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スレ一覧
┗1504.マチネの前夜(71-75/127)

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75 :アベンチュリン(崩壊:スターレイル)
2024/12/02(月) 19:08


「ふふ、仕方ないわ。こんなに酔っているんだもの… 、わたしが脱がせてあげないと…。」

グラスに注がれたワインも、唇から唇へ移されるそれも、どちらも味に変わりはないって頭では分かってるんだ。分かってるのに、頭以外のすべてが安物のワインを世界一の高級酒だと訴える。たとえばあの深みのない色は、彼女の赤い舌のように色めいて見えた。
いや…待てよ、もしかしたら錯覚じゃないのかも。ねえ、君っていつも、なにか蜜のようなものでも口に含んでいるのかい?目を閉じていても、吐息の甘い香りが分かったよ。

口移しのワインに酔ったから、一人で服も脱げない『赤ちゃん』になってしまっても仕方ない。
小さく笑った声、擦り寄せられる頬やおでこのキスに甘えてしまいたくて、それ以外はもうどうだって良かった。目の端が熱かったのは、アルコールのせいか、彼女の手が僕のシャツに触れるのを待ち侘びていたからか…どっちだったんだろう。



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74 :アベンチュリン(崩壊:スターレイル)
2024/12/01(日) 19:14



𝑄. 相手をモデルに人物画を描く時、どこから?

髪だね。シルクオーガンジーのドレスをふわっと広げるみたいに、長い巻き毛がきれいなあの黒髪を描くよ。その中に大切にしまい込むイメージで、眉、目、鼻…。
腰から上の、少し斜めを向いた無難な構図を思い描いて答えたけど、もっと自然な……たとえばカウチに寝そべってうたた寝をする絵なんかもいいな。


いきなり何が始まったかと思ったかい?ちょっとしたお遊びさ!気が向いた時、ふと思いついた時にでもこんなふうに答えていこう。
イゾルデ、僕から君への質問も書いておくよ。君もぜひ答えてみてくれ。

➜ 𝑄. 相合傘の時、傘を持ちたい?持ってほしい?

僕は持ちたいね。君の髪一本も濡らさないように。




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73 :水木(鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎)
2024/11/30(土) 12:41



🚬


朝晩と顔を洗うとき、時偶石鹸が入って左目だけが痛む。こういう日常の些細なことの大体は、不思議だナァで終わっちまう。深く考えなくともまあ生きていけようってな。
ところが最近になって気付いた。俺が顔を洗った後に目を開ける時は、無意識に左瞼を薄める。じゃあ左目は無事なはずだと思うところだが、むしろ瞼が滑り台になって石鹸が目ん玉に流れ込むんだろう。
と、数年間密かに抱えていた謎が解けたわけだ。

せっせと日記を書くようになってから、それまでより物事を深く考えるようになった。物をようく見るようになった。
元々記録することが好きな質ではあるが、俺一人のつまらん日常を書いたところで何にもなるまい。もちろん、彼女のことばかり考えて彼女のことばかり書いてるからだ。

たった一歩踏み込むだけで見えるものがある。視界が開けて、気付くことがある。あなたにはそいつを教えてもらいましたよ。


🍶


先週、外を歩いていると近所の婆さんに「あれ水木さん、お肥んなすったねえ」と声を掛けられた。大して太っちゃいないが、婆さんにかかりゃなんでもお肥んなすったねえだからな。たぶん、生き生き血の通った顔色になったってことだろう。お幸せそうなお顔だねえ、だ。
今日は『不連続殺人事件』を読み進めるか。




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72 :アベンチュリン(崩壊:スターレイル)
2024/11/29(金) 22:42


わざと床に転がした二人分の靴みたいに、ぴったりと身を寄せ合っていたかった。抱きしめ合う腕を解いて身を起こしたら、触れ合えるところが少なくなってしまうだろ?たとえ手を握っても、頬を撫でても、ついさっきまでの熱が恋しくて、どうしようもなく寂しくなる気がしたんだ。

だから、彼女の太ももに左足が触れるように、彼女の膝に右足が触れるように。少しでも近付けるように座って……それから、彼女の肩に頭を預けた。

「さあ、お口を開けて。そぉ…っと、よ。」

赤ワインをグラスに注ぐ横顔が、月の光を浴びて、青白いウェディングベールを被っているみたいだった。
この世でもっとも綺麗なものが見られる特等席だ。ワインを飲ませてもらう時すら離れがたくて、あの肩や首筋に甘えていられるなら、だらしなく口の端からこぼれたって僕は構わなかったんだよ。



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71 :アベンチュリン(崩壊:スターレイル)
2024/11/28(木) 20:04


隠されたものは暴きたくなる、というのがお決まりだろうけど、人間に対して僕はあまりそう感じたことがない。特別な目的がない限りね。だから、自分でも驚くほかなかったわけさ。
白い手が恥ずかしそうに隠すもの。唇の奥でつくられた甘い声や熱く弾むような息を、全て暴いて自分のものにしたい。それは彼女が教えてくれた欲求だ。だから当然、彼女に満たしてもらわないとね。

抱き合いながら僕の髪に滑り込む指が好きだ。しがみつくように回される腕も。
そのまま腕の中に僕がすっかり隠れてしまったら……それは、しばらく暴かずにいておいてくれ。優しく髪を撫でながら、僕が満足するまで、ずっと。



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