日記一覧
┗206.二人静の断片
▼|
前|次|
1-|
新|
検|
書
1 :
燭/台/切/光/忠
06/28(日) 15:14
僕は最近、真面目で綺麗な一振りの刀と知り合った。
彼との仲を深めていく過程を記してみたい。まず仲良く、なれるのかも分からないけれど。
ひっそり独り言が綴られていくよ。雅さも面白味も薄い。わかりやすく、が信条。
>>2注意書き
>>11と>>22と>>38と>>70と>>93本棚
僕らの出会いは春の盛り
出逢ってから百七十日目…
→大事な恋人になった。
二月の十四日
→未熟ながら夫婦になった。一層、大事するね。
二月の二十八日
→褪せない誓いを胸に。生涯を捧げよう。
[
削除][
編集]
238 :
燭/台/切/光/忠
11/20(月) 15:20
独白
厨からは、今日も賑やかな声と良い匂いがする。
料理を覚えてくれる子が増えて、いつからか当番制でも上手く回るようになったんだ。
僕は長い間、当番でなくても何かと出入りしては、レシピを研究したり…日に一度は必ず、厨へ出向いていたっけ。自分が作ったものを誰かに食べてもらえるのは楽しいよね。
手伝うのも楽しい。そう、それに歌/仙くんが当番の日はとりわけ、見ているだけで心が華やぐような美しい料理ばかりで勉強になるんだ。
初期から居る刀たちが作る食事には、すごく個性があってね。それぞれ不慣れな頃は人数分の料理、大変だったと思う。皆の心身の健康を守るために頑張って得意料理を増やしていったんだろう。
今ではどの背中も見ていて頼もしいよ。料理が苦手な子も居るけど協力してこなすから大丈夫、皆でやれば作業も捗る。皆なんと言っても真面目だし美味しいご飯が好きだよね。
僕が立たなくても十分回るんだ、今は。
今日のお八つ当番は誰だったかな。
そういえば、あのお菓子を本で見たのは十五夜の頃。秋らしい焼き芋のクリームブリュレを作りたくてね。今は落ち葉には事欠かないけど、この寒さはそろそろ冬と言えそうだ。景趣が変わって、雪が積もればもう、庭で焼き芋は出来ない。寝て起きればきっと、あっという間に冬になる。
…お茶が美味しい季節だ。芳ばしい湯気、湯呑みを持つ手のひらの熱、やわらかい甘さと渋み。いつもすぐ傍にあって大切だと思う、当たり前の存在。美味しいか、そうでもないか、あるいは渇きだけ潤せればどうでもいい、か。
ゆっくりと腰を落ち着けて心を傾ければ、濃さの違いなんかで煎れた人の癖までも分かるのに。
僕は…この両手をどんな風に使おう。
刀が錆び付かなければそれで…
いや。それじゃ駄目だと僕は知ってる。忘れるわけがないんだ、僕が此所に存在している理由。
[
削除][
編集]
236 :
燭/台/切/光/忠
03/23(木) 00:38
独白
オレンジの花のお茶に、柿の蜂蜜を溶かして飲んでみたら、すごく美味しかった。
あの清涼感は、桃の切り口についた水滴に似ている気がする。果実そのものや果汁の味ではなくて「水」の味が、甘いんだよね。
いわゆる蜜の甘さでもないし、柑橘の甘さでもなかったんだ。…あれは不思議な飲み物だよ。
******
……、
冴えた感覚の戦場、肉の器が昂る。
血が熱くて冷たい。勝手に息が乱れて、何かに触れたくて堪らなくなる。
いつ…触れられるんだろうな。
狂ったように口に吸いつきたい。両手を深く繋いだまま、滲んだ血が甘く感じるあの感覚を…
[
削除][
編集]
235 :
燭/台/切/光/忠
03/22(水) 05:48
独白
結局…寝そびれてしまった。
でもこうして、眠れない夜に日記を開くのは随分と久しぶりに感じる。以前はよく、こうしていたっけ。彼が眠った後にゆっくりと彼のことを考えるんだ。良い時間だよ。
口から出た言葉には、善かれ悪しかれ力が宿る。
そこに視線や声色といった要素が足されて、相手の気持ちを汲み取る判断材料が沢山あって…。
それに比べると、書かれた言葉は、伝わる力が弱いようにも思える。真剣であればあるほど確かに文字じゃ足りないのも頷ける話。
