは次の授業でたな」
...とまあこんな感じで、ジューミンがいない時は交代制で倒しに行っている。余談だが体育が抜けやすい。

[返信][編集]

343 :暇人大魔王
2021/03/31(水) 22:36:02

ーその日の夜ー
学校の玄関から出てきたのは、部活終わりの涼と信穏。
涼「疲れたー...腹へった...」
信穏「まあ俺らは学校近いだけマシっしょ」
「そうだ!今日8時からAmongusな!」
「元気じゃん。まあいいけど」
「5時間でも6時間でもやったるでえ~」
「授業中寝ちゃうぞ」
「明日の午後はクラスの半分が寝てる授業とクラスの半分が自習してる授業だからダイジョブ!」
「残りの半分になろうという気はないのか...」
その時、信穏のゲームチェンジャーに通知が来た。
「ん!スーパーの駐車場とショッピングモールにそれぞれGWCの連中が出たってよ!」
「どれどれ、スーパーには千博と翔を向かわせてる...と。じゃあ俺らと怜奈はモールの方だな?」
2人は駆け足で東のショッピングモールへと向かった。

ーワナアロモールにてー
涼「ここか!」
信穏「人多いとこ狙うの好きだな...」
買い物客は南へと一目散に逃げていく。ということは敵がいるのは北だ。
「北なのは分かるけど、どこに敵がいるか詳しくは分からんな。とりあえず俺は右側いくから涼は左をよろしく。」
「おけー」

作戦通り信穏は右の通路、涼は左の通路を行く。ここのショッピングモールはとにかく広い。実際この2人で本当に敵陣に出くわすかも定かではない。
信穏「さて...出てこいAボタン兵出てこいジューミン!」
出てきた。
Aボタン兵1「ん!誰だお前!」
Aボタン兵2「イッチス様の元へ連れていく!」
Aボタン兵20人、Bボタン兵10人が出現。
「それはどうかな?電源、オン!」
ゲームグリーンに変身するやいなやバイトソードを召還して斬り込む。
「ゲームレンジャーだったのかああー!」
「そーですよっ!」
剣を振りながら走っていく。ゲームグリーンが去った後には20人の雑魚兵が倒れていた。

ーこちら涼ー
「やあやあみなさんこんにちは。」
涼の所にもAボタン兵20人。店内を物色していたが涼の声に気づいて通路に出てきた。
「む!地球人!イッチス様の元へ連れていくぞ!」
「俺をただの高校生と思ってもらっちゃ困るんだよなー」
「何!?まさか...」
「そのまさかさ!
電源、オ... ... ン!??」
腕にはめていたはずのゲームチェンジャーが無い。
「あれ?!なんでなんで!?どこいった!?」
ポケットの中も探すが、無い。
「あ!   学校に忘れた...」
Aボタン兵たちはポカンとして口が開いたままだ。
「うわ~教室の机の中かあ~それじゃアラームセットしてても聞こえねーじゃんか~」
頭を抱えて完全にパニクっている涼を見て、Aボタン兵、ニヤニヤが止まらない。
「いや...待てよ?
俺、ゲームレンジャーじゃん!ヒーローじゃん!ヒーローは変身してなくてもヒーローだよな!」
謎の理論で納得した様子。Aボタン兵は再びポカン。
「ヒーローなら、こんな雑魚ぐらい倒せて当然!しゃあー!やってやんよー!」
涼、生身のまま敵陣に殴り込んでいった。

[返信][編集]

344 :暇人大魔王
2021/03/31(水) 22:36:23

ーこちら千博と翔ー
千博「敵が出たのはここのスーパーだよな?」
翔「ああ...」
2人はスーパーに到着。やはりたくさんのAボタン兵とBボタン兵が車上荒らしをしていた。
「これまたハデにやってるな。」
「電源、オン!」
2人はそれぞれゲームレッドとゲームブルーに変身。
「行きますかー」
ゲームレッドはバイトソード、ゲームブルーはビットガンでAボタン兵たちを狙う。
「抹消するー!」
千博「パッパと片付けるぞ。」
ざっと100人ほどのAボタン兵たちを次々に切り払い、撃ち抜いていく。
「悪いな。俺は昔、射的好きの少年だったんだぜ」
的を外さない確実な銃さばきで敵をよせつけない。
「俺のビットガンも使うか?」
1人1台ずつのビットガンとバイトソードをトレード。千博は二刀流、翔はニ丁拳銃となった。
もはや2人に近づけない雑魚兵たちはものの1分で全滅させられた。
買い物を終えてスーパーから出てきた人や、車に乗ってる人などが目を丸くしてこちらを見ている。
「ジューミンはいないのか。」
「...涼たちの方だな」

ー信穏はー
「...まさか1人で来るとはね」
涼と別行動していた信穏がジューミンに遭遇。場所は八方を店が囲む円形状の広場だ。
バンパラ「僕はバンパラ。槍使いでありパラソル使いでもあるすごいジューミンなんだ。」
バンワドとパラワドが一体となったこの敵キャラ。攻撃面も防御面にも優れている。
「君1人?なら余裕だね」
「1人?それは違う。すぐに仲間が来る。お前の部下の雑魚兵なんか足止めにもならないよ。」
ゲームグリーン、RPGの剣士能力を解放、バイトソードを緑と銀色の勇者の剣に変化させた。

