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┗1509.DOORS(61-65/133)

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65 :イゾルデ(リバース1999)
2024/12/02(月) 16:25


「イゾルデ、僕だよ、よく見て…!」
 

🦋

一人きりのお部屋で、鏡を覗いたの。
黒い頭巾のようなフレアコートを頭からすっぽり被ったら……暗がりに浮かぶわたしの顔が、わたし自身が、部屋に置かれたランプのようにぼんやりとしていたわ。早く、早くあの人のところに行かないと。わたしの怯懦な心は、浮かんでいるもの達にいっそ呼び掛けて『あの人はどこ?』なんて、こぼしてしまいそうになるから。

廊下の向こうで、わたしを呼び止めた声。……あなたでしたのね、アベンチュリン。これから先、何度見失いそうになってもわたしは真っ直ぐに両手を伸ばすわ。離れていた手が磁石のように強く結び付いて、こうして、しっかりと繋ぎ合わされた時。本当に、胸が熱くなったの。



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64 :イゾルデ(リバース1999)
2024/12/01(日) 23:54


𝑄. 相手をモデルに人物画を描く時、どこから?


まずは、瞳……かしら。あなたの不思議な虹彩を上手く表現できるかは分からないけれど…そうね、テンペラ絵の具を使うわ。虹のような瞳の輝きから少しずつ色を重ねて…、その次は眉、鼻、口の順番に。
髪の毛はミルクを混ぜたようなペールイエローで、毛先の流れや明暗にはきっとこだわってしまうと思うの。わたしが一番に描いてみたいのは、着替える前の朝の軽装。窓辺に立っているあなたの姿よ。


𝑄. 相合傘の時、傘を持ちたい?持ってほしい?


持ってほしいわ。わたしは普段からあなたの左側に立っていることが多い気がするから……傘を持つあなたの左手に、腕を組んで歩きたい。濡れないように、しっかりとくっついているわ。

次は、わたしがお題を出す番ね。
お返事を楽しみにしていてよ、アベンチュリン。


➜ 𝑄. 相手のクセで一番好きなところは?


無意識だと思うけれど…、右手を口元へ寄せるところよ。ゆるく握った拳とか、指先とか。わたしが何かを言ったり、した時に、あなたがよくそんなふうに右手を唇に寄せているの。じっと何かを考えているようなお顔をして、こちらを見ているわ。あなたの癖だと思うのだけど……気が付いていらっしゃるかしら?



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63 :彰子(青い文学)
2024/12/01(日) 09:21


🌸


さくら、さくら、八重桜。
おまえが私を見付けた時に、私もおまえを選んでいたのさ。おまえが示す桜の向こうのその先に、私の幸せがあると言う。都遊びも、首遊びも、あらゆる享楽もおまえ無しには語れまい。おまえ無しでは有り得ない。

ならば共に行こうじゃないか。月光の森、満開の下。行き着く先が何処であろうと私はおまえに付いて行くよ。思うまま、望むままに運命を受け入れて、花びらが舞い散るその先へ、私をすうっと導いておくれ。



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62 :イゾルデ(リバース1999)
2024/11/29(金) 23:59


「──君を笑顔にさせる魔法だ。…よし、決まり!」
 

🦋

お借りするとは言っても、無断で頂いていくことに変わりはありませんもの。代わりにわたしの首飾りと…、この夜明けのドレスを置いていくことにするわ。そう言ったら、彼が『それじゃあ黒鳥の女とはここでお別れだ』なんて言うの。待ってちょうだい、そんなふうに言われたら。……ひょっとして、わざとおっしゃった…?

あなたはいつも無駄がなくて、能動的。きっと、最初から袖元に隠していらっしゃったのね。手慰みのように拳を揺らしたかと思えば…、もう、次の瞬間には指先に金貨を光らせているんだもの。どんなに心揺さぶるオペラよりも、特等席でわたしを笑顔にしてくださるの。どんな時でも、優しい心の道連れ。それがあなたの魔法だわ。



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61 :イゾルデ(リバース1999)
2024/11/28(木) 19:25


「──……、世界一似合うんじゃないか?」 

🦋

とても、懐かしい色だと思ったの。
兄さまが持つ白いお皿の上に泳ぐ色、絵筆に乗せた鮮やかなクロムグリーン。わたしの目は吸い寄せられるように、その深緑の胴衣へ向かったわ。村娘とか、街のお嬢さんのような…、そうだわ、舞台では花売りの少女役がこれによく似たお衣装を着ているの。わたしは、一度も着たことがない。それに、丈が短いスカートは13歳のお誕生日以来、わたしのお部屋から消えてしまったもの。

諦める理由ばかりを探していたら、彼がひょいっとそれを片手に取り上げて、言ってくださった。……不思議だわ。あなたのそうしたお声がわたしに皮を脱がせ、殻を破らせ、新たなわたしを形成していくみたい。思想の泉といったものが、わたしの方へ流れ寄って来るみたい。

わたしが心に描いた鳥はとても自由で、今、クローム緑の翼を広げて世界の殻から飛び出したところよ。



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