日記帳 【壱】
┗212.[〆]ヒガンバナ(11-15/114)

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15 :狛/治
12/11(土) 00:15


十三日目


”君の他所見の可能性を疑う道もあるのか"


俺たちはぬるま湯に浸かったように
互いを信頼しきっている。

こうして文字に残せるくらいに
はっきりと。確信している。

俺はそれが堪らなく心地よく、嬉しい。


どうしても疑心暗鬼が生まれやすいこの世界で

伝えた言葉を真っ直ぐに受け止めてもらえることが
どれ程恵まれているだろう。

大切に想っている と毎日伝え合えることが
どれ程幸福なんだろう。


お前の隣はいつも心地がいいから
つまらない裏切りを思い付く暇もないんだ。

来年も、再来年も、
きっとずっと同じことを思っているんだろう。



…………

"いつも満たされてばかりだ。
 俺は貰った分の半分も返せているのだろうか"

—馬鹿だなあ。
俺はこんなにも満たされているのに。





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14 :狛/治
12/10(金) 15:42


十二日目


ふたりで文字遊びをするとアイツは
それは見事な文を作る。


練られた世界観に疾走が広がって、
読んだ俺は思わず、おおっと声を出す。

そして何度も見惚れる。


俺ひとりだけが読むのが勿体ないなあと常々思うが、
独り占めできる悦が立ち込んで、
瞬く間に心躍る時間と変わる。


俺の相手をしながらも
途方もない分量の文字を書くアイツは
きちんと寝ているだろうか。

アイツにとって俺は
弱音が吐ける存在だろうか。

………………









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13 :狛/治
12/10(金) 14:59


十一日目


今夜のアイツはとても眠そうに見えた。

普段より遅い時間に
声を掛けてしまったからかもしれない。


ふにゃふにゃした顔で俺の髪に鼻を埋める姿が
堪らなく愛おしい。



知っているか?


会いたくて、会いたくて、
俺は急いで帰って来たんだ。

大切に想っているぞと
どれだけ言ったら伝わるだろう。



…………

”俺も会いたかったよ
ひたすら甘やかしたい気分なんだ”

甘やかされた。
お前の隣は心地いいなあ。




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12 :狛/治
12/10(金) 14:45


十日目


俺たちの朝はスタンプの応酬から始まる。

律儀なアイツは俺を起こさないように密やかに。

一方の俺は
こんな朝早くからも想っているぞと知らしめるべく。

どちらの思惑を叶えるにしても
寝る前の会話を思い起こしては、ひたすら連打。


からきし生産性のないこの時間が
俺は案外好きだ。



…………
”おはよう…スタンプありがとう”

─おはよう。朝の口付けは酷く甘い。




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11 :狛/治
12/10(金) 14:40


九日目


添い寝をすると目が覚める。

お預けを喰らった反動なのか、
まるきり心持ちを変えられてしまったのか、
全くもって分からない。

触れ合うと落ち着かない。


今までどうしてきたんだろう。
昨日までの自分が思い出せない。

仕草のひとつひとつに色を感じればもう
目を瞑るどころではなくなって、
もっと触れたい衝動に心が揺らぐ。

これが若気の至りというものか。
ひと月も経てばこの欲も収まるのだろうか。


俺って存外にみっともないなあ。

いつかこのページを見返して
浮足立った俺自身を恥じる日が来るんだろう。




…………

”ノリの良さ凄い好き。”

─俺もだ。腹を抱えて笑ったよ。




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