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山_姥_切_国_広
09/21(月) 03:58
俺たちについて
写しの俺が何を綴るか気になるなんて、物好きしかいないだろうがな。代筆を引き受けた手前、必要なことは伝えておく。
分かったと思うが俺はこの帳面の持ち主の代理だ。他の刀も俺が忙しいときに顔を出すことがあるだろう。その中に持ち主がいるかもしれないが、俺には関係のない話だ。
綴る内容には様々な視点、世界軸が存在する。持ち主は俺たちの主に指示されて動いているからな、主の感情そのままが反映されることも大いにあるはずだ。それが苦手なら見ない方が身の為だろう。
本来なら俺たちはここにはいられない存在だ。だから起きたことをそのまま記すわけにはいかない。虚言や妄想と現実を混ぜるから、矛盾が生じるとしたらそのせいだ。
それから、俺たちは身も心もただ一口のもの……だと思ってる。おこがましいのはわかっているが、事実そうとしか言いようがない。写しなど横に並び立つのも許されないような名刀のあいつに実際どう思われているかは知らないが。……だが、極力周囲との交流は避けてあいつと俺だけの変わらない世界に居続けたい。
もちろん指摘や注意は歓迎する。その場合は遠慮せず言ってくれ。
万が一これがあんたの目に留まり、心当たりがあるとして。
不快ならすぐやめる。耐えることはしないでくれ。極力配慮したつもりだが、償いはいくらでもする、という伝言だ。
以上だ。所詮は写しの俺の口から語れることなどこの程度。疑問があるなら他の刀を呼んで聞いてくれ。