ー涼はー
「フー、フー...」
20人のAボタン兵はまだピンピンしている。
「うおー!」
手前の1人に拳で一発。そのAボタン兵はフラフラしているが、他のAボタン兵に袋叩きにされる。
「いだだだだ...やめろお!」
1体ずつ蹴り飛ばすが無論追いつかない。
「負けるなー!ゲームレンジャーを倒せ!」
Aボタン兵たちは手に持つ細い棒で涼の背中をバシバシと叩いていく。
涼は反撃に出るべくAボタン兵をぶん殴るが相討ち。はずみでメガネがすっ飛んでヒビが入った。
「やばっ!俺裸眼視力0.1なんだよ!」
「抹消する!抹消する!抹消する!」
もはやフルボッコ状態。涼、疲労もあって仰向けに倒れた。
Aボタン兵1「ついにゲームイエローを抹消する時が来たぞ!」
Aボタン兵2「イッチス様も大喜びだな!」
涼は倒れたままただただ救いを求めて祈っていた。

[返信][編集]

345 :暇人大魔王
2021/03/31(水) 22:36:47

その願いは通じたのである。
突如、涼の上を何者かが飛び越え、Aボタン兵に飛び蹴りを食らわせた。
「え!?」
頭だけ起こし、0.1の裸眼視力をフル活用させて凝視、そして目に飛び込んだものとは、
「怜奈!?」
こちらを向いたかと思うと、いきなり涼の胸ぐらを掴んで無理矢理立たせる。
「ちょい!何やってんの!?何でとっとと変身しないわけ?」
一応メガネはかけさせてくれた。
「それが...学校に...忘れてきて...あー笑える」
「ちっとも笑えん!」
「だから、怜奈だけでも変身...」
変身という言葉を出した途端、怜奈は分かりやすく目を逸らした。
「...うちも忘れた」
「.........えええー!??」
「友達とカラオケ行ってて、呼ばれたから来たらボックスに置いてきちゃったの。これでお互い様!こんな雑魚、変身しなくたって倒せるから問題ない!安心して、涼よりは喧嘩強い自信ある」
「...俺も怜奈より喧嘩弱い自信ある」
「いくよー!Aボタン兵は抹消する!」
「お、おー!」
2人でAボタン兵20人の元へ突き進んだ。

ー信穏ー
「居合斬り!」
素早く身構えて剣を振り抜く。しかしこれはバンパラの一段早いジャンプでかわされる。
そして着地と同時に長い槍で信穏めがけて一突き。 
「あぶな」
「僕の槍は鋭いんだ。なめてもらっちゃ困るね。」
「俺の剣もな!三段斬り!」
これはパラソルに防がれる。この傘想像以上に硬い。
ガンッ!
長い槍で頭を叩かれた。
「いったあ!それなら...」
ジャンプでバンパラを飛び越え後ろに周り、
「回転斬り!」
緑色のオーラを出しながら剣を一回転させる。しかし俊敏な動きのバンパラには届かない。
「昇天抜。」
追いかけながらの斬り上げもパラソルで防がれる。
「どんだけ硬いんだそれ!」
すると傘を閉じ、信穏の右肩に思いっきり当てる。
信穏はバランスを崩してしまう。
「もうあれしかなさそうだな。迅速突き!」
バンパラは慌てて傘を開きガード。しかし力を込めた信穏の突進により、剣の先端がパラソルを貫いた。
「きた!このまま一気に...」
「槍もあるんだよ?」
左を向くと、視界に飛び込んで来たのは槍。信穏の胴にクリーンヒットした槍はそのまま目の前の信穏を振り払った。

「剣がすっぽ抜けた...!?」
吹きとばされた勢いで剣が手から抜けた。バンパラの傘に挟まっている。何も持っていない信穏に槍の先を向け迫ってくるバンパラ。
「1人で勝てる訳無いのに...」
「いや、すぐに仲間が来る!5人でゲームレンジャーだ!」
急いでビットガンを構える信穏。

「信穏ーーー!!」
細い通路から飛び出したのは、涼と怜奈。2人ともボロボロな上に疲れきっているように見える。
「どうした!?他にジューミンでもいたか?」
怜奈「いや...Aボタン兵だけ...」
「じゃあなんで...変身しなかったの?」
涼「ゲームチェンジャーを忘れちゃって...」
「えええー!??」
バンパラ「あれが仲間か?」
「そういや学さんから連絡来た時、涼は俺のゲームチェンジャー覗いてたな!」
「おい、僕を無視しないでよ!」
「剣回収!」
その隙に怜奈がパラソルに刺さった信穏の剣を奪いとった。そして信穏に手渡し。
「しまった!」
「千博たちが来るのを待つしかなさそうか。涼、連絡頼む。」
スマホで千博にこちらへ来るよう連絡する。
「その前に潰すぞ。」
バンパラはまたも長い槍での突き。ギリギリながらもかわしながらチャンスを伺う。
「三段斬り!」
横、そして後ろからの攻撃を試みるも、傘に吸われたり身軽な動きでよけられ続けなかなか当たらない。
「車輪斬!」
ついにバンパラに一撃を入れることに成功。しかしすぐさま槍での反撃。横腹をかすった。
「ぬぁっ...!」
「大丈夫!?」
「俺が変身できたら...」

