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┗Lily.(72-81/140)
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81 :
日吉若
2008/12/02 00:07
硝子のヒール脱ぎ捨て真紅のブーツに履き替え、
純白のコルセット代わりに白銀の弾丸ベルトを幾重にも腰に絡ませて。
さあさあ、如何ぞ皆様御覧じろ。
>>此の世の全ての姫君達よ、立ち上がれ。
----
昔馴染みの知り合いとは何とも厄介な物で、幼少の頃の呼び名を其の儘引き摺るものだから、堪らない。
# ヒヨくん、
> …日吉、だ。
何処ぞのヤンチャな先輩方を相手にしているように、生真面目さを象った声で訂正をしていたら良いだけなのに。
なのに、永く久方振りに会った彼女は小さい頃の面影を残した儘見知らぬ女性のように微笑うから、ほんの少しだけ戸惑った。
同じ遣り取りを何度繰り返して来ただろう。
其の日も相も変わらずの状態で、だけれど彼女は唐突に話を切り出した。
…数ヶ月前、St.valentineに、恋の終わりが訪れたという。
後は唯ぽつりぽつりと、彼の少し長めの髪が風に戦ぐのが綺麗だったとか、制服にアイロンまで掛けて青い包装に白いリボンを掛けたチョコレートを用意したのに彼は受け取ってくれなかったのだとか、剰え最後に感謝の言葉と一緒に差し出された掌が日々の練習で擦り切れているのを見て惚れ直しただとか云うことまで話していた。
最中、俺はひたすらに頷くばかりで、時々一言相槌を打つ程度。
合間、合間に確かめるように疑問符を付けて愛称で呼ぶ物だから都度、訂正を入れてから受け答える。
出会いから終わりまで、一通り話し終わった後で何故自分に其処迄話すのかと問うてみたら、
小さな頃からの見慣れた表情で 笑って
# だって、ヒヨくんは私の初めて失恋した人だもの。
身に覚えの無い理由を手に、人を失恋置き場にした彼女は去り際に数歩歩んで振り向いた。
# バイバイ、日吉君。
まるで知らない女性のように、
大人びた表情で微笑いながら、
卒業を告げる挨拶。
遠ざかる背に、数年振りに昔の名で呼び掛けてみても。
彼女はもう、振り返らなかった。
【嗅ぎ馴れぬ化粧の粉っぽい香りは、何時から君を包み込んでいたんだろう。】
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80 :
日吉若
2008/11/20 02:12
世界の果てには海が何処迄も散り行く崖が在る。
其処から海水が墜ち、真空に散らばりて星に成り。
地球は丸いけれど、世界は何処迄も平らで唐突に途切れている。
其処に住まうは報われぬ恋をしても泡に為れぬ人魚姫達。
…――人魚姫、゙達゙?
----
此の数ヶ月で、何故だか多くの賑わいや変動が有って、結局は何も無くなった(と、思っている)。
俺ときたら今までと同じく空を眺めて過ごして居ただけだと云うのに、矢張り知らない処で地球は廻っているらしいと思い知らされる羽目に。叱られたり、諭されたり、思い出話を有難うと改めて振られてみたり、叱られ序でに逆切れされたりと様々だ。否、叱られてばかりでした。認めます。でもあれは逆切れだったと云う点も譲る気が有りません、更に言えば議論を重ねる気も無いので恐らく裂けた水路はもう出逢うこともないのでしょう。此の結論は何人かの方に有効で、つまりは答えは一つしかないのだと漸く気付くことが出来ました。
俺の生き方は未完成のパズルみたいなもので、「ピースの一つが此の形なのは隣のピースがこういう形だからだ」だと云う科白に尽きる。唯其れを理解されないのは、相手が全体像を観れないからなのだと思う。其れを一から説明するのは一晩なんかじゃ足りないし、差異無く伝えるためには一文を二十分程掛けて言葉を練らなきゃいけない気がする。気がする、なのは試したことがないからで大抵は黙して誤解される手段を取るからで。
言葉にすることが苦手です。伝えたいことを音にして、耳に反響した声色と違う音調で伝わってしまうなんて不実だとすら思います。そして誤解されることに恐怖しない為に、事態は悪化します。
自分みたいな人間が存在していると云うのを前提として、落涙していないからといって泣いていないと云う考え方は俺には在りません。泣いたから正しいだとか、傷付いただとかは今時子供の喧嘩ですら流行りません。
だけど、自分の願いよりも先に人の幸せを願う人達が居ることも知っています。
そんな人達の邪魔にならないように、普段は気にも留めないのにお腹が痛い時にだけ恨みたくなる神さまみたいな存在になりたいんです。
都合の良い存在しない人間で良いんです。
…今はね。
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泡に為れないのなら、
赤い糸で如何ぞ釣り上げて。
終わりのないネ*バーランドは退屈なのと、何度言えば解って下さるの。
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79 :
日吉若
2008/11/09 08:00
Q:身体が小さい生き物は、其れだけ痛む心の面積も少なくて済むのですか?
