100を迎えてから随分と時間が経ってしもた訳だが、改めてオメデト。
此ン日記、俺等が付き合う２日前に作ったンやな。詰まりは２人の歩みが此の１冊に丸っと収まっとるっちゅー。いやはや、追懐為るには実に有難いアイテムや。是非とも此れからも大事に為て呉れ。

起きたら部屋の外にデッケェ蜜柑が転がってたンだけどよォ。オイ、何の厭がらせだ千石。――テメェは俺に遠慮許り為やがるが、如何云う心算だ。如何せ俺に尽くそうってンなら、外で丸まってンじゃなくて布団に入って湯湯婆代わりに為るくれェの事は為ろよ。
…散々文句を云ったが、テメェが自信の無ェ様な行動を為るのは結局は俺が原因なンだろうな。愛の句なんざ軟派なモンは紡がねェし、外に連れ出す事も為ねェ。其れでもテメェは文句１つ云わねェし、健気に尽くそうと為て呉れやがる。――まァ、可愛いンじゃねェの？…ケッ、知らねェ。

愛してるぜ。
…滅多に云って遣らねェから、今の句を精々大事に耳の穴に収納しときな。一先ずデケェ蜜柑は俺のベッドに回収為とく。
>祝、250。
残りの半分もテメェの信ずる様に綴りな。

扉越しに届いたたったの２文字を、幾度咀嚼為たと思う。自惚れては否定しの堂々巡りだ。なら如何為て真意を聞かなかった、なんて安易なツッコミは止して呉れよ。
若し、若しも言葉の意に確信が持てて居たなら、俺は戸惑いつつも木霊を返していただろう。
サヨウナラは確りと俺の顔を見て云え。尤も、其の必要は無いだろうが。

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扨、乱入失礼するぞ、千石。
300頁到達おめでとう。此の日記も残すところ後200頁か。筆の早い御前の事だから、某月の７日迄には完走為て呉れるんじゃないかと期待為て居る。分身達の思い出の詰まった１冊だ。俺も大事に為たい。此れからも分身一同、末永く宜しく。