と、突然涼にLINE電話がかかる。
「今かよ」
「うん、うんうん。え、マジ!?ありがとう!今行くわ!」
涼は突然ショッピングモールを飛び出した。
信穏が1人でバンパラと戦い続ける。怜奈も受けとったビットガンで手助け。

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346 :暇人大魔王
2021/03/31(水) 22:36:58

ーそして、10分後ー
カアン!
信穏の剣が槍で弾かれ、遠くに飛ばされる。絶体絶命だ。
「ファイアマジック!」
先ほどの通路から炎が豪速球で飛んでくる。バンパラは慌ててパラソルで防御。
「ゲームイエロー、見参!」
そこにいたのは、変身を終えた黄色の戦士、涼。
「嘘だろ!?なんで!?」
「友達が届けてくれた!」
堂々とドヤる。
信穏「シチュエーション的にあんまかっこよくはないぞ」
「2人になったところで、僕は倒せないよ!」

そこに数発の銃弾。
怜奈「うちも応援してくよ!」
涼からもビットガンを受け取り2丁拳銃でバンパラを狙い撃ち。
「スプラッシュラッシュ!」
大量の水が押し流さんと迫る。しかし勿論傘で防がれる。
「僕は傘を持ってるんだ。効く訳ないでしょ?」
「昇天抜!」
しかし後方から信穏が剣で確実に攻撃。
「ナニ!?」
「ナイトブレイン!」
涼がそう叫ぶと同時にバンパラの動きが鈍る。
「あれ、なんだか眠く...」
「おねむの時間かい?」
「閃光刃動!」
剣が光り、波動が出現。パラソルを焼き切った。
「うっそ!」
やけくそになったバンパラ、槍を投げる。投げた槍が涼の左腕をかすめ、後ろの店の窓を突き破る。
「ぎっ...」
「でもこれで武器は無くなったな?魔界砕!」
バンパラに紫のオーラがまとい、そこに剣を思いっきり振り上げた信穏。
しかし既にナイトブレインの効果はなく、よけられてしまう。その手には、槍とパラソル。
「再生すんの!?」
槍を右から左へ振り、信穏を転倒させた。

「ちょ、しつこいって!」
怜奈がダブルビットガンで抵抗。その間に涼が起きあがった。
「お前ワドルディに似てるから、これな。グローイングツリー!」
地中から現れた木がバンパラを飲み込む。枝が絡まって出られない。
「ボルタMAX!」
「ぎぃやぁ~!」
ボンッという音、そして光とともにバンパラは墜落。
「トドメだ!」
『必』のボタンを押し、涼のステッキが黄色く光る。
「ドラゴンフレイムタワー!!」
バンパラの真下から巨大な炎の塔。赤く燃える龍とともに焼き尽くし、GAMEOVERとなった。

千博「涼ー!信穏ー!怜奈ー!倒したのか!」
翔「なんとか無事そうだな」
信穏「お前ら、二度とゲームチェンジャー忘れんなよ?」
涼怜奈「はい...」
千博「ん?何があったんだ?」

ー後日ー
ここは怜奈が先日行ったカラオケ店の受付。
店員(57)「あ、これ君の?今の腕時計はスゴい見た目してるんだなあ~
はい。もう忘れ物しないでね。」
怜奈「あ、ありがとうございます...」

                    ーCLEARD!ー

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347 :げらっち
2021/04/03(土) 19:59:22

クリボージャーと比べても普通すぎて感想が出てこない…

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348 :暇人大魔王
2021/04/04(日) 14:27:50

そんなに雰囲気変わらないですか?

涼のところはクリボージャーになかったパターンのギャグを賭けの意味もこめてぶっ込んでみた。

そして涼の活躍回というより信穏の活躍回だったw

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349 :暇人大魔王
2021/04/06(火) 23:57:34

ゲームチェンジャーの機能

時計
アラーム
ストップウォッチ
タイマー
テレビ
タブレットとしての基本機能(ボタン1つで画面を拡大できる)
学とのメールのやりとり、通話

戦闘時
これをはめるだけで体のサイズを自動で測定し、変身の時スーツのサイズが調整されるため、どんな人が使用してもフィットする。
変身の時に出る光るドット(ピクセル)は、多少の攻撃を跳ね返す。戦隊あるあるの、変身時無敵に近い効果だ。

なお、手に持っている荷物、背中に背負うリュックに分厚い上着等は、別空間へと転送される。
さらに、夏の暑い時にはエ○リズムより涼しく、冬の寒い時にはヒー○テックよりも暖かい衣服としての効果も持つ。そして着ていないかのような軽さを誇るため、戦い手にとって最適な環境を作り出せる設計のスーツである。
スーツは物理攻撃でも魔法攻撃でも、ある程度の衝撃を吸収できる。さらに損傷を受けても、変身を解除すれば10分で修復する。
そしてもちろん、変身により身体能力の向上も実現している。

ビットガン、バイトソードはゲームチェンジャーを腕にはめていればいつでも召還可能。ただし1人1つずつ。損傷を受けた場合は、召還解除をすれば10分で修復し再召還が可能となる。

[返信][編集]