考えなくてはいけない事象と、
考えても無意味な思考に頭がパンク寸前。
唯一分かるのは、疼く肢体。
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常日頃から何かしらの情景に捕らわれている生き物ですけどね、俺は。…近頃は娼婦に堕ちる夢ばかり。唯一を振り払いたいが為に此れが最後だと言い訳をして惹かれた小鳥に手を出した、罰だと言われてしまえば其れまでなのですけれど。言い訳を言い訳の儘にしておくことが出来なかったものだから、矢鱈に苦労させられていますよ。ええ、勿論最後だと決めたのも俺自身です。後悔はしていません。
本当言うとね、俺の信念は何時でもたった一つなんです。其れだけは譲れないし、其れに関わらぬことは如何でも良い。だからチグハグだし、我儘が過ぎていることも知っています。其の信念が世界を変えるのかと訊かれたならば否としか言えません。けれど、…けれど可笑しいでしょう。たった一人の為に痛める同じ処で誰かを恋しがるなんて。矛盾、しているでしょう。
俺は其の矛盾が許せなかった。
何時かやっぱり言い訳に戻してしまう日が来るのかもしれません。扉の向こう側で震える気配に背を向けて走り出し、花咲く庭園の真ん中で耳を塞いで蹲ったあの夜と同じことが在るのかもしれない。不器用、口下手?上等です、掛かってきなさい。狡い男と罵るが良い。
掌に刺さった儘の棘を目指して抉るのは
痛みが在る限り忘れずに済むからだ。
皮膚の中で守っていると云う現実を見ない、…見てはいけない。
俺は詭弁に生きるしかないのでしょう。
其の中で証明が出来るなら、…――何時か。
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【A:心に触れる面積が在る限り、何処迄も。世界に溢れる優しさと同等に。】
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78 :
日吉若
2008/10/24 02:09
>>其れは、如何云う意味?
と、往々にして問われることが多い。大抵は俺が慾動的な衝動に陥って吐き出した言葉に対しての場合が八割で(後の二割はオネムな時だ、大抵。)、原因は壱から話さなければいけないところを唐突に六つめから声にしているからだと思う。会話が下手なんだ。そして結局碌でもない話に退行してしまうのに、問うて来る人は何れも其れすらも理解しようとする。
ナニーと二人きりで過ごした時間の内に、背だって伸びたしキスの理由だって覚えた。手が届く範囲が高くなった分はきっとあの人で出来ている。
二人分を理解しなければならないのだから、難しいのは当然だ、なんて言い訳は狡いかな。
チュクチュク、しちゃうよ。
(俺のことは良い。だけど、此の破片は誰にも見せてやるもんか。)
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77 :
日吉若
2008/10/24 01:07
真白い陶器の兎を追い掛け続けて走る、其の先に逢わなくちゃいけない人が居るような気がして必死で、必死で。
そんな時にも交差点に蔓延るボーダーラインの白い部分だけを飛び移るのは忘れない。
飛んで、跳ねて、見せるから…どうか置いて往かないで。
ラインにばかり気を取られて信号を渡り切れない。人混みの彼方側で振り向いて笑う兎の代わりにテニスボールを叩き潰して、現実の世界を生きるんだ。
壊してしまったらもう帰らない、帰れない。
本当は、誰もが其の意味を知っている。
…お帰りと言われたら、居場所を見付けた心地で安心出来るでしょう。
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76 :
日吉若
2008/10/23 00:34
後何回眠ったら、寂しがらずに眠れる夜が来るの。
傷の付いたCDみたく、壱番聴きたいフレーズに雑音が混じって聴こえない。
…確かに其処に録音されては、いるのに。
お早う依りも聴きたい言葉が在る、──其の時の貴方は如何な表情をしていたか、もう思い出せ無い。
寂しくて眠れない夜は、何を数えて眠れば良いの。
