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┗1065.ラストノートがわからない(48-52/189)
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52 :
魈
2024/02/07(水) 21:18
👹⬇️喋喋喃喃
「少し話しただけで魈とデートに行きたい場所が増える」と告げる、三時間ほど前のお前の顔が浮かぶ。
時期故なのだろうとは分かっている。お前には国を渡り地を駆けるに至る理由がある。──が、その手指の置かれる意味。視線の緩む意味。弾む声音の意味。意味を知っている以上卑下も出来まい。
どの時間も愛おしくてたまらないと寄り添う体温が手放しがたくて困るなど今更言うに躊躇うのすら無駄だと分かってはいるが、お前に余り出さぬだけで我にも羞恥心というものはある。
そう簡単に記憶を手放せぬ身であるのとは別に、お前の言葉を忘れるような我では無い。そもそも何時かお前が一人抱いていた寂しさへの認知及び自覚とて、余りに印象深かったからだ。
恋しく思う内を隠すなと言うべき時であったが、当時のお前はそう思う心の一箇所を落としてきたようで気掛かりだった。人は他者と笑い泣き、時に義憤に満ちた最後には晴れやかに楽しげに幸福を甘受する生き物だと我は認識している。
然しその欠落を知ってからのお前は甘える姿勢や楽しげに笑う顔が増えたな。理性的に真っ直ぐと先を見据える視線は見ていて不満は無いが……お前には我がいるのだから、楽にしていて欲しい。呼ばれたら顔を出すと告げた意を撤回する事とて起きん。
同時期にお前が我に渡してくれた言葉もまた、この意を留めおいている。「大好きな魈の幸せなひと時を同じ空間で見ていたい、あわよくばその幸せを構成する一部になりたい。魈に恋をしているから蚊帳の外で見ているだけじゃ足りないんだ」
───曰くあれは、口説き文句なのだろう。我を蝕む慟哭や痛覚がほんの一瞬穏やかな風に包まれた事実を今でも明朗に思い出せる。甘えた緩みが出始めていた我も我だが、この言葉は永遠に仕舞い込んでいたい。
お前が我を飽きぬ、其の日迄。お前が我に詰めてくれる萎れぬ言葉の瑞々しさを思い返す度に、我もまたお前に渡せるものが増えるといいと強く願う。
一番美しく高く、花火が見える場所で海灯祭は過ごすか。人間の作る料理の手数は煩わしいが、お前が言うのなら綿菓子程度ならば隣で食したいとも思う。
……今宵も早く逢いたい。髪を梳くか両頬を愛でるか、何れにしてもお前が寒くなければいい。
…霄灯、共にあげられてよかった。拙い出来ではあったが、ちらちらと灯りに照らされるお前の金の髪が美しかった。長く、永く、我らの願いが宙へ届いて輝く日が来るといい。
👹
連名になられたのですね。御身の興味を惹くに値出来た本棚の入れ返しへ筆舌に尽くし難い程の感謝を。唯告げておきたいが故の言葉、どうか我の事は気にせず。
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51 :
タルタリヤ
2024/02/05(月) 20:49
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆🐋🏹冬極を鍋に一匙
「はあ、……はあ…っ…!?」と雪に怒りながら歩いた鍾離先生vsその先生が大層おかしくて笑った直後璃月特有のしゃびしゃび雪に踵を持っていかれた俺vs風蝕ウェネト。
上司が休めと言わないとしょうがないしスネージナヤから離れてはいても雪国生まれである以上有り様過ごし方はずっと前から身につけている。ちゃちゃっとやることを纏めて明日に回したりさっさと返して一部の部下には各々滞在先で仕事をさせたり、でも基本は家で温かい料理やお茶の時間を楽しむに限る。璃月じゃ宝盗団も雪原と化した地にはいないらしい。
カフェ好き団欒好きのスネージナヤ人には当たり前の冬の過ごし方だけど、先生もこの過ごし方を気に入ってくれた以上(昔の璃月も冬篭りはやっていたらしい)やらずにはいられない。
生前寒がりだった意向を踏まえ葬儀を延期した結果、今日ばかりは教鞭も置いてきた鍾離先生を誘って、一緒につついた坦々胡麻豆乳水餃子鍋はなかなかに上出来だった話を後で書く。
レシピを書くまでもない料理を上手い具合に盛り付けてバランスを勘で整えるのが我ながら得意なだけだと自負しているのに、鍾離先生はちょっとしたお茶請けから重箱まで等しい審美眼で評価した後期待に瞳を輝かせてくれる。リアクションについては逆だったかもしれない。
鍾離先生は熱い汁物が好きだけど味の濃淡の好みは品ごとに変わるから、今日は積雪で疲れた身を労わってちょっと練りゴマを濃いめに投下して辣油も多めに。野菜はいくら入れても無罪だから水気で薄くなるのも気にかけて、うどんはスープが煮詰まってきたタイミングで。
あの綺麗な顔した生き物が水餃子にかぶりついて肉汁や旨みたっぷりの汁気を顎下まで垂らしたのを慌てて俯く様を見せたり、口の中を空にした途端明朗とした声で美味を訴える。〆のうどんに飽き足らず明日の朝飯におじやとしても真剣に食いたがる振る舞いを見ているとパブリックイメージと異なるのはまぁ分かるけど。それでも根幹は変わらないだろう?