350 :暇人大魔王
2021/04/08(木) 23:39:09

『ビデオ戦隊ゲームレンジャー~Lv4   奇襲/狙われた友~』

ここは、上空20000mにあるGWC、ゲームワールドクリエイター社の基地。巨大エレベーターで1人の男が上がり、暗証番号でロックを解除、巨大な自動ドアを開けて中に入ってきた。

「お帰りゲーベァくん。偵察お疲れ。どうだった?」
「ただいま戻りました...まだヤツの情報は掴めてません。」
ゲーベァという男は片膝を折って座り、頭を垂れる。
「そうか...まあゆっくりでいいよ。邪魔物(ゲームレンジャー)も動き出した...開発者はまだ名前も顔も分からない...もう1人幹部を偵察に行かせた方がいいかな...?」
「その必要はございません。私と兄だけで十分です。」
頭を上げ、キッパリと言い切った。
「そうか。まあ君もお兄さんも優秀だからね。期待してるよ...」
そういうと、GWCのリーダー〈イッチス〉は、笑みを浮かべて暗闇の中へと歩いていった。


ー任天ケ丘高校ー
1年生の教室がある4階では今授業中。
千博と翔は同じC組、涼(絶賛睡眠学習中)はG組、信穏がE組で怜奈がD組だ。
たまたま千博と翔は席も近い。ゲームレンジャー結成直後の3学期始めに席替えしてこうなったので、好都合極まりない。
千博が小さく切ったルーズリーフを隣の席の人を介して翔に渡す。古典の授業中にやる古典的なやり方だが、令和の時代でもたまーに見かけるものである。
『この間はABボタン兵だったからよかったけど、授業中にジューミンが来たらどうすんの?1人抜けるだけじゃ無理』
翔もそれを見て、下の方にコメントを書いて返す。
『俺行こうか?あと涼たちの中から2人くらい駆り出したら、なんとかなるだろ』
千博が紙を見終わり、静かに机の中にしまった瞬間、チャイムが鳴った。
「起立、礼ー」

尊流「千博と翔、元から仲良いけど最近さらにくっついてるよな~」
孝「何の話してんの?」
休み時間、この10分は他愛もない話ができる貴重な時間だ。
「そう...か?(やべえ、バレるか?)」
「最近Amongusのアプデ来たから。その話。そういや尊流たちはやってるのか?」
「ああ。やってるよ。」
「(ナイス翔!)あ、やってたの?知らんかったわ。今日夜にでもみんなでやろ!」

[返信][編集]

351 :暇人大魔王
2021/04/08(木) 23:39:27

次は地理の授業。御年65歳のおじいちゃん先生の子守唄授業のためジューミンよ来るなら今にしろタイムだ。
「え~教科書は178ページ。とうもろこしの生産量は1位米国32%、次いで2位が中国24%、第3位はブラジル9%...」
すると開始早々、腕にはめたゲームチェンジャーにバイブ音が。どうやら翔も気づいたらしい。
アイコンタクトで会話し、翔はこくりと頷くと、先生に腹痛と言って許可を取り、教室を出た。
ちょうど、信穏と怜奈も教室を出たところだったらしい。辺りを見回すと奥から走ってくる。
怜奈「前回活躍できなかったからね!今回はがんばんないと」
翔、信穏、怜奈の3人が階段を降りようとしたところ、遅れて授業へ向かう先生とすれ違った。
「畔島、礼岡、杉並、3人揃ってどこ行くんだ」
礼岡信穏「あ、保健室に。」
杉並怜奈「私はトイレに...」
畔島翔「俺は前の移動教室の所に筆箱を忘れたので、取りに行こうとしてました。」
ちゃんと言い訳も仕込んである。ゲームレンジャーであることは、決してバレてはいけない。抜かりのないよう、最善を尽くすのも義務のうちだ。

「ジューミンが出たのは曽尼高校だね。隣の高校だけど、大丈夫かな...」
先生が完全に通りすぎたのを見てから階段を駆け降り、信穏がゲームチェンジャーを眺めながらポッとそんなことを口に出す。
「もしかしたらGWCも俺らの居場所を探してるかもしんねえな。」
「いづれここも狙われるかも...」
4階から1階までの長い階段を降りると、窓から学校の敷地の外へと出た。ここから隣の高校までとなると、最低15分はかかる。一刻を争う事態のため、息を切らして猛ダッシュだ。
「急がないとぉー!」
走る男子2人を置いて怜奈がぴゅーっと先を行く。
「...アイツあんなに足速かったか?」
「うん、ちょっと意外...」
「ちょい、翔と信穏も早くきてー!」
既にゴマのように小さく見える怜奈が振り返って2人を呼ぶ。
「わかったわかった、今行くよー」
ハーハー言いながらもなんとか追い付き、そのまま曽尼高校の校門をくぐり抜けた。

[返信][編集]

