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┗91.マリルイ学園CGR(662-681/1000)
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662 :げらっち
2020/09/04(金) 12:43:17
土日にはキャラ名鑑と第12話を掲載し第2部を完結させます。
キーの華美大学の由来はカービィ大学
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664 :げらっち
2020/09/04(金) 19:28:11
CGR
🌟ルル(猫野瑠々:ネコノルル) /炎の勇者ガールズレッド 真理類学園6‐2所属。小3の頃に両親が離婚し転校した。1人っ子。好きな食べ物はうどん、甘い物。
🌟りんご(林茜:ハヤシアカネ) /電気の使者ガールズイエロー 兵中1‐3所属。仕事の都合で両親とは別居。20代の姉と2人暮らし。好きな食べ物はりんご、タピオカ。
🌟タレ(藤田玲子:フジタレーコ) /草の猛者ガールズグリーン 兵中1‐3所属。関西の私立小学校を卒業後一家で関東に引っ越し兵中へ。そこでりんごと知り合い、2人まとめて雪華にスカウトされた。好きな食べ物はすき焼き。
🌟潤(二木潤:ニキジュン) /水の覇者ガールズブルー 高校1年生。3姉妹の長女。自らCGRに立候補した。家庭では両親と妹、CGRでも大人と小中学生に板挟みにされる苦労人だが、いつもマイペースないやし系。好きな食べ物はポテチ、麺類、マヨネーズ。
🌟キー /風の賢者ガールズピンク 華美大学1年生。父親はシンガポールで日本との貿易会社を営むお金持ち。キーは13歳の頃から1人で日本に住んでいる。メカオタク。好きな食べ物はアイス、白米。
🌟koto /病み上がりの武者ガールズバイオレット 18歳。出生不明の、宇宙から来た猫のような女子。兄が居るらしい。好きな食べ物はマカロン(特に苺の)。
🌟司令官雪華 /雪と大地の長者ガールズホワイト 24歳。キーと共にCGRを立ち上げた司令官。ちょっと腐女子でロリコン気味。多分1人っ子。昔は結構ワルだった?その正体は… 好きな食べ物は魚料理。
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665 :げらっち
2020/09/04(金) 20:13:20
★メンズスター
首領リッチヅノー ???
アメリカ支部部長ツヅラードン アメリカ支部の部長。
日本支部部長ゲラッチ 22歳。メリルイ部のカリスマ部長だったが6年前、メンズスターに吸収され…?
参謀クロボー師 20歳。学生運動では1人で機動隊8人を半殺しにした過激派。メンズスターに殴り込みするも色々あって仲間になった。稚気溢れる憎めないやつ。
兵長迅 19歳。メリルイ部がメンズスターに吸収された直後からのゲラッチの部下。当時は一般怪人だったが、幹部にまでのし上がる。
洗脳怪人ユメチビ メリルイ部がメンズスターに吸収された直後からのゲラッチの部下。
海人タコゾウ→ホリ太 普通の蛸だったが迅に魔改造され怪物に。後に転生し少年「ホリ太」となった。現在はCGRと友好関係にある。
死の花怪人ハローデス→PLAYBACK怪人ハローデス 上級怪人の1人。ルル&潤に地獄行きにされるも、kotoにより再生。再び撃墜された後は野良怪人となって未だにCGRを狙い続けている。
シャボン怪人ノッコ ハローデスの部下。りんごに一撃KOされた。
果実怪人レモーン 2度に渡り番外編で活躍。CGRを壊滅させようとするも敗走。
芒果ピコ(果実怪人マンゴー) 中性的とされる果実怪人の1人。さらに趣味である女装によってほとんど女子と見分けのつかない男の娘になった。CGRに取り入ろうとするもクロボー師が射殺。
ヲタク怪人ミウ最推し 美羽のキャスストーンをHKKに盗ませ、美羽を復活させた。その後美羽をメンズスター幹部にまで高めるもコミュニティエレメントレーザーにより死亡。
ルル最推し ミウ最推しの双子の弟。デビルルを生み出す。
棺怪人クレオパトルル ルル最推しによってモンスター化させられたルル。
特急怪人トトラ レクスプレスの運転手。逃亡壁がある。レクスプレスが破壊された後は消息不明。
