「つまり、君にも言っていないことを…教えてしまったんだ。」
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清らかにせよ、邪にせよ。
わたしの感情というものは隠そうとすればするほど却って大っぴらになりたがるんだわ。あなたがわたしの内側を『見た』と、そう感じる瞬間が増えてきたけれど…、無条件でそれを受け入れてもらえているような……そんな安心感を、いつしか覚えるようになったの。
階段を上ってくる足音から逃げて、扉が並んだ通路の端、ふたりで滑り込んだお部屋の中。お互いの秘密をしっかりと抱き締め合った時。あなたに信頼されたいと願う事と、信頼されることは別の問題だということに気付いたのよ。ただ、わたし自身がそう在りたいと心に決めさえすればいい……、そういうこと、よね…?