352 :暇人大魔王
2021/04/08(木) 23:39:57

「グエッヘヘへ!若いやつらは力があるからな!ごっそり連れ去ってやるわ!」
「待ちな!」
体育館のドアをバンッと開けて翔、信穏、怜奈の3人がジューミンしかいない中へと入る。
「来たな。お前らゲームレンジャーだろ。典型的なヒーローの登場パターンだ。」
信穏「まあ、ヒーローだからね。」
サラッと言い返す信穏。だが若干息があがっている。
「自己紹介してやる!俺はジューミンのボッコボコブリンだ!」
体育館のステージにある演台の上に立ち、スタンドマイクを片手に高らかに叫ぶ。音を吸収する人も3人の他には誰もおらず、ボッコボコブリンの声だけがスーッと響き渡る。
怜奈「ここの生徒は1人も渡さんよ。」
「俺の中学時代の友達もいるんだ。いくら力のある若者からは強いジューミンができるからって、指一本触れさせない。」
学が2話で言った通り、ジューミンは人から作られたクローンを原型として成り立つ。ジューミンの強さは、中のクローンとなる人間次第なのだ。
「変身するぞ。とっとと倒して戻らねえとな。」
翔が低く言うと3人は一斉に利き手と逆の手を前に構えた。
怜奈「色合いは悪いけどしゃあないね。」

「「「電源、オン!」」」
色合いの悪い3色のピクセルが舞う。
「ゲームブルー!」
「ゲームグリーン!」
「ゲームピンク!」
「ビデオ戦隊、ゲームレンj」
変身を終えるやと、既にボッコボコブリンがゲームグリーンの目の前にいた。
「剛腕ナックル!オラァ!」
太い腕で顔面に一撃。信穏はそのまま崩れ落ちてしまった。一瞬状況が飲み込めなかったが、顔をあげてゴブリンの目にピントが合ってやっと理解した。
「マナー違反でしょーよ!」
翔と怜奈が両脇からビットガンの照準をマナー違反者に合わせていた。
一発、発射。しかし高度のあるバック宙でゴブリンは易々と回避。互いの弾がビットガンに当たり金属音が同時に轟く。
そこへ入ってきた体育教師が、3人の戦士がジューミンと奮闘する姿を見てしまった。
「ば、バケモノだ...!110番!あと放送で知らせないと!」

「三段斬り!」
3連続で横向きの斬撃。しかし相手の反射神経と身軽さの前に当たりはしない。内心コイツは前にショッピングモールで戦ったヤツよりも厄介だと思った。
「デストロラリアット。」
後ろに軽快に動く敵の動きよりも早く、翔が間合いを詰めた。そして破壊の一撃。
「ぐふぁ、」
「ターニングハイキック。」
ゴブリンが怯んでる間に畳み掛けにかかる。しかし気配を察したゴブリンの方が2、3Fほど早く身をかがめた。
「甘いな」
長いツメで払われた翔は一旦引く。
そして次は信穏と怜奈の出番。
「サイコロ分身!」
大きなサイコロが宙を舞い地に落ち着いた時、天を仰ぐ黒い丸は2つだった。
「絶妙に運が悪い!」
「まあ2人でも十分でしょー」
1人の怜奈はビットガン、もう1人の怜奈はバイトソードでゴブリンに迫る。信穏も勇者の剣を手に加勢する。
「逃げる隙さえ作らなきゃ勝ちだよね」
分身で2人になり、双方が武器を駆使して次々と攻撃の手数で攻めるがゴブリンがトントン拍子に後ろへ下がり、さらには時おり体を折ってビットガンの弾までよけるため一向にダメージが入らない。
「極落!」
続いて信穏のターン。剣が光り、勢いよく振り下ろす。怜奈に気を取られている隙にゴブリンの鼻先を真っ二つにしたがそれだけでは足りない。

[返信][編集]

353 :暇人大魔王
2021/04/08(木) 23:40:09

「回転斬り!車輪斬!」
翔「突破キック。開扇裏拳。」
広く障害物もなく、生徒に避難を促す放送だけが流れる体育館での戦いは舞台を自由に使える。だがしかし無論ゴブリンも避け続ければいいという訳でもない。徐々にステージの上まで追い詰め、背水の陣ならぬ背幕の陣状態まで持っていけた。
「このままならいけんじゃない?」
「“このままなら” な。
ホーンクラッシュ!」
2本のツノを伸ばして360°大回転。信穏と怜奈をステージ下まで吹っ飛ばした。このジューミン、破壊力もこんなにあるのかという思考がその場にいる誰もが巡らしたことだろう。

「ぃよっと」
バッタのようにステージから飛び降りたゴブリンは先ほど3人が突入した体育館の入り口へと向かう。
ステージ下にいて先ほどの一撃を受けなかった翔がビットガンで狙撃を図るが当たらない。
ゴブリンが向かった先にいたのは、信穏の中学時代の友人2人組である。逃げ遅れてしまったらしい。
「俺と一緒にGWCへ来い!」
拒絶する友人の顔にツメの斬撃が飛んだ。
翔「...まずい!」
敵に目をやりダッシュで向かう、翔よりも早く動いた男がいた。
信穏だ。
「てめえ!俺の友達に何しやがんだクソ野郎がァー!!」
信穏の技でも最高速度を誇る迅速突きだ。30mはあろう距離を2秒とかからず駆け抜け、ゴブリンに一突き。
「がぁあああ!?」
「腐れジューミンが。滅びろよ。殲滅の刃。」
緑色のオーラを纏わせた、込められるだけの力を込めた必殺技。
「ひぎゃぁ!」
「てめえは一発じゃ足らねえ。」
突如信穏の左手にも剣が出現した。
「双剣乱舞!!塵となって償いやがれェ!」
言葉通り粉々となり、爆発。GAMEOVERだ。