キノコ怪人キノボー 最弱の怪人で、量産され雑用や戦闘員として日々酷使されている。そのうちの一個体は雑魚敵戦隊キノボージャーの1人となっていた。
超ウルトラハイパーグレートキングキノボー(HKK) キノボーの亜種。一応キノコ怪人の中では能力値が高い。が、雑魚は雑魚。レモーンの2分の1、タレの35分の1ほどの力しか無い。第1話では、超ウルトラハイパーグレートキングパタキノボーに進化するもファイヤースマッシュを受け誤爆し羽がもげた。その後CGRに土下座して奴隷として生かして貰う。タレにこき使われるもミウ最推しに騙され、キャスストーンを(重要アイテムとは知らずに)盗んだ。
こでかキノボー キノボージャーの1人。
パタキノボー キノボージャーの1人。
マメキノボー キノボージャーの1人。
タケノコ怪人タケボー キノボージャーの1人。
クソゲー軍曹 メリルイ部時代の幹部。過去に戦死したはずだが第7話にてゲラッチの力で蘇生する。然し再び幽霊に。
メンズスター神 キャスストーンを原動力とするメンズスターの破壊兵器。
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666 :げらっち
2020/09/04(金) 21:57:19
💘CGRの家族
ルルの母 ややネグレクト気味。一応仕事はしていると思われる。
タレの父 関西人。
タレの母 こちらも関西人。
藤田牧男(フジタマキオ) タレの弟。小学校低学年で姉にやや甘えがち。通称マッキー。
二木雹(ニキヒョウ) 二木家次女。とある病気で入院・通院を繰り返していたが、キーの資金援助もあり快復する。その後は姉と同じふっくらとしたいやしキャラに。
雨(ニキアメ) 二木家三女。生まれたての赤ちゃん。
💘真理類学園6-2
犬又美羽(イヌマタミウ) 6-2のいじめっ子。両親はそこそこ金持ちだが養子なのであまり愛されていなかった。その正体は朱色のキャスストーンで、石の姿に戻されメンズスターの手に渡ってしまう。
磯瑛那(イソエイナ) 美羽の取り巻きA。いじめっ子グループの中では特に背が高く暴力的だが、kotoに敗北。A那ではない。
麦田美香(ムギタミカ) 美羽の取り巻きB。デブ。頭が悪くボキャ貧、それなですwwwwwしか喋れない。B香ではない。
真白(マシロ) ルルと並ぶ6-2のいじめられっ子だが、実はしたたかな腐女子。クラスで一番背が低く眼鏡をかけている。
マリナ 雑誌のモデルをやっている女子。
鬼道サキカ(キドウサキカ) 6-2担任の女性。32歳バツイチ。厳しいが面倒見のいい先生。
💘その他
あいな ゲラッチに誘拐された女児。
せらムーン 謎の美少女戦士。裏社会では有名なご様子で、その活躍はゲームにされるほど。
暗黒結社糸黒の大ボス 裏社会を牛耳るマフィアの大ボス。キーに失神させられた。
平和台アカギ ローカルファイブの戦士。
若葉シゲル ローカルファイブの戦士。
…他にいたっけ?
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667 :あめそ
2020/09/04(金) 22:25:20
あ、よければ私使っていいですよ!敵キャラでもなんでもいいっすよー(*^-^*)
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668 :げらっち
2020/09/04(金) 22:31:18
>>667 おー読んでくれたのか!
「雨」と言うキャラクターがあめそだよ。まあちょっとしか出てないから今後活躍させるかも!
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669 :黒帽子
2020/09/04(金) 22:39:13
www.youtube.com
多分俺にCGR描かせると多分これと似たような展開になります。
変な商売で儲けるメンズスター、変な指令を出すリッチヅノー
そして毎週のごとく巨大戦でフィニッシュも異なる…
そして最後はお仕置きが待っている…
(センガクをコメディ路線にした元凶のアニメです)
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670 :あめそ
2020/09/04(金) 22:43:42
>>668
ありがとうございます!!
