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スレ一覧
┗1509.DOORS(41-45/133)

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45 :イゾルデ(リバース1999)
2024/11/13(水) 20:08


「……ばれてるかな?…彼女は見たいものしか見ないよ。自分の目に映るものが全てだ。」

🦋

緑色の目をした怪物、って。もしかしたら、今のわたしがそうなのかしら…?お酒なんてろくに飲めやしないのに。あんなふうにグラスを呷った理由は……そう、ちゃんとした理由があるの。彼女に向けられていた視線を何とかしたかった。きっと、ご存知なかったでしょう?

でも、あのシャンパンはわたしに勇気も与えてくれたわ。虎と狼から逃げ回るようなワルツ!酔いどれのステップであなたの足も踏まずにちゃんと踊れたし、どのように傾いたってあなたがその腕ひとつでしっかり支えてくれるもの。わたしは世界一幸せなオディールになって、オルゴールのお人形みたいにくるくる回っていたの。ねえ、夢でもいいわ、嘘でもいいから幸せ…!そこにあなたがいらっしゃるなら、わたし、他になんにも要らないわ。



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44 :イゾルデ(リバース1999)
2024/11/11(月) 22:38


「あの家の末娘でも、オペラ歌手でもない。君は一体、誰として、彼らの視線を集めているのかな。」

🦋

紳士は、ケーキの王様をいかに美味しく召し上がるかを語っておいでだわ。淑女は美味しく見えそうなお皿についてお悩みなの。アプリコットジャムとチョコレートはとても重要ですもの。では、器と中身ならどちらが大事かしら。オペラのチケットと金色の絵画なら……?ウィーンというオーブンで焼かれたスポンジのことはご存知かしら?

ほんの少し、出し抜いて。冒険するだけのお遊びだもの。だけど、これを…愉悦と言うの?アベンチュリン。



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43 :イゾルデ(リバース1999)
2024/11/11(月) 07:54


「お互い以外は誰もふたりを知らない、ただの、黒い羽の鳥たちだ。」

🦋

あなたと一緒なら何処までも羽ばたいていけそうだと言ったら、『僕からはぐれないで』と手を繋いでくださったの。わたしは夢の迷い子だけれど、あなたの手を取ってここまで来れたわ。いつも当たり前のように傍に居て、微笑みかけてくださる人。時おり考え深そうにわたしを見つめている、あなたの瞳が好きよ。静かな音楽なのに、内側から激しく爆発しているような……そんな繊細なところが、堪らなく好きなの。

揺れるカーテンの青さに、鍵盤の上に、開いた書物のページのそこかしこに。あなたを見い出すことは容易いけど、その容易いことが、それほど単純ではないのよ。



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42 :イゾルデ(リバース1999)
2024/11/10(日) 23:15


「…少しね。でも、君がこうしていてくれれば。温かいし……、手が、柔らかくて気持ちいいんだ。」

🦋

寒くはない?って手を重ねたら、あなたがそう答えたの。その時のお顔が、なんだか幼げで、とても可愛くて。そのままケープの裾を広げてあなたの肩を包み込むように抱き締めたら…、わたしの首元の、更に奥へと顔を潜らせてしまった。そんなあなたが愛しくて、今度は金髪に梳き入れた指で襟足を撫で付けていたら……とうとう、潜り込んだまま出てこなくなってしまった。

石畳の上を戞々と踏んでゆく蹄の音も、軋りながら回る車輪の音も、聞こえているけどまるで聴いていなかったわ。箱の中の静けさを、これ程までに心地良く感じたことがあって?わたしを抱き締めてくれる彼の身体は、こんなにも小さかった…?腕の中の無防備を、だたただ守りたくて、外から扉を叩く音にも聞こえない振りをしたの。あのままふたり、世界から切り離されても構わなかったのよ。



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41 :イゾルデ(リバース1999)
2024/11/08(金) 19:23


「ああ!ほんとうだ、何日ぶりかな…。」

🦋

燕が低く飛ぶと雨が振るのよ。ここ数日はお天気が悪かったから、久しぶりに星を見た気がするわ。もう少し、ふたりでこの星空を眺めていたかったけど…、せっかちな馭者が馬を降りて、馬車の扉を開けてしまった。お待たせしたみたいね。もう、行かなくちゃ。

ねえ、星の瞬きに願いを込めたら、廃墟で生まれたわたしも光の子になれる?お母さまや兄さまとは別の救いが欲しいの。ここにはマリア様のマントも宝石もないけれど……あの星々に歌を捧げるわ。思いやりと豊かな気持ちに育まれて、身近な出来事を愛しく思えますように。どうか、わたしの祈りが、いつも彼を守りますように。



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