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春眠
┗404,409-411,439
404 :
幸村精市
2009/03/03 02:14
鮮明に蘇る或の日の出来事。部員達の声音が遠退いて行く感覚、意識が朧気に成る中で何処かに隔離される感覚。頬に触れる地面の冷たさが異様に恐怖を煽った時分。
其の当時、入院先に御見舞いに来た一人の少女が居て、個室に一人では静寂だろうと一匹のヒヨコのキーチェーンを見舞いの品として贈って呉れた。某有名キャラクターで、其の風貌に癒され手触りも丸で毛並みの良い毛布の様に良い。然う、無駄な音の途絶えた宵闇の病室、其処で孤独に生きる俺に与えて呉れた一筋の光が其のヒヨコだった。手術から眸を覚ました時、枕元に置いて有ったヒヨコに微笑み掛けて仕舞う程。
今は、自室に飾って有るだけの小さな人形。唯、苦難を乗り越えた仲間として少しは外気に触れさせて遣りたい。明日、携帯電話に其のキーチェーン人形を付けて行ったら皆驚愕するのだろうな。嗚呼、其れも一興か。
何時か、亦、運命が重なり合う時は俺からもヒヨコをプレゼントさせて欲しい何て下らない想いを抱えながら。
人は、四六時中涙を流すと何時涸れて仕舞うのだろう。四日では流し切れない、俺が馬鹿なら本当に君は阿呆だよ。
# 空/の涙を貰/って、太/陽の笑/顔包まれて
# だから何/時も笑/顔で居られる Fl/ower smi/le for/ever
# 花は何/時でも輝い/て 咲/き溢/れてる
# 君の光が有/れば強/くなれる そう 強/くなれる
(太陽と、花、キミと、ボク。)
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409 :
幸村精市
2009/03/06 08:25
花の様な顔容、小鳥が囀る様な声音。
唯至近から其の淑やかな御姿を眸に留めて於きたくて。手遅れそして後悔先に立たず、加護を失った御仁は次第に朽ちて行く結末。
喩え今更だと指摘を受け様とも、意図込めて大切に感ずる心持ちに相違は無いから。
如何か微笑って、未だ桜に手が届かぬ共其の風花に触れる様に優しく。
御前には花が似合うよ。
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410 :
幸村精市
2009/03/07 18:02
幾数存在する花々で君は何が好き?
季節は春、桜花や紅梅も良い。健気に咲く蒲公英も耽美に広がる薔薇も良い。
其れでも片隅で佇む菫に魅力を感じぬ筈が無く、何時の日からか菫花に眸を奪われる様に成った。
強く生きる菫が、余りに美し過ぎて眩しくて。
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411 :
幸村精市
2009/03/26 09:38
舞い散る桜花の花弁を掌で捕まえ其処に薄墨で文字を綴る。
一枚一枚に数字を書き記しては菫色の封筒に忍ばせ、そっと封を閉じた。
9 40 20 33 29 1 5 44 9 47
36 10 5 34
36 37 1 8 37 20 2
花の様に気高く愁眉麗しい。其処に隠れた弱ささえ。
如何か、此の手で手折る事無く咲き誇る様に。
君の笑顔を失った時は、俺の最期だから。
余りに似通った嘆きに、心が痛む程。ねェ、俺はね。
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439 :
幸村精市
2009/05/10 01:09
散り散りの花弁を地から掬って、
( 薄汚れた其れを抱き締めた。 )
此の手にはカーネーションの花束と、小包の入った手提げ袋。
今日は一段と花屋が混んで居て、中を覗くと既に花束と成って売っている物やオーナメントとして作られた物が並べられていた。人混み、擦れ違うのがやっとの中店内を回りながら如何しても気に入る物が見付から無くて、母さんが歓びそうな物は沢山有るのに何故か腑に落ちなかった。
俺は一度其の店から出て、少し歩いた先に有る異なる店へと足を運び、其の理由が一瞬にて理解した。然う、既に作られた花束拠り俺は如何も頑固な様で一輪ずつ自分で花をセレクトしたかった、と云う訳だ。様々な花の中からピンク・赤・白のカーネーション、白はスプレー。そしてカスミソウが好きな母さんの為に毎年選んで居るけれど、今回は取り扱って居ないらしく代用品として愛らしい白色の小花をチョイス。ラッピングを施して貰い、随分めかし込んだ花束と小さなプレゼントを両手に帰宅。
硝子の花瓶にラッピングの儘挿して、プレゼントと共にメッセージカードを添えて。カードには「何時も有り難う」、面と向かっては中々と言えない言葉を綴って。喜んで、貰えたら良い。
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