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671 :超ウルトラハイパーグレートキングクリボー
2020/09/05(土) 20:39:40
>>665-666見てなかった
あのー、僕の戦闘力低すぎないですか?w
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672 :げらっち
2020/09/05(土) 21:45:12
第12話
「重大な発表があります!」
鬼道先生の声でクラスはしんと静まり返った。
「今年度は、兵中との合同運動会になります。」
今は月末の運動会に向けて話し合う学活の時間。
ルルは元々運動会が好きな方だったが、これでさらに楽しみになってしまった。
兵中…兵派亜中等学校はりんごとタレの通う中学校なのだ。
鬼道先生はハイヒールで床をダンと蹴った。
「とは言ってもいつも通りやればいい。泣いても笑っても小学校生活最後の運動会、ベストを尽くすんだぞ!」
鬼道先生は生徒たちを鼓舞するのが上手い。男子の中には「ウオー」と叫ぶ者もいた。
「では早速だが組体操について。比較的体格の近い小6と中1が合同で行う。その華は何と言ってもピラミッドだ。」
ピラミッド…
ルルは小5の時ピラミッドに参加せず倒立やサボテンばかりをやっていたのを思い出した。
「もちろん一番上に立つのは小6の生徒だ。うちからは一番運動神経の高い男女2人を出すぞ。先月のスポーツテストの結果から決める。恨みっこナシだ。」
鬼道先生はボードを取り出し読み上げた。
「男子、鼠屋遼!」
クラス中から歓声が沸き上がった。
遼はくしゃくしゃの黒髪に吊り上がった目、クラスで一番カッコイイと噂されていてしかも、運動神経抜群の人気者なのだ。
遼はちょっと照れ臭そうにニヤリと笑って女子をきゃーきゃー言わせたが、彼が選ばれることは明白だった。
女子は誰が選ばれるんだろう…
クラスは静まり返り、ルルも少し緊張してきた。
「女子、猫野瑠々!」
「ええっ!?」
ルルは驚いて立ち上がってしまった。
しかし遼の時とは正反対にクラス中が静まり返っていた。皆驚きや妬み、奇異の目でルルを見ていた。
たしかにルルは今まで運動音痴だった。
だがCGRでの猛特訓で体力が飛躍的に向上していたのである。
「やったじゃんか(小声)」
kotoが隣の席でそう呟いてくれた。皆が祝福してくれなくとも、それで十分だった。そしてルルにはこの晴れ舞台をどうしても見せたい人が居た。
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674 :げらっち
2020/09/06(日) 00:17:49
今日は組体操の合同練習の日。
ルルは体操着を着て、家から兵派亜中等学校に直接来ていた。
初めて入る中学校。
小学校とは比べ物にならないほど広い。砂が敷き詰められた校庭は広大で、遊具が1つもない。
校庭に居る中学生たちはルルよりも一回りも二回りも大きかった。
ルルは校庭の隅で鼠屋遼の姿を見つけた。
知らない街で偶然親戚に出会えたような気分だった。
「鼠屋くん、おはよ!」
ルルは手を振りながら遼のそばに駆け寄った。
遼「おお猫野。ここでいいんだよな?」
ルル「はいっ」
遼「あと遼でいいよ。」
ルル「は、はい!遼くん。」
遼はくすっと笑った。
何故かルルは、ちょっと嬉しくなってしまった。
2人の近くには真理類学園他クラスの生徒たちも集まっていた。
皆ピラミッドのてっぺんという花形を任されているのだろう、小柄かつ運動神経が高そうだ。
そこに兵中の教師と思われる禿げた中年男性が近付いて来た。
「それぞれ10人ずつのチームを組め!好きな人と組んで構わんが、ピラミッドの土台としてふさわしいメンバーを選ぶんだぞ!」
好きな人と組む…
ルルにとっては一番苦手なパターンだ。
見知らぬ年上の中学生に自分から声をかけられるわけ、ない。
しかしルル以外のメンバーはすかさず周りの生徒たちに声をかけていた。ルルも頼れそうな人を探す。
「僕は後ろにいるよ。」
「(⊃ Д)⊃≡゚ ゚」
いつの間にかkotoが後ろに立っていた。
「kotoちゃん、何してたの?」
「…ゑ、何してたって別に… 前ルル先輩をいじめてたやつが僕におべっか使って誘ってきたから保健室送りにしてただけだよ(小声)」
「そうですか(⌒‐⌒)」
「僕お外嫌いだし、人間も嫌いだし。」
kotoは汗ばんでいた。
「それで…kotoちゃんピラミッドのチームになってくれない?」
