日記帳 【壱】
┗212.[〆]ヒガンバナ(21-25/114)

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25 :狛/治
12/21(火) 00:41


二十三日目


”心配しないで”

アイツがよく俺に言う。

逆に言えば、それだけ俺が
物案じしているということだ。


しっかり寝ているか。


不安はないか。


怖くないか。


無理をさせていないか。


お前はいつも笑ってばかりいるから
気掛かりなんだ。

見えない事は何度だって聞くよ。
たまには甘えろ。



…………

”君は心配性だなあ”

─そうだ。心配性なんだ。
そうさせたのはお前だろうに。





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24 :狛/治
12/20(月) 02:31


二十二日目


眠い。

とても眠い。

頭がぼんやりとして
正常に回っていないのが自分でわかる。


アイツは昼寝をすると言っていたから
今日はいつもの時間の声掛けは無いのだろう。


全く寂しくないと言えば嘘になるが
部屋も此処もアイツの匂いが満ちているから

俺は平気だ。


恋しい気持ちは夜に持ち越そう。


見ているか?

お前を想って筆をとる時間は
こんなにも幸せだよ。



…………

”うん。見ているよ。
君に満たされる日々を過ごせて俺も幸せだよ”

─驚いた。
コツコツと育てているから
また覗きにおいで。




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23 :狛/治
12/19(日) 00:56


二十一日目


普段よりも甘い声が聞きたいと思ったから
今夜は薬を使った。

熱を帯びたアイツの仕草に
始まる前から酷く興奮させられて、

交わす会話もぞんざいに
寝室へ連れ込んで

肌を重ねる。


小刻みに震えるアイツのひとつひとつの反応が
全て俺に向けられていると思うと

征服欲が満たされて
心から愛おしく思う。


焦らすように熱を注げば
瞬く間に時が過ぎた。



…………
—明日寝過ごすなよ。

"夢の中でも想ってる"






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22 :狛/治
12/18(土) 01:07


二十日目


週末の決戦。


子の刻に始まる行為に向けて

俺たちは布団の上で向き合い、
時計を気にしながら互いに膝を突き合わせた。


強引に口付けて、鎖骨に噛みついて、
体重を掛けてアイツの躰を敷布へ張り付ける。

抵抗できないよう
念押しに長い髪を踏みつけてやれば

あっという間に俺の王手。


覆いかぶさった優悦のままに
アイツが手にしたスタンガンを押収して、


布団の上で恋人に物騒なものを向けてはいけない と
じっくり身体に教え込んだ。



…………
—勃った箇所から電流を当てよう。
 胸が先か、下が先か。

"変な扉開かされる"

—お互い様だ。

"ならいいや"

こういう潔さが男前だと思う。





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21 :狛/治
12/17(金) 01:16


十九日目


"矢数俳諧"

週末に行う決戦を、
俺たちはこう呼んでいる。


ルールは至ってシンプルで
相手の反応を待たずして、どんどん手を出していく。


拘束されたり、上に乗られて
『これ以上抵抗ができない』 状態になれば負け。


勝敗がつけば、あとは勝者の言いなりだ。


今回は、事前申告で道具の持ち込みを良しとした。


すると、アイツから申告される 

『スタンガン』。


物騒過ぎるだろ。
殺意の強さに大笑いした。



…………

”勝つ為に必要な道具だと思って選んだんだ。
君に一泡吹かせたい”

─その強気は嫌いじゃない。
屈服させるのが楽しみだ。





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