ねぇ、御願いだから嫌いだって此の心臓にトドメを刺しに来て。
其の日ばかり、夢観てる。
(俺のタンポポに為るって、言ったじゃない。)
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75 :
日吉若
2008/10/22 02:16
好きになったら何処までも好きの儘、何時までも孵卵せぬ殻の中で、思考する。
フランボワーズの果実の一つ一つを潰して弾ける甘味みたく、想いが弾けて紅色に熟したら溶けて瓶詰めのジャムになりたい。
透明な容器に詰めた想いの名は、
薔薇科白百合属なんて、如何でしょう。
(だけど唇を彩るならチェリーの毒色さが欲しいんだ)
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蝶のようにも見える浴衣の裾を広げて冬の気配を孕む風を生む空を仰ぐ。此の時期の風は酷く優しく、桜の花弁と鳴らせた三拍子の舞曲の戻らぬ季節を乞うかの如くにじゃれて来る。肌寒い季節は人が恋しくなるの、なんて涙の煌めく少女ではないけれど、近頃は酷く膝の上と掌が寂しい。一寸前までは背後から唇を塞がれる情景に焦がれていた癖に、今では膝の上に寝転ぶ髪を撫でたいだなんて滑稽だけども。けれど人の温もり依りも人肌を模した夜風の魅力がもう、…堪らなく。
少し前の自分なら"頂戴"をされたなら二つしかない眸子以外なら在り大抵の物をあげてしまったのだと思う。元々世界に興味が希薄で、脈打つ鼓動のない物ばかりに片想いをしていたものだから自分にすら興味が向かずに、俺が持っているもので誰かが満たされるなんて素敵じゃないかなんて思って(やっぱり独りで、)満足出来ていた気がする。
そんなことを数回、繰り返していたら俺のコンストラクションは随分と奇形な上に色が惚けてしまった。
歩いてきた路をもう一度歩き返して、落として来た欠片を拾い上げたら初めて名前を呼びたいと願った甘酸っぱさを取り戻せるんだろうか。
【優しさすらも、たった一人の為にあげてしまっただなんて、…――今更思い出すのは、寒さの所為だと言って呉れ。】
蝶の羽根を裂いて季節外れの金魚は如何?
永遠に終わらないツィクルス、ゆらゆら綺麗に泳いで差し上げる。
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74 :
日吉若
2008/10/06 02:48
窓の無い塔の中で鎖を足首に、
君の片割れを手の届かない処に同じ様にして繋ぎ止めておくよ。
空を飛ぶ為に羽根を持って生まれてきたのに
塔に閉じ込められてしまうのは、きっと辛いだろうね。
(自由に飛べないように天使は双子として生まれてくるなんて、知らなかったでしょう)
#羽根を持つ生き物は、何処迄も行ってしまうから人質が必要で。
赦して欲しいだなんて、言わないよ。
----
誰かを好きに為ることなんて、もう無いのかもしれないと思った時が在る。
人に興味が無くなり過ぎて、世界の動きにすら付いていけなくて。
目が覚めた瞬間に、地球の裏側でおやすみと交わされてるだなんて誰かの笑えない冗談何じゃないかと、…然う、其れこそ世界中を疑っていた。
一生分、とも言える恋をした数年前の夜中目覚めた時に眺めた隣で眠る愛しい人の顔だけが本物で、だけれど其れすらも自分が作り出した虚像なのではないかと、自分すらも信じられなくなっていた。
お前は馬鹿かと笑われてしまいそうだけれど。
だから再び手を繋ぎたいと思えた時、其れだけで救われたような気がしたんだ。
傍に居られた時間は酷く短かったけれど、多分、指に触れたら絡め取って呉れた動きが本当に嬉しかったのだと思う。
最後まで好きだと言っていた君に、言えなかったことが在る。
…――有難う、と。届けた言葉には入れていなかったね。
今は此の世界の何処にも居ないらしい君へ。
(此の一言を吐き出す迄に、二ヶ月以上も、掛かったよ。)
---
綺麗な物を知らずに綺麗な儘で居たいと口唇を噛む俺は、馬鹿の儘かい。
…洒落たタップを刻むスキャンドルマンガに、目も当てられない現実を吐き捨ててくれと、伝えて欲しい。
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73 :