「ルル先輩のためなら何でもしますよ♡」
2人は更にメンバーを探すために校庭の人ごみの中をさまよった。
「あっ真白ちゃん!」
ルルはクラスメイトの真白が1人佇んでいるのを見つけた。
「真白ちゃん、一生のお願い!私のチームに入って!」
「え?え?なに?なんで知ってるの?うちがぼっちだってこと。危うくあぶれるとこだったお!(^ω^=^ω^)」
真白はインキャなのに明るい。
しかしkotoと真白はルルよりも一回り背が小さいと言ったところで、土台にするには少々心もとない。中学生の助っ人がほしい。
「あっタレ先輩!」
「あおはよう/´・ω・` \フッジサーン」
兵中のジャージを着たタレの姿があった。
「タレ先輩もピラミッドのチームになってくれませんか?」
「もちろんいいよ!ていうかお山の頂上なんや。おめでとうぱふぱふにゃーにゃー」
CGRではルルと同格のタレも小学生たちの前に立つとやはり頼もしかった。
「ところでりんご先輩は?りんご先輩も入ってくれると助かるんですが…」
「アッポーなら多分まだ更衣室に居ると思う(@'ω'@)」
ルル達は女子更衣室にやって来た。
真白「ちょろ~んうわなにここくさくないブリブリブリ」
ルル「臭いですうう!殺人事件ですよ、これは」
タレ「“魔窟”やな\\\\ ꐕ ꐕ ꐕ //// ほらアッポーはあそこに」
ルル「あっりんごせんぱー・・・」
ルルはギクッとした。
そこではりんごが背の低い女子とキスしていた。
りんごはルルに直視されていることに気付くと、恥ずかしがる様子もなくこちらに向かって手を振った。
りんご「あっルル‼やほ‼」
ルル「どういうことですか、これは?」
りんご「僕ちん百、合だから百合彼女だよー。」
りんごの彼女だという少女はショートカットでめちゃくちゃ背が低く、りんごの顎くらいの高さしかなかった。
「アキです。ドヤッ☆←ドヤるな」
真白「可愛い(*≧з≦)」
koto「啼かせたい(??)」
ルル「ていうかりんご先輩の彼女はタレ先輩だと思ってました✨」
タレ「しばくぞ風邪薬。」
ルル、koto、真白、タレ、りんご、アキの6人は再び校庭に出たが、ルルの人望ではこれが限界だった。あと4人など到底集められそうにない。
しかも土台を組む上で重要になる体の大きい女子が欠損していた。
そこにさっきの禿げた教師が声をかけてきた。
「くらー!何をぼさぼさしている!決められないのならわしが選ぶ!そこの図体デカい女子4人!土台になってやれ!!」
そいつが指さしたのは、今は亡き美羽の取り巻きたちだった。
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675 :げらっち
2020/09/06(日) 00:37:07
ルルが頂上。
その下が小柄な真白とアキ。
その下がりんご、タレ、kotoの3人。
そして肝心要の土台が…
「は?何でうちらがルルに踏まれる役なわけー?おかしくね?」
「それなですwwwwwwwwwwww」
この2人は美羽と共にルルをトイレに監禁した女子たちだ。ルルはこの時のことを今でも忘れない。
他の2人も美羽とつるんでいた子だ。
「そうだ瑛那さん、こうしましょうよ🍀」
2人のうち口元にでかいホクロのある方が、リーダー格の瑛那に耳打ちした。不細工集団の中では比較的容姿が良いのでリーダーになれた瑛那だ。
「草wwwwwwwじゃあそれでいくよー、みんなおk?」
「「「おけまる。」」」
取り巻きたちは地面に手をついて土台のポーズを取った。皆小学生とは思えない発育の良い女子たちで土台にするには十分だ。
りんご「じゃあいってみよー‼」
取り巻きたちのでかい体の上にkoto、タレ、りんごの3人が乗った。
真白「次はうちらの番」
アキ「茜ちゃん、上失礼するのだ。」
ルル「茜ちゃんて誰です?」
タレ「アッポーの本名。」
ルル「し、知らなかった…」
真白とアキがよじ登ると、既にかなりの高さになっていた。
「じゃあ登るね!」
ルルは取り巻きとkotoの背中を踏み付けて上に登っていった。踏み付けるたびに「ごめんね」と言った。
そして真白とアキの背中の上に四つん這いで乗った。
バランスがいい場所を確認すると、立ち上がり手を広げる。
あれ、案外簡単じゃん……
その時。
「わあっ!」
突然足元がグラグラと揺れ出した。
りんご「な!」
土台の取り巻き4人がわざと体勢を崩し揺らしていたのだ。
タレ「ぴえーん!」
ルル「いいやー!!」
ピラミッドは倒壊し、ルルは後ろ向きに落ち空中に投げ出された。
ドサッ!