価値がわかるからこそ拘る。見定めた途端気に入ったものを手に収めずには居られない。その許容範囲が神様尺度だから広すぎて、様々な括弧書きを省略しているだけだと俺は考えている。
俺を選んでくれたのもそこに当てはまって且つ細かなツボをつけたからなんだろうか。あの時はただ、また璃月に滞在するついでにあの声で茶飲み話をまたやりたくなっただけだったのにね。
俺はあんたに願望も敬愛も畏怖も向けない、あんたは俺に侮蔑も狂信も畏怖も向けない。広い知識と語り口が気に入った関係値が飛び出して、いつからか熱を伴う単純な恋が欲しくなった。
ねぇ、今日も幸せってやつを先生との時間に見出していい?あの時の距離感を把握しながら二人隣同士並んで長さに笑う瞬間が好きなんだ、と有り触れた夜に思う。静寂を好む雪だけがきっと俺達の蜜事を捉えていた。
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50 :
鍾離(乱入)
2024/02/03(土) 23:11
🐉🔶大体両手の指を合わせた数
恋人の言葉がこの日記に増えるたび夢中で読んで癒しを得ているのだが、最後に挟んだページが10も前になっていると気が付いて少し慌ててしまった。義務ではないにしても贈りたい言葉は山程ある。元々豆に文章を綴る性格ではなく(日々俺の手紙を受け取っている彼には信じてもらえない気がする)時間が空いた時に書き溜めてみても面白いと思える日記に仕上がらなかったり、時間があるときは出来る限り恋人の傍で過ごしたいと考えていると一ヶ月はあっという間だ。長く生きている分、彼の中の時間の流れは俺の中のものと異なるとは思うのだが。
海灯祭が迫り、街の人々も璃月港と外を行き来する商人たちも皆忙しそうにしている。俺も往生堂の雑用に始まり堂主の知り合いの手伝いを頼まれたりと駆け回っているが、活気溢れて賑わう景色を見ていると心が躍る。丁度海灯祭の期間中に恋人と過ごせる時間も確保している上、春節の休暇はゆとりを持って与えられたことを思えば今の忙しさも苦ではない。束の間の休息や一日の終わりに少し顔を合わせられる幸福は、彼が教えてくれたものだ。逆に考えれば会えない時間の寂しさを仕込んだ極悪人でもある。俺は時々、彼に対して「大悪党」と皮肉を言う。冗談ではなく彼は悪い男だと感じることは度々あるのだが、悔しいことに惚れた弱みで何もかも魅力に思えてしまうのだから敵わない。だから俺は俺なりの狡さを躊躇わず奮っている。
愛情の示し方、寂しさを伝える術、幸福を表す笑い方。日々互いに教え合っていることは数多くあれど、笑い方に関しては最近彼に似てきたらしい。自覚した瞬間を思い出すだけでむず痒い……これも凡人としての振る舞いが上達してきた証拠だろうか。彼の故郷ではどの家庭でも行うらしいジャム作りを二人で行い、熱い風呂と甘い炭酸飲料の相性の良さを教わる。きっと凡人にとっては何てこともない平凡な日常なのだろう。しかし俺にとっては知識はあれど体験したことのない新鮮で目新しいことばかりの非日常で、それが自分の中で当たり前の日常に変わっていくことが楽しくて仕方がない。
すっかり凡人になった、と俯瞰しながら今日もズルを重ねる合間にこの日記を残しておこう。
🐋🏹大悪党ですこんばんは
鍾離先生ってば俺とやり取りしだしてからマメに言葉を返すようになっちゃったし六千年の孤独を人間の小僧風情に見出した上に、長期出張の前には俺の痕跡を刻んで帰ってきた後は沢山名前を呼んで触れて抱きしめて欲しいんだってさ。本当にかわいい。
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49 :
ニィロウ
2024/02/02(金) 21:24
🪷💃🏻朝昼晩と長針、ふたり
身支度をしながら声をかけて寒くないようにマフラーを互いに巻き合いっこして、「カーヴェ達と呑んでくるから〇〇時に帰る」「じゃあわたしもディシア達と鍋パーティーしてくるね」「「いってきます、いってらっしゃい」」
って冬の朝の支度をして出ていく瞬間が最近お互いに好きで、アルハイゼンさんが私の色だと思って買った色味のとろふわマフラーは手触りも勿論良くて、全然照れずに言うんだからほんとに敵わないんだ…。
アルハイゼンさんの方がすごーく寒がりなのに朝お見送りをしてくれる度に「君が冷えないように」って、ありふれた手のひらサイズの幸せと暖かさを私のマフラーやポケットに入れてくれる優しさが本当に嬉しくて私の心に一つ、マッチの火を差し出されるみたいで心が弾んじゃう。
とと、書いていたらアルハイゼンさんから早速そろそろ戻るの連絡が届いたよ!また後で書き足しにくるね。
🪷
会えないお留守番中はダンスの自主練をしたり靴や衣装を繕ったり、買い出しをしてアルハイゼンさんから事前に聞いている範囲の場所の掃除をしているんだ。
