折れてはいない。

こうして避難しに来るのも久しいな。良い事なんだろうが。…今は忙しさと諸々の複雑化で、己を見失いそうになっている。あれへの愛に縋ろうにも、あれにだって事情はあるだろう。結局、あれの目が届かない此処で震える臆病な一振りが俺だ。
これを知ったらあれは幻滅するだろうか。いや、何故言ってくれなかったのかと心配するんだろう。そういう奴だ。そういう奴だからこそ、打ち明けられはしない。あれが無理を押してまで俺に手を掛けるのは、俺自身の矜持が許さない。
……つくづく面倒な刀だ、俺は。


少しだけ、ほんの少しだけ、あれに対して不義理を働いている……んだろう。それも相俟って足が重くなる。何の陰りもない「愛してる」が言える男＿士でありたい。


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主に賜った金平糖の期限が切れ掛けていた。大切に、大切に食べていたのに。…幾ら大切にしても、終わりは来るのか。せめて食べ終えた缶は綺麗に洗って保管しておこう。金平糖が無くなっても、これを賜った事実は消えない。

っだー！俺の！出番が！ない！
俺だって偶には遊びに行きたい。うう…暴れたい……

何かさ、話す相手は居るんだよな。最近声掛けてねーな、とか、会いに行かねーと、とか。でもなんか、そっちに頭が向いてないんだ。暑いし。頭空っぽで馬鹿やりたい。
彼奴も居ないし、ごろごろしてんのも飽きたし。暑いし。あ、同じこと二回書いてた。そんくらい暑い。
取り敢えずアイス食うか。それから考えよう。よっし、アイス食って頭冷やしてくる。


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冷やした！いや、冷えてねーかも。彼奴が残した文を読み返して、なんか、うん。
……へたれってどうやったら脱せんのかな。そういうの、別に滅茶苦茶好きでもねーし、嫌いでもねーし。でも、据え膳食わぬは何とやらってさ。俺は悪友とでかいおっぱいは浪漫！とか言って騒いでるくらいが性に合ってんだよな。でもほら、好きな奴を前にして何も思わない訳ねーだろ？
練習…は出来ないし、こうなったら誰か見本を見せてくれ。求む、上手い手の出し方。


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別所で持ってる日記、鍵を外して、この可愛いのが俺の恋仲！ってやりたい気持ちもある。すっげーある。でも、見る奴への配慮が一切ない内容だし、何より此奴のこの顔は俺の！って独占欲もあって…やっぱこのままでいいや。
あー、でも自慢したいよな。ほんっと可愛くて、あったかくて、愛おしくて、好きだ。好きだぜ。

あれが寝ているなら、その間に諸々を片付けなければ。…眠い。

食事を摂らないと、あれが心配するからな。動かない訳にはいかないが…あと少し、見逃してくれないか。あれの腕の中から動きたくない。眠い。主命なら是非もない。ただ、俺自身を生かす為だけの行動をするには、体力が。あれが作るのなら、米粒一つ残さないんだが…。……いや、駄目だ。あれに包丁は持たせられない。結局、この微睡みを捨てる他ないんだろう。判ってはいる。


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万屋の店主が何やら言っていたが、面倒だからと長＿谷＿部スマイルで押し切ってしまった。悪いが、貴様の相手をしている余裕は無い。どうせ買得品がどうのと言うんだろう。そんなことより今は、一刻も早くあれの腕に戻りたい。

やる事はあるから寝てしまうわけにもいかなくて、でもすべきことも進まなくて、格好悪いなあなんて思いつつ時間を食い潰している。
今日を早く終わらせて、明日も早く終わらせて、早送りで日々を過ごしたい。そうやって、あの子と過ごす時間だけスローモーションにするんだ。あの子がいない時間はまた飛ばしちゃえばいい。
眠っていいなら。眠れば今日が終わるのに。

最近沢山話していたから、少し欲が出てしまった。ほら、今宵は夜空の恋人達も逢瀬を楽しむっていうしさ。僕達もしっぽりとまでは言わないから…ね？

俺の恋仲がこんなにも可愛い(震えた文字)


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貞＿宗がやって来るのを知った彼奴のはしゃぎっぷりは、随分と久々に見た…いや、あそこまでは初めて見たかもしれない。それくらいのものだった。

・唐突に部屋に転がり込んでくる彼奴
・俺の名前を連呼する彼奴
・名前を呼びつつちょっとはにかむ彼奴
・はしゃぎ疲れてちょっとくったりしてる彼奴

最後はもう、騒ぎ疲れて眠くなってたんじゃないかと思う。俺は彼奴を幼子か子犬か何かだと思っているらしい。最近は殆ど触れてこなかったのに、俺を抱えて満足気な彼奴が余りにも愛らしい。……貞＿宗には、感謝をしておく。