りんご「ルル‼」
ルル「大丈夫…ですぅ」
ルルは空中で後転し上手く着地していた。だがもしCGRで鍛えた身のこなしが無ければ首の骨を折っていただろう。
タレ「おいおまいら!今わざとやったやろ!」
「え?なんのことスかー?」
瑛那は歪んだ笑顔を作りゲス顔になった。
「初めてなんだから失敗は当たり前でしょ?土台が一番大変なんだよー。そうやってうちらばかりを責めるわけ?」
koto「お前らあんまりいい加減なこと言ってると縛って指詰めてお前らの親に義指送り付けるぞ?」
取り巻きたちはしんと大人しくなった。前kotoにトイレで凹されたことを思い出したようだ。
しかし本番でこれをやられたら…
ルルはゾッとした。
何としても成功させてなくては。何としても、成功させて…
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676 :げらっち
2020/09/06(日) 00:50:49
夕暮れの団地。
連日の練習でくたくたになったルルは、手提げをガサゴソと漁り鍵を取り出した。
そして団地の一室の扉を開けた。
「ただいまー…」
お酒の匂い。
お母さんは今日も部屋で酔いつぶれて寝ていた。
机の上にラップのかかったおかずが乗っていた。ルルはそれをレンジでチンし、炊飯器からご飯をよそって食べる。
しばらくするとお母さんはもぞもぞと動き、「るーちゃん?」と言った。
「ねえお母さん。明日運動会があるんだ。」
お母さんは突っ伏したまま返事をしなかった。
「それでね、私、代表選手に選ばれたんだ!ピラミッドの一番上なんだよ✨」
ルルは箸を止めて一生懸命に話す。だがお母さんは頑なに返事をしない。
「だからお願い、見に来てね… 最後の運動会くらい、私のこと、見に来てね……」
お母さんは寝てしまっていた。
富士山上空、夜空に浮かんでいるのはメンズスター日本支部のアジト“ゲラフィー”
サロンではゲラッチ、クロボー師、迅、ユメチビの4人がせわしなく動いていた。
クロボー師「ほんとにこんな作戦で上手くいくのか?」
ゲラッチ「チート級カリスマ部長である私に従えば外すわけがないだろう。それに。」
ゲラッチは眼鏡を押し上げて言った。
「私には後が無い。」
そしてゲラッチはゲラゲラと笑った。
ゲラッチ「この作戦ならば必ずやキャスストーンを回収することが出来るというわけだ!あはっはっは!」
迅「なんつーか、最終決戦ってやつ?であれば叔父貴!この僕が紅蓮の炎と共に応戦するゼェ!」
ゲラッチ「クロボー師、お前も来るか?」
クロボー師「もちろんだ。CGRのガキ共は俺も潰しに行きたいところだったぜ。援護は任せとけ!」
ユメチビ「では部長!ゲラフィーの留守番は私にお任せを…」
ゲラッチ「いや、お前も来るのだ。たまには留守番してないで外に出ないと影が薄くなるぞ。そんな本当の冗談はさておきゲラフィー“ごと”行くのだがな!」
ユメチビ「え…?」
富士山山頂にしがみついていた足が格納されると、ゲラフィーは円盤状になり、少しずつ夜空を滑り始めた。
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677 :げらっち
2020/09/06(日) 01:01:21
運動会当日!
すずしい朝だった。
真理類学園と兵派亜中等学校の全児童・全生徒が兵中の校庭にぎっしりと整列していた。
6年生は一番端っこの列。ルルは背の順で半分より少し前の方に居た。
真理類学園校長真理雄の長ーい話を聞き流しながら応援席の方をちらちらと見る。
お母さんの姿は…
すると手を振っている雪華の姿が目に入った。
ルルは咄嗟に手を上げそうになってしまったが、場をわきまえて控え目に手を振り返す。
応援席の一角にレジャーシートを敷いて雪華やキー達が応援に来ていた。潤はまだ赤ちゃんの雨を抱いていたし、雹も居た。それにHKK、ホリ太の姿まで。
これはとても嬉しかった。
雪華「ルルちゃんガンバレ!!」
HKK「ガンバれんこん~!負けるなめこ汁~!」
潤「タレやりんご、kotoもねー!(`・ω・´)」
HKK「そうですね笑みんながんばってほしいです笑笑」
キー「おにぎり作ってきました食べますか~?(❁´ω`❁)」
ホリ太「もらっとくぞ。もぐもぐ。」
HKK「おかかですか?おにぎりはやっぱり、うーめーぼーしー!」
雹「こいつうるさい。連れて来なけりゃよかったお。」
一方観客たちの中にはこんな人も紛れ込んでいた。
「フフフ…我は元・メンズスター怪人ハローデス!神々の本日はにっくき末恐ろしい女児どもがここに居ると聞きつけてやって来たぞお!決して応援しに来たわけではねぇ!いや何でもない、忘れてくれ…」
開会式が終わった。
「ほんまにこーちょーの話長すぎ\(^o^)/」
タレは放送委員会なので放送席に向かって走っていたが、途中で声をかけられた。
「お姉ちゃんガンバやで!」
「おっマッキー!ありがとうぱふぱふにゃーにゃー!」
応援席にはマッキーとタレの両親が来ていた。タレは家族に向かって大喜びで手を振っていた。
タレ「おい!お前んちのねーちゃんも来てるぞ」
りんご「えっまじ?」
りんごの姉、林かのこがタレ一家と一緒に座っていた。りんごと大違いのおしとやかな大人の女性だ。
かのこ「ぴよぴよ(・Θ・) 茜ちゃん、玲子SAN頑張ってくだサァイ!」
タレ「あざますぅ!」
りんご「おん!w」
素敵な家族のやり取り。
それを見てルルは胸が苦しくなった。
下級生の玉入れから中学男子のソーラン節まで、とにかくつまらない競技が続いた。
ルルは生徒の応援席に座っていた。横ではkotoがピンク色の水筒でお茶を飲んでいた。
ルルは組体操だけが心配だった。
いや正確には、組体操をお母さんが見に来てくれるか、それだけが心配だった。
今のところ観客席にお母さんの姿はない。
やっぱり……
アナウンスが入った。
「次の競技は、6年生と中学1年生合同による、組体操です!6年生は、年上の中学生に負けじと、一生懸命練習しました。中学生は、6年生の後輩たちに、優しく教えてあげました。皆さん、温かく見守ってください!それでは、準備してください!」
ルルは上履きと靴下を脱いで走り出した。
そして最初の位置につく。
まずはウェーブ。大勢の生徒による息の合った波の動きに、応援席から拍手が起こった。
次はサボテン、次は飛行機、次は2段タワー…
入念に練習したから、間違えるわけない。
そしてついに組体操の目玉であるピラミッドの番になった。
ルルはりんご達9人とともに位置につく。
…でも、
お母さんが来てくれないなら、やる意味なんて……
ルルはハッとした。
校庭の隅に、お母さんが立っていた。
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678 :げらっち
2020/09/06(日) 01:12:25
来てくれたんだ…!