ただ、場合によっては文字って、口から出すよりもずっと多くを込められる手段でもあるよね。書くにも読むにも思考回路を通るあいだで少しの余白が生まれるからさ。
それに、何度も読むとその度に新しい気付きが生まれたり、気分によって言葉の意趣ががらりと変わったりする。形に残ることはつまり可能性で。過去や今が分かりやすく未来になるわけだ。
彼は「形に残る手紙が心底嬉しい」と言った。
いや、口に出して言ったんじゃなく、それも僕への手紙に書かれていた言葉のひとつだ。…この短い一文をとってみても、ゆっくりと目を通して丁寧に噛み砕く度に、感想が変わっていく気がする。どんな思いでそう言ったんだろう?僕はいくらでも幅広く想像する事が許されるし、急いで一つの結論を出さなくても許される。
考えて、考えて、そうして書かれた手紙は…口から出た言葉よりも弱いって事はないように思う。
…僕は一度、彼から貰った手紙を全て失くしてしまった。手紙も何もかも。
手元に残せたのはこの日記だけだね。
そんな風に「簡単に消えてしまうもの」と考えたら、確かに手紙なんてあっけないものだ。大切にしていたつもりだったのに、…そう考えた所で、じゃあ簡単に消えないものって何だろう?
記憶以外は全て、簡単に消えてしまう。
深く記憶に残すためには?
後から一人で何度も読み返して、何度もその意味を考えて、実際に見るよりもきっと鮮明に頭の中で思い浮かべられた景色、目を逸らさず向き合ったから焼き付いたのは。…文字だ。
そういえば印象深い言葉があると、忘れたくないとか身を引き締めたいって理由で、自分の為に文字におこす時もあるよね。
直接口で言われて後々まで深く記憶に残る言葉は、確かに恐ろしく大きな力があるけど、ちょっと強すぎることが多い。
手紙は…そうだな、自分に都合良くと言えばそれまでだけど、もっと自分で次を選び取ることが出来るというか。どんな風に記憶に残すか考える時間があるし、いつの間にかすっかり覚えてしまっていたりしてね?
後から無かった事にできない怖さと安心感。
言葉は生き物だろう。
手紙、も…生きている?
ふとそんな気がした。僕の手から生まれた文字は全て僕の分身だ。彼から生まれた手紙の体温を、ちゃんと感じ取ってあげたい。
[
削除][
編集]
▲|
前|次|
1-|
新|
検|
書
[
戻る][
設定][
Admin]
2 :
燭/台/切/光/忠
06/28(日) 15:16
注意書き
■暈し有り
■カタカナは稀に
■腐要素注意
■交流乱入バトン等々、有り難く御相手させて貰うよ
■反応は206、一人静、二人静
>数ヶ月後に書き足された濃色の墨
心を動かされる、彼は僕にとって特別で唯一の刀になった。
思いを伝えて変わるもの、変わらないもの、纏めて大事に、これからも彼と向き合っていきたい。此処にその断片を記す。
11 :
燭/台/切/光/忠
06/28(日) 22:40
□□□□□□□□□□□□□□□
僕が頻繁に開かせていただいてる色とりどりの書物を並べた、飾り気のない本棚。
>>>15 花を添えたら
>>>30 拝啓。
>>>34 未明。
>>>56 対極の華
>>>89 モトカレはせべ
>>>99【きみをまもらん】
(物語の終幕)
<<<46 雨に濡れても
<<<84 平々譚々
<<<85 よ し ゆ き
<<<90 いとをかしき現世の、
<<<102 アイオライト
<<<107 処女懐胎、
<<<158 SCHNEEWITTCHEN
<<<177 たらふくたべて
<<<189 ヰタ・セクスアリス
<<<203 愛色くりすたるぼんぼん
<<<215 蝶染まる王莽。
<<<224 藤に焦がれる向日葵。
<<<236 ツマクレナイ
<<<261 左隣に一人分。
<<<333 恋水
<<<344 氷柱糖
<<<420 たのしく活きる。
<<<611 恋と愛のずんだ餅
記憶に残る時間だったよね、
…お疲れ様でした。
※貼り返し任意※
※随時更新※
好きな日記を並べて眺めて嬉しくなりたい、僕の自己満足な棚。
楽しいひと時をありがとう。
□□□□□□□□□□□□□□□