友人を背負って保健室まで送った。幸い傷は深くなかったようで、信穏を含めた3人はホッとした様子だった。
自分たちの学校へ戻る途中、
怜奈「信穏がガチギレしてるところ初めて見たなあ」
信穏「そう?」
翔「まあ普段優しいだけに俺も驚いたけど」
そして戻る頃には、授業は終わっていた。

                    ーCLEARD!ー

[返信][編集]

354 :暇人大魔王
2021/04/11(日) 01:20:05

最後雑になってすいません4話です
ト書きに思考の描写を入れるという新しいことをやってみたがムズかった

[返信][編集]

355 :暇人大魔王
2021/04/13(火) 23:35:52

『ビデオ戦隊ゲームレンジャー~Lv5   出るか!?怜奈の必殺技!~』

翔宅にて、ゲームレンジャーの作戦会議。翔の母親は仕事に行っているが、「お友達、家に入れていいよ~」と軽く言えちゃう優しい母のため、こうして集まることが実現できている訳だ。
『1月の間は1週間に1回程度だったが、2月に入って10日足らずで既に2回、ABボタン兵による襲撃がある。恐らくGWC側も僕の正体もとい君たちの素性も知りたくなっている頃だ。この間の曽尼高校襲撃もそれを狙う意味もあったと思われる。』
「知ってどうすんの?」
と千博。すかさず学が答える。
『万が一知られたら、まず君たちの通う任天ケ丘高校、それから君たちの家、つまりは家族が狙われるだろう。拠点を潰すのが戦いの基本だからな。』
涼「...じゃあますます正体バレちゃいけないな。影武者でも立てたいぐらいだ」
信穏「時代劇ごっこじゃないよこれは」
『ちなみにGWCは、ゲームレンジャーの開発をした僕を一番に探している。対抗勢力潰しとともに、技術を盗みたい気もあるんだろう。
僕が画面越しにしか姿を見せないのは、そのためだ。
君たちも正体不明のヒーローでいてほしい。』
怜奈「土日は別として、平日の学校にいる間は、今までみたいに交代制でやるしか、」
『ああーっ!』
急に画面越しに、漫画だったらひっくり返るかと思うような強烈な大声が聞こえた。学が分かりやすい焦り顔をしている。
『3か所同時にGWCの襲撃が来た!しかもどれもここから遠い場所だ!』
「季野湖市、時環市、牌螺琉市...阿祖美町外かよ!」
3か所全てが千博たちの住む阿祖美町以外の遠い場所だ。これまでも2、3度阿祖美町以外の市町でABボタン兵が来ることはあったが、同時、さらに違う地点というのは初の事だった。
「電車移動だな」
「涼魔法使いなんだからホウキで空飛べないの?」
「それはムリだよ...」
『みんな、ジューミンが出るかもしれない。気をつけて!』
「ラジャー!」
家を飛び出し、チーム分けして、各々電車で襲撃のある場所へ向かった。庶民的な戦隊である。

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356 :暇人大魔王
2021/04/13(火) 23:36:14

季野湖市
「これまたうじゃうじゃいんな」
1人班の千博。目の前では200人のAボタン兵と50人のBボタン兵が待ち構えていた。
「コイツを1人で撒くのは時間かかりそうだ。翔たちを待たせることになるかもだけど仕方ねえ。電源、オン!」
変身を待ってましたと言わんばかりにABボタン兵がうおーっと叫びながら迫る。千博は数秒のうちに出す技を脳内で捻り出した。
「八方スピンバースト!」
広範囲を拳と衝撃波で攻撃しながら移動。Aボタン兵たちは次々に吹き飛ばされて消えて行く。
「ビットガン召還!」
装備した銃で残りのAボタン兵たちも次々撃破。2分程で全滅させた。
「ゲームレンジャー1人に負けてたまるか!ぶっ飛ばしてやる!」
今度はBボタン兵。自慢の腕力(雑魚兵だからそうでもないけど)を武器に迫り来る。
「コマンドアクション!」
ジャンプにパンチ、キックなどの動きを正確かつ素早く行う。順調に敵の数を減らしていく。
「ファイナルフレアキック!」
『必』のアイコンを押す。足にオーラと炎を纏わせながら渾身の蹴り。まさにBボタン兵たちを一蹴した。
「...ジューミンはここじゃないっぽいな。仲間とも連絡を取って、合流しよっと。」