飛び上がりたいほど嬉しかった。
だがそれと同時に、緊張感も高まってきた。
取り巻きたちがまたわざとバランスを崩すかもしれない。
お母さんの前で失敗だけはしたくない。
足が震えてきた。
目の前ではピラミッドの土台が着々と完成していた。
他のチームのピラミッドでは既に一番上の子が登り始めている。
ルルも土台に足をかけた。
「ルルちゃん、安心して乗って下さい!!」
「!」
土台はいつの間にか雪華・キー・潤・雹の4人にすり替わっていた。
キー「飛び入り参加です~」
潤「しっかり決めてよねwルル!」
ルル「ありがとう…っ!!」
緊張感が和らいだ。絶対に成功する。
ルルは一段一段、ピラミッドを登って行った。
そして頂上で足場を固定した。他のピラミッドも用意できたようだ。
今だ…!
ルルは立ち上がり、両腕をぴんと伸ばした。
他のチームより気持ち早めに立ってしまったが、成功だ。
どのチームよりもチームワークのある、美しいピラミッドが完成した。
お母さん、私を見て…!
しかし。
お母さんは私に目もくれず、上を見ていた。そして一目散に走り去って行った。
それだけでない、応援席に居た保護者や他学年の生徒たちが、一斉に校門の方に向かって走っていた。
わけがわからない。
ルルは自分の周りの映像がゆっくり流れているように感じられた。
そして恐る恐る上を見た。
「あ、あれは…!!」
兵中の上空に黒雲のように、巨大なオカリナ型の円盤が覆いかぶさっていた。
クロボー師の声が響き渡った。
「おはよう諸君!我々はメンズスター!突然だが君たちを誘拐するぞぅ。」
円盤から光が差し、他の女子チームのピラミッドを包み込んだ。するとその女子10人は円盤に吸い込まれた。
「ブッコワース!」
続いて円盤から光線が放たれ、校舎の一部を吹き飛ばした。瓦礫が校庭に飛散する。
生徒は組体操を中止し散り散りになって逃げだした。
「キャー!」
そこにいわゆるUFOのアブダクションのような光が降り注ぎ、生徒たちを次々に吸い込んでいった。
円盤ゲラフィーの“オートフォーカス”という機能である。
「もたもたするな、みんな逃げろ!猫野、何してる早くしろー!」
鬼道先生が負傷した生徒を庇いながら逃げていくのが見えた。
「や、やばいです!」
ルルはピラミッドからひらりと飛び降り着地した。真白たちも体勢を崩した。
真白「うわナニアレナニアレまずいんじゃない?」
りんご「雪華司令、どうすんのー‼」
雪華「そうですね…とにかく雹ちゃんと真白ちゃん、アキちゃんは逃げてください!!」
潤「雹、あんたが避難させて。大丈夫、雹ならできる!」
雹「まっかせといて(。•̀ᴗ-)✧」
雹は最年少ながら姉の血を引く冷静さで真白とアキを誘導した。
アキ「茜ちゃんはどうするのだ?」
りんご「俺は後から行くよ‼心配しないで逃げて‼」
りんごはアキに手を振った。
雪華「さあ変身しましょう!!」
タレ「えっでもこんな大勢いる所じゃ…(^o^)<正体バレちゃう」
雪華「大丈夫ですよ、こんな騒ぎの中じゃ誰も私たちなんて見ていませんから(笑)」
ハローデス「ま、まずい…俺に心があれば大笑いしているところだッ!ここ…即ち貴様等の墓場から逃げるしか…ただそれしかない、身体の震えが止まらねェ。ついに人類は滅ぶのか……!!というわけで我はここから逃げる。戦いを捨てるなよ、コミュニティワルキューレレンジュアー!!」
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679 :げらっち
2020/09/06(日) 01:43:21
ルルはショックを受けていた。
メンズスターが急襲したことに、ではない。
お母さんが一人娘である私を置いて1人で逃げてしまったことにだ。
薄々気付いてはいた。
お母さんは、私のことを愛していない。
わかってた、けど…
「ううっ…」
ルルは立ったままぼろぼろと涙を流した。
りんご「うわルル大丈夫⁉」
タレ「心配すんなメンズスターなんていちころやで!」
「違うの!」
ルルは真っ赤になってりんごとタレを睨みつけた。
「私は…お母さんに見てもらいたかっただけ…なのに…わああああ!!」