日吉若
2008/09/29 07:44
其れは、水面下から俺の身体を喰い尽くそうと狙っているのだ。
絶え間無く揺れる世界で、目に見える物が歪んでいるとは思いもしないで。
多分、きっと、恐らく…絶対に。
#空を蹴散らし、星屑散らせ。
----
近頃の御気に入りは左の足首に絡まる金色の鎖と、其処に幾重にも飾られた星型の飾り。
恒星を足蹴にする愉快犯の心地に浸りながら武術の流れを準え蹴り上げて見れば、太陽の光を反射し空中に無数の星が散る。
(嗚呼、此れは太陽と月とが同じ青空に浮かぶ矛盾によく似ている。)
近頃の御気に入りは母が縫い上げた朱色の着物。
赤い牡丹の咲く中で金色の彼岸花の佇む矛盾が俺を魅了するには、充分で。
(季節は廻り往くから美しいけれど、冬に薔薇が欲しくなる愚かさが人なんだ。)
近頃の御気に入りは初夏の頃から部屋に廻らせた蚊帳の中。
白く薄い膜の中、もう必要が無いのだと云うのに其処から出て往けない。
庭に通ずる硝子扉を開いて、膜の繋ぎ目から星を纏った二本の脚を思い切り伸ばす。
…下に在るのは、小さな池。
透明に保たれた其処に脚を伸ばす、足首を沈める。さすれば星を目指して必ず一匹の鯉が寄ってくる。
白い身体に、赤と黒の斑点が綺麗だと思っていれば水中からは決して見えぬ星が物珍しいのか口を寄せる姿が、何故だかとても愛らしい。
星の無い世界だなんて考えたことは無いけれど人が初めて夜空を見上げた時は、虫取り網を持って捕まえに出掛けるんだろうか、なんて、鯉を眺めながら考える時間がとても至福。
(視界の歪む水の中でこそ、きっと星型は本物の星の形を成すんだろう。)
星の沈んだ池の上、
必要の無い籠の中、
俺の身体の上で咲く夏花と秋花、
鯉が見るのは視覚の歪んだ世界だけ。
酸素を求めて水面から顔を覗かせておくれ、其の瞬間に君が本物の星を見られるように部屋の電気は消しておくから。
【然うしたら、君が酸欠に為る迄何時までも付き合うよ】
+ コイ、と云う名の愚鈍さよ。
----
次回は天使を殺す方法のメモにしよう。
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72 :
日吉若
2008/09/25 22:36
呪いのように、願いのように。
…祈りのように。
# 其の優しい人は、唯綺麗に微笑んで「 」と言ったのだ。
---
夜だと云うのに、空が灰色なのが時々途轍も無く怖くなる。
太陽は何処にも居なくて、カーテンを閉めた空には穴から洩れる光だけの筈なのに遠い空が、まるで閃光みたいに明るくて 其の光は何処から、誰が、何を探す為に蝋燭を燃やしているんだろうと思って怖くなる。
明かりが怖いのは、世界が終わる瞬間は光に包まれるからだって何時だったか聴いたからかもしれない。
其れとも、暗闇であるべき空までもが自分を裏切っているようで憎しみが募るからなのかもしれない。
人は何度でも恋をするから永遠なんて十年も保てば良い方で、泣いて寿命なんて延ばしたく無いから静か過ぎる夜はベッドの上で背中を丸めて只管喘ぐ。
顔も知らない、声も届かない誰かを想って、体内に涙を溜めて悲しみで破裂してしまえば良いと願いながら。
灰色の空を見上げる。
悲しい訳じゃない、腹が立つ訳でもない。
だけど、…だけど。
(もしも彼が自分を嫌いだと認めたら、)
きっと二人共楽に為れたのに。
>>灰色の空の下、待ち合わせている恋人達が存在するのだと誰か言って見せてよ!
---
世界が終わる瞬間が来るのだとして、其の光の中に逢いたい人が居るならば駆け出して往きたいと疎らな意識の中でよく思う。
相変わらず頭の螺子は飛んだ儘です、今晩和。
永く此の辺りを覗かない間に、色々と変化の有ったようで何依りです。せめて御祝いを、と思い落書き帳を取り出した物の書き方等すっかり忘れてしまった。
(久し振り、を言う相手もいない気軽さで御免なさい。…狡い男なんです。A Ha Ha!)
#背後から心臓の隙間を縫って躯を貫かれたい
#口を塞いで、痛いかと、耳元でやらかく問う声はきっと甘いんだろう。
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