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283.短編小説のコーナー
 ┗15

15 :げらっち
2022/06/30(木) 18:18:41

黒帽子の三題噺が楽しみだ。

やっきーへの感想をこっちにも書いとこう。

>>2
3行目でオチが読めてしまった…
やっきーが作者ということ、ボクという一人称(ポーク?)もヒントになってるのかな。
いつものファンタジーとは違ったシニカルなギャグ短編(というかSS SSSくらい)
色んな作風が書けていいなー。
通話では迅がこの豚の声真似をして大盛り上がりでした。豚(cv:迅)

>>3
こちらはかつて、ねむねむに依頼されて書いた詩だという。
豚と同じ動物目線の悲哀を感じる一作だが、こちらはギャグ色が弱め。
いつも何にも考えてなさそ~な金魚だが、何か考えてるのかな?と考えさせられる作品でした。

>>4
豚の時と構成は似ているが、今回はオチが読めなかった!
読み返すと色々わかって面白い。

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2 :やっきー
2022/06/20(月) 16:15:31

 ねえ、認めてよ。
 ねえ、なんで?
 ボクがいくら問いかけても、柵の向こうの奴らは、ボクの声を無視する。
 短い手足も、太い首や体も、ボクの個性じゃないか。確かに君たちとは違うかもしれない。でも、だけど、これがボクなんだ。
 ねえ、認めてよ。
 ねえ、なんで?
 答えてよ。ねえ。ねえ! ねえ!!
 ボクを柵の中に閉じ込めて、何がしたいの?
 ううん、本当はわかってる。彼等が何を望んでいるのか。
 ボクと同じように閉じ込められた仲間は、欲だけで動いている彼等に連れていかれてしまった。
 嗚呼、ボクの番が来たようだ。彼等の仲間が、|足枷《あしかせ》と首輪を持って、ボクに近付く。
 もがいてもがいて。でもそいつは、ボクの動きを無理矢理封じる。

 ボクは最後の足掻きで、こう叫んだ。
















「出荷しないでええええ! プギイイイイイイ!」













 ※この物語はフィクションです。

3 :やっきー
2022/06/20(月) 16:23:38

※カキコにも載せたことがあるものです。

ねえねえ、ぼくたち綺麗でしょ?
ふわふわな衣に鮮やかな赤。きらきらの水によく映える。

ねえねえ、わたしたちかわいいでしょ?
小さなガラスに閉じ込められて、小さくて弱くて。まるでただの鑑賞物。

ねえねえ、ぼくたち綺麗でしょ?
なのに水は汚れてる。酸素をちょうだいご飯をちょうだい。

ねえねえ、わたしたちかわいいでしょ?
なのにどうしてこっち見ないの? あなたが連れてきたんでしょ?

ねえねえ、ぼくたち綺麗でしょ?
君たちとは違う儚い命。もっと大事にしてよ、ねえ。

ねえねえ、わたしたちかわいいでしょ?
動かなくなっても水槽の底に沈んでも。

ねえねえ、ぼくたち綺麗でしょ?
ぼくたちこのあとどうなるの? 箱の外を見たかった。

ねえねえ、わたしたちかわいいでしょ?
ふたりでゆらゆら。ふたりでひらひら。

ねえねえ、ぼく綺麗でしょ?
沢山いたのに一人になった。

ごめんね、君を残してもういくね。

4 :やっきー
2022/06/20(月) 16:29:56

 おれはずっと前から、『奴』の存在を知っていた。
 だけど、見ないふりをしていた。だって、見たくないのだから。
 そうやって、限界まで、今日まで、『奴』を無視して生きてきた。
 そして今日、『奴ら』はおれたちの前に現れた。おれたちの人数分、『奴ら』はいた。

 これは罰だ。怠惰の限りを尽くした、おれへの。

『奴』の存在。襲ってくる時間。現れる場所。おれはその全てを知っていたのに、それらを無視した。
 なんの準備もしないまま、なんの備えもしないまま。

 あるものは勇敢に戦い、あるものは戦いを放棄し。おれも、戦わなければならない。

 わかったよ。もう、逃げない。

 いや、この感情は、『諦め』に近いだろうか。
 なんでもいい。とにかく戦おう。剣よりも強いこの武器を手に取って。

 おれは『奴』を睨みつけた。『奴』はピクリとも動かない。ただおれを嘲り笑うかのように、そこにいるだけだ。

 おれは『奴』に向かって、武器を突き立てた。やや丸みを帯びたその武器は、『奴』の体を貫通することは無い。
 そのまま滑らかに武器を動かす。『奴』は動かない。ただそこにいるだけなのに、おれは押しつぶされそうなプレッシャーを感じる。

 小一時間ほど、おれは休むことなく戦った。やがて『奴』は、『奴ら』のボスにより撤退させられた。

 終わったのだ。勝利も敗北もない、ただお互いの意思をぶつけ合うだけの、無駄な戦いは。

 おれは歓喜のあまり、腹の底から叫んだ。






「ぃよおおおおっしゃぁぁああああああ!!!!!! テスト終わったあぁぁぁあああああ!!!!!!」