りんごとタレはわけがわからないという表情で顔を見合わせていた。恐らく私がパニックで泣きだしたと思ったのだろう。
でも雪華司令だけは、ぎゅっと私を抱きしめてくれた。
そして耳元でこう囁いた。
「安心していいですよ。私たちCGRの仲間がついてますから。そうだ、この戦いが終わったら私と一緒にキーちゃんの家で暮らしませんか?思い切って家出なんかしてみても、いいかもしれませんね(笑)」
「本当に…?」
ルルは信じられないという顔で雪華を見た。
雪華司令は、本当のお母さんのような人…
雪華は笑顔で言った。
「約束です(笑)」
ゲラフィーから光線が放たれた。光線はルル達の居る校庭のど真ん中に当たり大爆発を起こした。砂煙が舞い上がる。
クロボー師「やったか?」
ゲラッチ「うぉい!我々の目的は誘拐だ!子供たちを殺してしまっては意味がないのだぞ。本当に何度も言わせるな!」
クロボー師「うるせー、ついでにCGRもぶっ潰せれば一石二鳥だろーが、ん?」
砂煙の中から声が響き渡った。上空のゲラフィー操縦席に居ても聞き取れるほどの大きな声だ。
「コミュニティアプリ起動!」
「炎の勇者!ガールズレッド!」
「電気の使者!ガールズイエロー!」
「草の猛者!ガールズグリーン!」
「水の覇者!ガールズブルー!」
「風の賢者!ガールズピンク!」
「病み上がりの武者!ガールズバイオレット!」
「雪と大地の長者!ガールズホワイト!」
「コミュニティガールズレンジャー!!!!!!!」
ルル「やっと7人そろっての名乗りですぅ!かっこいい!」
クロボー師「しぶとい奴らだぜ…行くぞ迅!JS狩りだぁ」
迅「あいよォ!」
オートフォーカスによりクロボー師と迅が放たれた。2人は瓦礫の散乱する校庭に降り立った。
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680 :げらっち
2020/09/06(日) 01:45:56
「あ、クロボー師さんだ。中学生のころ単身機動隊8人ぶっこわしたやつ。本当はメンズスター以外引き取り手がなかったんだよな(小声)」
「えー何で知ってるのォ?」
クロボー師はkotoに意表をつかれ出ばなをくじかれた様子だった。
迅がクロボー師の背中をぐいと押す。
「何やってんすか、あの程度でビビるなんて肝っ玉小さいッすね。あんなガキ共ォォォォオ!!さっさと倒して引き上げますよ。ダンッ!今夜は鯛茶漬けェェェェエ!!!」
「あいつはメンズスター一のメンヘラDQN迅ちゃん。いや、僕に言われたくないだろうけど。一般怪人からの成り上がり。何であんなのが幹部になれたのかわかんない(ひそひそ)」
「んだとゴルァ」
迅は体中を真っ赤にしてイキった。
すかさずクロボー師が野次る。
クロボー師「あれ~?あんたの方が雑魚丸出しなんじゃないの~?^^」
迅「オイオイ何言っちゃってんだァ?俺様は冷静そのものだぜ?」
クロボー師「話にならん。顔も体も真っ赤だゾ。少し頭を冷やそうか」
クロボー師は小型の黒い拳銃を取り出した。
迅「はいはいすいませんでした。だがてめぇの物言いも前から気に入らねえんだよ!ここでケリを付けようと思うんですわ」
迅も2本の大きな三日月刀を両腕に構える。
クロボー師「望むところだ。」
迅「喰らえエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!」
2人は一斉に喰らい付いた。
ルル「今です!」
「コミュニティエレメントレーザー!!」
7つのエレメントが一つになった光線が放たれた。
クロボー師「えー!」
迅「ぴゃあああああ!!」
大★爆★発
一方こちらゲラフィー内部では、オートフォーカスにより連れ去られた小中学生たちが集められオロオロとしていた。
そこに居たのは女子ばかりだ。
ゲラッチが現れた。
「私はメンズスター日本支部部長、ゲラッチ。以後よろしく。」
女子たちはキョトンとしていた。
そこにユメチビが駆け付けた。
「部長!クロさんたちがやられちゃったみたいだよ!どうする?」
