ご利用前に必ずINFOをご一読ください。
※色見本  ◇WHITE ◇WHITE2 ◇WHITE3
スレ一覧
┗1504.マチネの前夜(26-30/126)

|||1-|||
30 :アベンチュリン(崩壊:スターレイル)
2024/10/11(金) 19:50


流行りの小説の真似事をして笑い合い、何日も曇っていた夜空に星を見つけて一緒に空を仰ぐ相手。「寒い」とこぼしたら、言葉もなくただ腕をさすって暖めてくれる人。
屋敷を出て、黒い馬、黒いキャビンの馬車に乗り込む時、ふと…無性に。誰かに思い出話として話すまでもない、そんな些細なやり取りが、何より幸せなことに思えたんだ。

彼女はすっかりよく笑うようになった。あんなふうに笑う『クリスティーヌ』だったら、オペラ座の怪人は彼女を攫ったまま二度と戻ってこない!
会話に重なる蹄と車輪の音、ゆらゆらと揺れる体、夜に追いつかれた馬車の薄暗さ。どれも邪魔なもののはずなのに、それは明るい場所よりずっと輝いていたよ。彼女の可笑しそうに笑う声や笑顔は、その瞬間、間違いなく僕だけのものだったから。

ただあのことは僕には笑いごとじゃなかった。ぼくは、笑いごとじゃ、なかった。……………何もつけて、ない……、か…。



[削除][編集]

29 :メディスンポケット(リバース:1999)
2024/10/08(火) 08:25



💉

8時間経過…上昇した心拍数に変化なし。いや、おそらく起床の1分後に再上昇、発作性上室性頻拍の恐れあり…。原因?分かってんだろ。おまえだよ、おまえ。おまえ!おまえ!おまえ!!
まあでも、眠れねぇとは言ったけど、日記の隅から隅まで眺めてからはめちゃくちゃ快眠だったよ。多分、おまえが隣で寝てたからかも。

オレはさあ、完全無敵かそれに近い状態のオレをおまえに見せたいわけ。でもいい感じに力も抜きたいの。だから、デコレーション途中の日記を差し出された時、なんか……嬉しかったんだよ。その方が素直なままを伝えられそうって、そういうの、おまえのいいとこだね。

おまえの綺麗で波長の合う言葉も、曲がらないフリスビーみたいなとこも、オレのために時間使いまくる感心な飼い主精神も、全部おまえのいいとこ。…じゃないか。オレが好きなところ、が正解。
おまえの日記、ちゃんとオレの宝物箱に入れときな。そしたら毎日読みに行くから、覚悟しとけよ。



[削除][編集]

28 :アベンチュリン(崩壊:スターレイル)
2024/10/07(月) 19:23


名も知らぬ霊の演奏は確かに感動的だった。でも、好きだと思えたのはそれより前の…初夏の午後を思わせる柔らかな歌声と、まるで女性の温もりのような、優しく愛情深いピアノの音だ。

「一階のサロンでお待ちしてますわ。」

あなたを待っている。何てことのない言葉に胸を甘く擽られながら覗いた部屋で、彼女は『愛の夢』を弾いていた。そうだ、歌っていたのは何だろう?歌というより、詩をメロディに乗せているふうだった気がするな。

ピアノの弾き方を教えてほしいと言ったのは、もう一度あの音が聴きたかったから。それとね、ちょっと甘えてみたくなったからさ。好きな女の子に構ってほしくて、苦手なものを自分から打ち明ける男の子みたいに。
手に手を乗せて弾くものだから軽やかとは言いがたかったけど、あの深く溶け合う音色と、隣に座る彼女の声や息遣いが、僕が見た初めての愛の夢だ。



[削除][編集]

27 :アベンチュリン(崩壊:スターレイル)
2024/10/06(日) 20:46


彼女のオペラに出逢うまで、僕の知る音楽といえばたった二種類しかない漠然としたものだった。優れているか、そうでないか。
だから、彼女に降りてくる芸術家の霊たちはきっと天才と呼べるんだろうね。歌劇場の高い天井まで届く、繊細で艶のある歌声。嵐の日の雨みたいに、皮膚に深く食い込んでくるピアノの旋律。最高の境地もひとつじゃないって、この街で初めて感じたよ。

一階のサロンで聴いたのは、なす術なく音の層に襲われる演奏だ。たとえ指が折れても構わないと甲高く叫ぶような。
それが初めて間近に見た降霊だった。ピアノが好きなだけの霊だったと彼女は言うけど、その疲れきった顔とこちらへ力なく伸ばされた手を見たら、僕にはそうは思えなかった。……許せないと、そう思ってしまったんだ。

使い方次第の強い力と、か弱い身体。これが僕自身なら迷わず前者を選ぶのに。
メイクルームで見た、少し不安そうな顔が蘇った。ひとりで危険な真似や無茶はなさらないで、と。もしかしたら、あの表情と似ていたかもしれないな。肩に寄りかかる彼女の重みが消えること…今はもう、それが怖くなってしまった僕の顔は。



[削除][編集]

26 :アベンチュリン(崩壊:スターレイル)
2024/10/05(土) 18:26



🍏

昨日の「あなたが大好き」を引きずってまだ頭がぼんやりしているし、「わたし、本当にあなたが大好き」が延々とこだましているけど……。まあ、最低限見られる形にはなったんじゃないかな。

昨日の朝、ちゃんとした日記帳を持ちたいと考えていることを伝えた結果、こうしてこの一冊を手に入れたというわけだ。ある頃から手元の紙束に書き留めてはいたんだけど、まさかこんなに溜まってるとは思わなくて…書き写してる間、驚かないでと忠告した僕自身がずっと驚いていたよ。『え?』『嘘だろ!?』『労働力の搾取じゃ?』ってね。
ご褒美は君の笑顔でいいよ、イゾルデ。

二人の思い出や軌跡を形に残したい。何かを共有したい。二人の未来を信じている証のひとつを、はっきりと示したい。堂々と日記を書く理由は色々あるけど、そのどれもが同じ気持ちでほんとうに嬉しいよ。
あなたと一緒ならどんなことでも楽しめてしまうから、と…そう笑った声が、今も胸に残ってる。本当にそうなんだ!僕たちはそれをよく知ってる。初めて会った時からそうだったし、今はあの頃よりもっとその思いが強い。

今まではこっそりとだったけど、これからは僕のことをもっと知ってほしいから。君の名前も、初めて書いた。ここがひとつの分岐点だからね。
昨日の話に賛成してくれて、あんなに喜んでくれてありがとう、イゾルデ。僕、やっぱり君が大好き。………君の真似。かわいかったかい?



[削除][編集]

|||1-|||
[戻る][設定][Admin]
WHOCARES.JP