豈図らんや、私などが呼ばれてしまって良いのでしょうか?…などと言いつつ。ええ、はい。宮仕えをしていた頃がとても懐かしく。日暮れを惜しむ蝉の声を聞きながら、夕涼みをしたのがつい先日のように思われて。
……もうすっかり、秋なのですね。
読書が人の心を豊かにするように、書き手にも綴る楽しみが有りますので、…はい、このように。私も毎日、筆を走らせる事をすっかりと楽しんでおります。
想いを届ける者として、また、新たな教養の発露にもなるかと。紙の本という訳にはいきませんが……これは貴方と親交を深める為のとっておきの一冊。この本は私そのものですから…ええ、貴方に差し上げるものです。これからもゆっくりと言の葉を交わし、想いを綴り、共に新しき物語を紡いで参りましょう。
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はい、その意味…、やうやうと。
桜色というか、桃色といいますか。こうして過去を振り返る今も、貴方と共にある事を嬉しく思う私がここに。いつかの出逢い、素晴らしい御手蹟に心が震えたこと…今度、ゆっくりと聞いて下さいね。