「…全く仕方のない奴らだ!私が直々に出向くとしよう。ユメチビ、ここを頼むぞ。」
ルル「ゲラッチは何故女の子ばかりをさらったんでしょうか…?」
キー「それはきっと、学園の女子のうちの誰かがキャスストーンだと踏んだからでしょう。キャスストーンは男の子には化けませんからね:(´◦ω◦`):」
雪華「…じきゲラッチがここに来るでしょう。私たちは出迎えます。キーちゃんは、CGRロボで、あの円盤を迎撃してください。」
キー「了解です( •̀ω•́ )✧3人いれば飛ばせますぅぅ!」
りんご「じゃあ俺が行くよ‼」
タレ「うちも!」
キー・りんご・タレの3人は走り去って行った。
雪華「潤ちゃんは校舎の火災を消して、逃げ遅れた人が居ないか確認してください。」
潤「了解!(`・ω・´)」
潤もその場を去る。
残っているのはルル・koto・雪華の3人だけになった。
すると空の向こうからCGRロボが飛来した。乗っているのはもちろんキー達だ。
両腕の翼と、尻尾部分のプロペラで飛んでいる。プロペラは水雷のスクリューに当たる部分だ。
ゲラフィーから光線が放たれる。CGRロボはそれを華麗にかわすと、ゲラフィーの側面にキックをかました。
またキーが全身全霊でペダルを漕いでるのかな、と思うとルルはくすっと笑ってしまった。
しかしゲラフィーも負けてはいない。四方八方に光線を放つ。
CGRロボは被弾、校庭でも爆発が起きた。
ルル「やばいですぅ!」
雪華「…ここはキーちゃんたちを信じて。それよりも、目の前の敵に集中するのです。」
弾幕の中、1人の男が現れた。
「久しぶり。」
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681 :げらっち
2020/09/06(日) 01:51:07
メンズスター日本支部部長、ゲラッチ。
対面したのはCGRに入ったあの日以来だ。
何度見ても奇抜な格好だ。色とりどりでちぐはぐな服装、輪郭からはみ出すほどデカい眼鏡をかけている。
そして何よりも、凄まじいオーラを放っている。近寄ったら悲鳴を上げてしまうほどの。
ゲラッチの口から信じられない言葉が出た。
「久しぶりだね、妹よ。」
「え。」
ルルは自分の脳からサーっと血の気が引いていくのがわかった。
koto「お兄ちゃん!」
ルルは吐き気を通り越して何故か笑いそうになってしまった。
kotoがゲラッチの妹…?
そう言われてみると確かに、どっちも眼鏡をかけてるし、眼鏡の中のキッとした目もよく似ていた。
ルル「で、でも。何で…?」
雪華「はい。あの2人は実の兄妹ですよ。」
ルル「え!知ってたんすか((( ;゚Д゚)))」
兄妹は互いに殺気を撒き散らしながら対峙していた。
「おにーちゃん。今日こそ決着wktk」
「変わらん奴だwだがお前には私を止められぬ。koto、お前のことは、全てお見通しだ…」
「光栄です♡」
kotoは思い切り右腕を振りかぶると、ゲラッチの心臓めがけてナイフを投げた。
しかしゲラッチはそれを親指と人差し指でつまんで止めた。ピッと投げ返すもkotoの姿が無い。後ろを見るとkotoが日本刀を持って立っていた。
ゲラッチの首が宙を飛んだ。
kotoの日本刀は血塗られていた。
「ふふんっ、僕の勝ちですね?」
「まさか。」
おぞましい光景だった。
頭が回転しながら元あったところ…胴体に帰ってきた。
ゲラッチは何事も無かったように首をゴキゴキと動かすと、ゲラゲラ笑った。
「もう私はお前の兄ではないと思え。リッチヅノー様に不死身の体を授かったダークゲラッチ様だ!まったくもって、チート級…」
ゲラッチは服装に負けぬカラフルな銃を取り出した。まるでオモチャの銃だ。
「チート級スパイラルレーザー!!!」
雪華「危ないっ!」
螺旋状の光線がkotoの体を吹き飛ばした。kotoのスーツは消し飛び、ぼろぼろになって地面に落ちた。
ルル「kotoちゃん!」
koto「にゃ…負けちゃいました…先輩……」
kotoは儚く笑った。
ゲラッチ「次はお前の番だ、ルル!」
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