■困った本丸 僕「ああ、びっくりした。はあ、ちょっと聞いて下さいよ。とても嫌な物を見たんです。」 歌「君はよくそう言うけれど、本当に嫌な物だった試しがないじゃないか。」 僕「そんな事ないです。」 歌「いや、あるね。蛙を見ても嫌な物、油虫を見ても嫌な物。雅じゃないが嫌って程でもないよ。」 僕「虫や爬虫類は確かに嫌いですが、今回はそういう物じゃないんです。全然違うんですよ。」 歌「…随分と話したいみたいだね。しょうがないな。聞き流してあげるから話してごらん。僕も忙しいからね。短く頼むよ。」 僕「誰の物かは分からないんですが…燭台切が褌の匂いを嗅ぎながら『はーッ!最高!はーッ!』と言っていました。」 歌「詳しく聞かせて貰おうか。」 |
■歴代の主の上をいってます、僕が。 長「貴様は馬当番をやらせてもサボる。」 僕「はあ。」 長「畑当番をさせても陽に焼けるのが嫌だと言って妙な帽子を被り逃げる。」 僕「女優帽ですけど。」 長「五月蠅い。そして手合せをするといつの間にか談笑している始末だ。」 僕「戦場以外で刀を振るのは無駄じゃないですか。」 長「炊事当番を任せても何かを作る前に逃げ出す始末。」 僕「火は苦手なので。」 長「貴様は戦以外、何も出来ない役立たずの刀だな。」 僕「そんな事ないです。」 長「ほう?何か出来るというのか?言ってみろ。」 僕「パラパラ踊れます。」 長「パラパラ。」 僕「D/a/i/s/u/k/eのパラパラ踊れます。」 長「D/a/i/s/u/k/eのパラパラ。」 |
■籠の鳥ごっこをする軍鶏ですが 僕「いいんですか?かごの鳥を表に出して…冗談ですよ。」 加「淫乱クソビッチー!万屋で新しい爪紅出たって!見に行くでしょ?」 僕「あ、はい。」 僕「僕を侍らせて、それでどうするんでしょう?」 石「主が今月分の資材の増減をエクセルで表にして欲しいみたいだよ。」 僕「あ、はい。」 僕「どんなになっても、焼き直して手元に置くんでしょう?」 安「淫乱クソビッチー。日焼けしたくないからって手止めないでよ。」 僕「あ、はい。」 僕「訓練相手に見せびらかそうっていうんですか?」 青「ふふ。じゃあおめかしをしないとね。現世まで買い物に行こうか。秋冬の新作が出ている筈だからね。…洋服のだよ?」 僕「あ、はい。」 僕「手に入れるだけで満足して、使いもしない…いつも通りですよ。」 蛍「おーい!最高練度ー!!!」 僕「あ、はい。」 |
■ 行き倒れたとて 寄る背など無し 歩む他に行く道は無し 立ち止まれば折れゆくのみと 折れ朽ちたとて彼岸で迎える影も無く 空の箪笥 空の行李 杖の如き矜持 褥を襲う残骸に棘はあれど他は無し 落ちぶれた風な うら淋しい厭世 現実の境目を辿るも 妄想と疑えと頬を打つ 妄想 煙管燻らせるも咎める声無し とうとうと思えど 曇り刃はひび割れる気配すら無し 肝心なものは 油、煙草、水のみと記す |
■初期刀と僕 加「そろそろ出陣するよ、淫乱クソビッチー。」 僕「はい。すぐに行きます。」 倶「!? 何故あんな風に呼ばれる事を許しているんだ。」 僕「さあ…あだ名の様なものだからでしょうか。加/州とは付き合いも長いですし。」 倶「それにしてもあのあだ名は無いだろう…アンタは一途じゃないか。」 僕「僕も加/州の事をメンヘラ阿婆擦れ肉便器と呼んでいるのでおあいこですよ。」 倶「待て。」 |