時環市
「「電源、オン!」」
「ゲームブルー!」
「ゲームイエロー!」
「「ビデオ戦隊、ゲームレンジャー!」」
ここ時環市のスポーツジム前にて、翔と涼がABボタン兵300人と対峙している。
「涼...」
「何~?」
「お前のビットガンよこせ。代わりにバイトソードやる。2刀流でがんばれ。」
「え?俺剣そんな得意じゃないけど...まあいいや」
こうして2刀流となった涼が先陣を切る。
「地球人は抹消する!」
「黙って抹消されてろぉー!」
2本の剣を同時に振り下ろし、また振り上げる。右手に持つ剣を真横に払って、そしてもう1本を刺すのに使う。合ってるのかどうかは不明だがなんとかなっているようである。
「援護するぞ」
2丁拳銃で周りを囲むAボタン兵たちを狙い撃ち。涼には当たらないよう配慮しつつ。
「やっぱ魔法の方が便利な気がする」
大量のABボタン兵が包囲する中、片膝とステッキを地面につける。
「どうした?降参か?」
近くのBボタン兵が嘲笑する。
「んなわけあるかい。スプラッシュラッシュ!」
地面とゼロ距離にあるステッキの先から凄まじい量の水しぶき。反動で涼の体は宙に浮く。
「魔法使い最高!ロックシュート!」
空高くから岩を落とす。逃げ惑うBボタン兵をもペシャンコに。
後を追って涼は岩の上に着地した。
「んじゃこれ使お。1%グラビティ!」
岩から下りた涼は軽々200kgはあろう岩を両手で持ち上げた。そしてAボタン兵たちに向かってぶん投げる。
「解除!」
投げたらソッコー重力1/100を解除。200kgの超重量級の重りがのしかかった。
「瞬足ステップ&アッパー。」
そこへビットガンをしまった翔がよってきて残った敵を瞬く間に全滅させる。
そして2人は千博からの連絡も受けて牌螺琉市へと向かう。

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357 :暇人大魔王
2021/04/13(火) 23:36:46

牌螺琉市
信穏「Aボタン兵もBボタン兵も、ジューミンも見当たらないな。」
怜奈「手分けして探す?」
「そうするっきゃないか」
広い住宅街。ここに敵の反応があるとのことだが姿が見えない。仕方なく信穏と怜奈は何かあったら連絡すること、そして敵を処理した後はここに戻ってくることを約束して二手に分かれることにした。

「さあて出てきなジューミン!ボコしてやっから!」
怜奈は内心1人でジューミンは倒せるのか不安になりながらも、強気な発言で誘き寄せる。
「 呼 ん だ か ?」
3階建ての一軒家の庭から大ジャンプで飛び出してきたのはジューミン。
「ホントに来た...」

こちら信穏、集合場所から1、2分歩き、広めの道に出たところでAボタン兵&Bボタン兵200人と出くわした。
「電源、オン!ゲームグリーン!いざ...!」
冷静に変身を終えた信穏、得意のバイトソード片手に単騎で戦を始める。
「たかが1人、3分で決着つけるぞ!」
Aボタン兵たちも威勢はいい。威勢 だけはいいが、信穏の間合いに入るとすぐに斬り捨てられてしまう。
「一斉にかかれー!」
「剣士能力解放!回転斬り!」
一斉に返り討ちにされた。
「三段斬り!昇天抜!居合斬り!」
Bボタン兵たちも加勢するも、状況変わらず信穏が圧倒。広い道だったことも運の尽き、信穏は心置きなく剣を振れる。『3分で決着つけるぞ!』とか言っていたが、反対に3分で決着をつけられてしまった。

「千博、翔、涼、どこにいる?怜奈から連絡が来ないし待ち合わせの場所にもいないんだよね。たぶんジューミンと出くわしたんだと思う。悪いけど牌螺琉市に来てくれない?場所はGoogleマップのをLINEで送っといたから。」
20分程で千博と翔と涼が来た。大勢を相手にしてきたため皆ヘトヘトだが、信穏は既に怜奈を探しに行ったとのことだ。

その頃怜奈はジューミンと住宅地の一角で戦っていた。
「ミュージック・スタート!」
光を頼りにアップテンポなリズムで突き進む。バイトソードを振るうが高いジャンプでかわされてしまう。
「そんなものか?お前の力は」
「まだまだあ!」
今度はビットガンで照準を定める。しかしジューミンの方は避けてやるという余裕の顔だ。

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358 :暇人大魔王
2021/04/13(火) 23:37:17

「閃光刃動!」
黄緑色の波動がジューミンを襲う。さすがに対応しきれなかった。
「速えな。よけらんなかった。」
信穏だ。ついに居場所を見つけたらしい。それに続くように他のメンバーも次々と駆けつけた。
「改めて自己紹介してやる。虫系ジューミンのコロギだ!」
巨大コオロギのような見た目のジューミンはコロギと名乗った。
千博「怜奈1人で戦ってたのか!」
「さあ...素敵な歌のお時間だ」
そういうとコロギはどこから出したのか台に乗り、美しい声で鳴いた。
「「?」」
すると声に共鳴するように、無数の虫が前方にいつの間にか設置された大砲から飛び出し、5人を襲った。
「ビクッた!なんじゃこりゃー!」
翔「虫無理...」
信穏「そういや翔虫嫌いだったな!」
「まだいくぜ」
今度は先程より少し高い声で鳴く。すると斜め右前の大砲から虫の集団が突撃。
千博「これビットガンとかバイトソードで防げねえ!」
涼「ファイアマジッ...これでもダメ!無理ゲーじゃんか!」
「当たり前だ!その虫は無敵!」
さらに高いの声で鳴くと、真後ろから攻撃。どうやら八方に大砲があるようだ。
「隙間を縫うしかなさそうだね」
「まだまだいくぜ!」
今までで一番高い鳴き声。斜め左前の大砲だ。