いよいよ帰って来る、って手紙が届いたら暖炉に火をともして暖かいお湯と茶葉の準備をして、いつだって私の隣に戻ってこれて良かった、と思って欲しいの。時々ぐでっとしてしまう姿も好きみたいだから、疲れちゃってる時はやれないけど……。
「今夜ももうすぐ会える、早く会いたい」普段は理性的で躊躇いが無いあなただからこそ差し出してくれる愛情の温かさが嬉しくて、剥き出しの好意にリボンを掛けたくなっちゃう。
心に傷がつかないように、欠けてしまうものの代わりに植える花が綺麗であるように、何より私だけがぎゅっと抱きしめていられるように。あなたと私、広いおうちで狭くくっつくのを選んだ幸福を当たり前と思わないように。
ねぇ、アルハイゼンさん。いつもいつも、私があなたを大好きでさせてくれてありがとう。……ここまでの書き足しを次の日のお昼前にしていたんだけどね、またアルハイゼンさんからただ名前を呼んだだけの声かけが届いて…私ってばこれだけで浮かれちゃう。
書き足しはここまでにして、お昼ご飯にちょっとお邪魔してこようかな。大好きなあなたに寒さに負けない幸福がいつもありますように。
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48 :
タルタリヤ
2024/01/31(水) 00:50
🐋🏹死なば一人目覚めは二人で
目的達成の為散らぬ程度に命と荒野を駆けるのか、駆ける為に荒野に目標を定めるのか。鍾離先生と付き合うまではそんなこと考える暇があるなら次の強敵を探しに行きたかった。
当たり前のように生きて当たり前のように死ぬ。それを孤独と感じるのは心に研ぎ澄ませた刃の向きを違えているからで、弱さと成りうるそれを隠せぬのなら弱き者らしく先の人生にある生の楽しさを減らされるだけだと思っていた。
否厳密には未だそう思っているけど。兎に角、俺に寂しさという感情の誤魔化し方や好いているからこそ己を合わせ寄り添う為の手段を下手くそにさせたのは鍾離先生だ。
今更口に出すには情けない我儘を、事情を知りながらあと少しだけを望んでしまう傲慢を今更なんて言葉を知らない風で存外この二つ(桁が)上の恋人は率先して出している。
「起きたてで口が回らないことは分かっているが見送りたくて」と癖毛の本数を増やしてでもさっきまで俺も寝ていたベッドから身体を起こして、ちょっとした俺の惚け方をキッカケにハマってしまったらしいマフラーの巻直しをして、先生よりずっと寒さに強い俺が冷えぬよう手つきだけのまじないとやらを仕込む。
野暮だよ、と毎回口から出たがる言葉がマフラーの奥に封じられる。かと思えば寝ぼけ眼が抜けない調子で夢の中で俺が手に乗せて眺めていたハムスター(特徴を聞くにロボロフスキー)を鍾離先生が口に入れようとした直前で目を覚ましたと素で言うのだからどうしようもない。なんでそう惹き付けるのが上手いんだあの爬虫類は。キュートアグレッションの一環と言い張るには無理があるし寝ている俺の瞼を時々弱く齧っているらしい。本当になんなんだそれは。指とかならまだわかるけど。
何時か来る俺の第二の生とやらはそう簡単にはいかないらしく、二百年程度は魂の清算に見込んでいるとか。
目が覚めるまで毎日声を掛け新しく拵える俺の身体を拭き、辿った思い出の品を一つずつ供えて過ごすらしい宣言は孤独に見えた。当たり前を飲み込み続けてきて六千年と少し、飲み込んできた数だけ今更のプライドは抑えて凪の心を持って尚、素直に喜怒哀楽を有し続ける岩の護り。
なるべく長く生きて俺を一人にさせる時間を減らしてくれ、となんでもない様に告げた笑顔が急に切なく思えて触れたくなった。先生には告げられなかったけど、俺はそもそも時々あの生き物が浮かべる遠い先と戻らない時間を見上げ或いは見下ろすばかりで今ここに居る俺や璃月を真っ直ぐ、無意識下で見つめようとしなくなる瞬間がムカついて肩を叩いてやろうと思ったのに、と自分の宣言を無視した俺自身にもムカついた。
俺の永い時を選んだからには凪と停滞なんて許さない、寂しさを寂しさのまま大切に抱え唯一人許したつがいにだけ見せる弱さを愛情だと教えた鍾離先生の剥き出しの無垢は今度こそ誰にも渡せない。
……どうしようもなく好きだ。先生がいい、と植え付けられた帰巣本能をベッドで持て余しながら考えている。自分の視界でのみ定義する”世界の”周期を変える度に行き来する璃月とスネージナヤは、その都度二人で歩けば乾いた石畳も命を掻き消す新雪も小気味よいリズムになるんだろう、と今日も一人から二人になるのを選んだ現実で夢を見ている。
…と、ちょうど先生が帰ってきた。
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