「仕組み分かった...!」
怜奈が何やら閃いた様子。
「ナビするから避けて!」
「何が分かったと言うんだ?」
先刻の4つの声とも違う鳴き声。
「左!」
怜奈が叫んだ通り、左の大砲から虫たちが発射された。
「わあ、当たりだよ」
「偶然だろ!次!」
さらにまた低めの声だ。
「右後ろ!」
これも正解。的確なナビのお陰で5人は攻撃を免れている。
「これならどうだ!」
「右前!さっきやったでしょ」
「くそお!なんでオイラの攻撃が読まれている!」
「ドレミファソラシドでしょ?時計回りに。」
「なるほど...!」
「怜奈は絶対音感持ってるからね」
コロギはショーック!という顔だ。

「こんなところでは終わらんぞ!これならどうだ!」
今度は2つの音を同時に出してきた。
「一匹なのに同時に出せるのか!?」
「前後から来る!」
しかし怜奈はこれを聞き分けた。慌てて4人は左右に回避してセーフ。
「なぁにぃいいいい!?(やっちまったなー!)黙って虫たちの餌食になれ!」
さらに2つの声を出す。もう怜奈以外の4人はちんぷんかんぷんだ。
「左右!」
怜奈も必死、ナビを聞いてその通り動く4人も必死だ。
「でも怜奈のお陰で余裕は生まれた。デストロイスマッシュ。」
虫が過ぎ去った後で破壊の拳。鳴くのに精を尽くすコロギは気づくのが遅れ、大振りなパンチをモロに食らってしまった。
「ぎゃーす!」
「左後ろ。」
叫び声の音程も正確に聞き取りナビする怜奈。

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359 :暇人大魔王
2021/04/13(火) 23:37:28

だが、
ひっくり返っていたコロギだがピョンと飛び起きて再び台の上に乗った。
「これが限界だと思った?」
なんと3つの和音で攻めてきた。3/8が虫の出現する大砲だ。
「前と右と...ダメだ、追いつかない!」
3つの音を聞き分けるには耳が追いつかない。仮にできたとしても、全てを聞き分け大砲の位置を判断し、ナビするには脳と口が追いつかない。
涼「怜奈が無理なら俺たちどうにもできな~い!」
「ハハハハハ!ゲームレンジャーもここで最終楽章だな!」
さらに和音の演奏を続ける。
「右前、右後ろ、左ま...いやあー!」
千博「これじゃ八方塞がり!」
「いーや、みんなが使える必殺技...ウチも使えるハズ!ここが見せ場!」
ゲームチェンジャーのピンク色の『必』のアイコン。押すとオーラを纏ったサイコロが現れた。
「これ...目が全部6だ!」
「マジかよ!」
「カオスじゃん...」
呆気に取られるコロギを他所に、サイコロを振る。もちろん出目は6。6人のゲームピンクが現れた。
「3人はナビよろしくね。3音だから1人1つ、余裕のよっちゃんでしょ?残りは攻撃に駆り出す。」
「えーい!6人いても烏合の衆!」
再び和音の鳴き声をあげるがもちろん無意味。
「右前と」
「後ろと」
「左!」
「「了解!」」
ナビもスムーズになり、回避する4人の動きも素早くなった。
千博「俺らも役に立たないとな。コマンドアクション!」
涼「ボルタMAX!」
高電圧の電流がコロギを襲う。盛大な感電だ。
そしてそこにゲームレッド。スピーディな動きでコロギに連続攻撃だ。
「分身いけえー!」
ビットガン、そしてバイトソードを持つ怜奈の分身2人が斬撃と銃弾を浴びせる。
「必殺技中は『ミュージック・スタート』も使えんだよぉ!」
8つの光は虫たちの発射台である大砲に灯る。華麗なステップで全て踏みつけ、最後の光はコロギに。この一撃に全勢力を注いだ。そしてコロギは爆音とともに散る。

「ふー!やっと終わっ、」
悪魔のCONTINUE。ホッと一息つく5人の後ろ手コロギはみるみるうちに巨大化した。
「しつこっ!」
「メガゲーマーだな。」
『R』のアイコンで5人が巨大ロボに乗り込んだ。
家が子犬のように小さく見える。
「オイラの2曲名は激しくいくぜ!」
怜奈「聞き飽きたっつーの!」
巨体をもってしても素早い反応で虫たちを回避する。
「3つ同時ならどうかな?」
「またかー!」
今度は避けきれない。大量の虫がまとわりつき視界も塞がれる。
翔「アイテムが使えたはずだな」
スロットが出現。3つのバナナの所で止まった。
「これならいける!」
音を聞き分けてよけたりせずとも、虫がバナナで食い止められる。その隙に一気に接近だ。
「もういっちょアイテム!」
今度は赤いコウラ。攻撃にはピッタリだ。
「コウラスロー(赤)!」
「やめろ~!」
ジャンプでよけようとするもコウラが自動で追尾。下から直撃しコロギはGAMEOVER。


上空20000mにあるGWC本部。ここでは、ある計画が動き出していた。
「ついにヤツらを使う時が来たようだ...」
イッチスの目の前には、大量の兵士が整列していた。

                    ーCLEARD!ー

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360 :暇人大魔王
2021/04/14(水) 23:32:37

うーん思ったより視聴率が伸びないなゲームレンジャー
何が足りないんだろう?

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361 :げらっち
2021/04/15(木) 14:24:32

じゃあ逆にこの小説の「売り」はどこなのか
短くまとめて説明してごらん

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